遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

日下部鳴鶴『隷書 二行漢詩』(捲り)

2023年09月03日 | 文人書画

今回は、明治を代表する書家、日下部鳴鶴の隷書です。

57.6㎝x128.9㎝。捲り。明治。

日下部鳴鶴(くさかべめいかく、天保九(1838)年-大正十一(1922)) 滋賀県生。彦根藩士。明治・大正時代の代表的書家。字は子暘、号に、東嶼、野鶴、老鶴、鶴叟など。中林梧竹、巌谷一六とともに、「明治の三筆」と呼ばれた。明治時代の書法の基礎をつくり、「日本近代書道の父」とも言われる。

一簾疎雨琴書潤、満坐清風枕簟涼。

 一簾(いちれん)の疎雨(そう)、琴書(きんしょ)潤い、満坐の清風、枕簟(ちんてん)涼(すず) し。
一簾:すだれのように一面に細かい雨が降るさま。
疎雨:まばらに降る雨。
琴書:琴をひくことと読書すること(文人のたしなみ)。
満坐:座中の人みな。
枕簟:まくらとむしろ。寝具。

 

日下部鳴鶴は、初め巻菱湖、貫名菘翁の書風を学びました。後に中国に渡り、六朝、三国時代の書に影響を受け、独自の唐様書を確立しました。特に、彼の楷書体は、日本の一般書体の基礎となりました。

今回の品は、楷書ではなく隷書ですが、格調が高い鳴鶴の書の特徴を良く表していると思います。

捲りのままでは鳴鶴先生に申し訳ないので、早急に表具をして掛軸に仕立てます(^.^)

 

 

コメント (8)
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