遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

中国寄木角盆

2023年02月03日 | 漆器・木製品

まだ花器がいくつかあったはずなのですが、見つかりません(^^;

気分を変えて、漆器・木製品の盆類に戻ります。

30.0㎝x29.7㎝、高 5.1㎝。中国清時代。

中国製の古い寄木盆です。この場合の寄木とは、装飾を主とした日本の寄木細工とは異なり、文字通り木を寄せて品物(盆)を作ることを指します。

作り方は木桶と一緒です。細長い板(濃、淡二種)を底板の周りにぐるりと並べて縁を作り、タガで締めます。

非常に薄いパーツを多数並べて盆の縁を作っていることがわかります。

タガは通常、太い銅線を用いますが、今回の品は鉄帯でできています。

盆の表には、

奇怪な絵が朱で描かれています。漆が厚く塗られているので、はっきりしません。中国のお化け?

一方、底は真っ黒、

と、ず~~~~っと思っていました。

ところが、今回、ライトを強く当ててみると・・・

何やら絵らしきものが浮かんでくるではありませんか。

二人の人物がやり取りをしているようです。

これまで、各種の盆を紹介してきましたが、裏側に絵がある物は、今回の品が初めてです。

以前に紹介した中国の寄木盆です。

今回の品(上)と較べてみると、寄木の数が非常に大きく異なっています。当然、細かい方が手間がかかります。また、形も、円(寄木盆のほとんど)と方形の違いがあります。形を整えるには、円形より方形の方が難しく、手間がかかります。時代も、以前紹介した品より遡るでしょう。

このように、今回の品は、ワンランク上の中国民芸品と言ってよいでしょう。

せっかくですから、気の合った二人が酌み交わす時のおぜん立てをしてみました。

瀬戸(美濃?)の蕎麦猪口は、呑兵衛さん専用(^.^)

コメント (6)
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