遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

秀衡塗秋草紋盆

2021年11月16日 | 漆器・木製品

先回に引き続き、秀衡塗りです。

今回は、秋草が描かれた盆です。

径 30.8㎝、底径 19.3㎝、高 3.9㎝。現代。

底は2cmほどの厚み、縁でも1cmの厚さがある皿で、かなりがっしりとしています。

定番の金箔菱形と雲にくわえて、これまた定番の秋草が描かれています。葉の先にあるのは、露でしょうか。

光の加減を調節してやると、木目が浮かんできます(皿の右半分、縦の縞)。

先回のブログで、秀衡塗りは布着せ処理がなされているので、表面に木目は浮かばないと書きました。しかし、布着せは一級品に施されます。今回の品は普及品で、木地に直接漆が塗られています。実は、先回の品も同じように木目が見られました(写真では写らない程かすか)。

秀衡塗りに限らず、江戸時代の盆は、このように、木地に漆を塗り、さらに簡単に色漆で絵を描いた丸い尺物が多かったと思われます。作るのにそれほど手間がかからず、実用に向いていたと考えられるからです。

このように、本来は実用品の秀衡塗りですが・・・

今は、どうしても、こうなってしまいますね(^.^)

コメント (2)
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