本居宣長の門人による梅鶯画讃です。
全体、48.8㎝x189.8㎝、本紙(絹本)、36.8㎝x98.8㎝。江戸後期。
鶯籠と梅の花が描かれています。これから、梅の花を活けて、鶯が鳴くのを楽しむのでしょう。
さえ出る朝日もにほふ梅枝に
春をあらそふ鶯のこゑ
本居翁作題華月老人書
冴え出る朝日も匂ふ梅枝に
春を争ふ鶯の聲
この讃は、本居宣長作の和歌です。
この掛軸の作者、華月老人の詳細は不明です。しかし、野田市立図書館に、華月老人道泰『宝玉言葉百種』(嘉永7年(1854年))なる肉筆書が所蔵されており、その中の華月老人の落款は、今回の掛軸のそれと全く同じです。この本は、歴代天皇などの歌中の言葉を解釈し、日本の文化の特徴を述べています。これは、本居宣長の採った手法であり、華月老人が宣長の門人であることは確かだと思います。
掛軸はトロトロになっていて、これまで頻繁に掛けられてきたことが伺えます。
本居宣長のこの歌、頭をひねらなくてもスッと入ってきます(^.^)
私も、毎年、梅の季節には、この軸を必ず掛けます。