桜にちなんだ古画が、もう一点ありました。
全体:46.1㎝x103.8㎝、本紙(紙本):43.6㎝x31.1㎝。江戸中期―後期。
「曲水の宴」といわれる行事を描いた大和絵です。
土佐派でしょうか。
曲水の宴は中国から伝わった風習で、朝廷や貴族の間で、奈良・平安時代、盛んに行われました。3月3日(旧暦)、庭園に造られた曲がりくねった小川を設え、流された盃が自分の前を通り過ぎないうちに和歌をよみ、盃を取って酒を飲んでから、その盃を次へ流すというもの。この後、宴が開かれ,各人が歌を披講しました。
旧暦の三月初旬ですから、桜が満開です。
盃は、どんどん流されているようです。
従者は盃を取ろうとしているのか、それとも流そうとしているのでしょうか。
横の貴人は、筆を手にして歌を思案中。
何とも優雅な遊びですね。