能の土人形はまだありました。『猩々』です。
幅 14.2㎝cm、奥行き 8.0㎝、高さ 22.2㎝。昭和。
彩色土人形は古くから京都で作られてきました。京都らしい落ちついた雰囲気の品です。
かなり時代が付いた桐の共箱に入っていました(桐は他の材より早く時代が付きますが)。おそらく、戦前の品でしょう。平安祥鳳の銘があります。
能『猩々』は、これといったストーリーがあるわけではない祝言物の一つです。『高砂』よりももっとシンプルに、汲めども尽きせぬ壺の酒で、常しえの世を祝福します。
主人公の猩々は、人ではなく、空想の動物、赤く酔った妖精です。
そう思うと、酔っぱらった男の顔が、人を越えたもののようにも見えてくるから不思議です(^.^)