今回は、お金と骨董との関係を扱った本、5冊です。
杉江唐一『しろうと骨董実用ガイド』、加藤孝次『骨董経済学』、光芸出版編『骨董買いウラ話』、光芸出版編『骨董・アンチック価格図鑑』、渓水社篇『浮世絵価格事典』。
杉江唐一『しろうと骨董実用ガイド』啓明書房、昭和63年。
サラリーマン蒐集家を自認する著者が、その体験をもとに、しろうとのために書いた本です。『美と用と利 しろうと骨董実用ガイド』のタイトルにあるように、美と用と利から、骨董案内をしてくれます。特に、「利」について書かれているのが、この種の本としては珍しい。
加藤孝次『骨董経済学』秋元書房、昭和46年。
タイトルに、『〈買い方と売り方のコツ〉骨董経済学』とあるように、例を多く挙げて、骨董品の売り、買いのコツを実践的に述べています。扱われている品は、陶磁器とガラスが主ですが、漆器や古経切にまで話しは及んでいます。著者は有名なガラスコレクターなので、ガラス製品についての内容が充実しています。
光芸出版編『骨董買いウラ話』光芸出版、昭和57年。
タイトルに、『プロ・アマ体験集 骨董買いウラ話』とあるように、プロ、アマを問わず、骨董の買いの失敗談、裏話しを集大成したものです。有名な骨董店主から、市井の骨董愛好家まで、生々しい滑稽談がこれでもかというくらい載っています。書画、陶磁器から、漆工芸、木工品、ガラス、刀剣まで、よくぞこれほどと思えるくらい、手を変え品を変えて、贋物が横行しているのですね。
光芸出版編『骨董・アンチック価格図鑑』光芸出版、昭和58年。
非常に多くの骨董品(1000点ほど)について、写真と価格が載っています。品物は、陶磁器、ガラス、民具、文具、仏像など多岐多様です。また、人形やアクセサリーなど西洋アンティークも価格が載っています。いわゆる名品などではなく、我々にも手が届きやすい物ばかりです。どこかで見かけた気がする品物が多いです。どうやら、当時、東京にあった骨董ビルの品がまとめられているようでした。この時代に発行された本にしては、写真がかなりクリアーです(紙が良い)。
渓水社篇『浮世絵価格事典』光芸出版、昭和53年。
価格評価が難しい書画・骨董のなかでも、浮世絵は特別ではないでしょうか。同じ作者であっても、出来、図柄、刷り、保存状態によって、非常に大きく価格が異なるからです。この本では、皆目見当がつかない浮世絵の相場の目安を、作者、あいうえお順に記しています。それにしても多くの浮世絵作者がいるものです。この本には、数百人載っています。そのほとんどが、初めて目にする人です。浮世絵の世界も広く深いのですね。
我々ビンボーコレクターにとって、最初から最後までつきまとうのがお金の問題です。右も左もわからない駆け出しの頃は、こういう類の本を、それこそ藁をもつかむ気持ちで読み漁りました。で、何十年かたって読み返してみると・・・・・今も新鮮・・・お金と骨董の問題は、永遠に不滅です(^.^)
価値を何に換算するかというとやはりお金になってしますよね(^_^;)
その基準があって欲しけれは高くても買う欲しくなくても安ければ買うなんて考えてしまいます。
もっとも古物に価値を見いだそうとしている時点でお金だけじゃないものを追ってはいますが最終的にはその価値が気になります。
アンティークの価値観とお金は
表裏一体で切り離せないですね(^^)
市場価値がなくても自分で気に入った品を入手して愛でている人ってステキだなあ💛って思います⤴✨
※数百人の浮世絵作者!が気になります👀✨✨
で、「いくらなら買う?」とこちらへ振ってみたり、こちらが値段を聞くと、「三つ」と返事したりして、ゼロがいくつつくのか見当がつきませんでした。ですから、何とかして、品物の相場を頭に入れておきたいと思いました(^.^)
ただ、需要は流行に左右されるので、狩野派の絵画や頼山陽など文人書画などは、戦前に較べれば、現在は破格の値段です。世の中に遅れて生きている意味は、かろうじてその辺にありそうです。
青山二郎のように、物の価値を新たに見出す眼があれば、格好よく生きれるのですが(^^;
浮世絵師はものすごい数いますね。その中で活躍できたスターはごく一部、プロ野球選手みたいなものですね。
当時は、私も、そのような本を買って勉強しました(^_^)
懐かしいですね。
何も分からない頃は、値段が気になりますよね。
真っ赤な偽物に法外な値段を出すのは癪にさわりますものね。
このような本で勉強し、少しずつ、相場みたいなものも勉強していったように思います。
しろうとの目線で書かれているので、親しみやすいですね。
蛸唐草や蕎麦猪口の時代の見方などが書かれていて、懐かしいです。
古物商の免許をもっておられ、しかも、売買の経験がおありなのですね。
遊びと商売では、天と地ほどもちがうでしょうね。とにかく、コンスタントに結果を出さねばならぬのがプロですから。私はもっぱら遊びで買うだけです。以前は、整理を兼ねてネットオークションに出していたのですが、梱包が面倒なので最近はご無沙汰です。ガラクタが溜まる一方です(^^;
個人的には専門的な知識本よりも、こういったエピソード系の書籍が好きです
思えば伊万里の興味を持った早い時期に読んだ覚えがあります。
一種のゴシップですから、野次馬的な興味がわきます(^^;
でも、いくつかの例は、自分にも思いあたるふしがあります。
まあ、骨董屋でも、一か月に一個くらいは引っ掛かるようですから、素人はもっと気楽に考えたらいいのではないでしょうか(^.^)