先回の色替わり折敷に続き、色替わりの品です。
明治時代と思われる古い箱に入っています。
赤、黒、深緑、茶、黄、五色の色替わり小型吸物椀です。
表書きには、「五色無具良椀 壱席前」とあります。
懐石で使われる葎(むぐら)椀です。
内はすべて黒です。
全く傷はありませんが、内側の黒色は少し焼けています。これまで、かなりの回数、使用されたようです。
全体:最大径 7.7㎝、高 9.1㎝。椀本体:口径 6.3㎝、底径 5.3㎝。蓋:径 7.7㎝、高 2.0㎝。
木製。明治時代。
筒型の細い胴に、帽子のような蓋がチョンとのっています。この形が鄙びた藁屋に似ていて、そこに纏わりついた蔦(葎)から、葎椀の名がついたのでしょうか。
このタイプの椀は、箸洗ともよばれます。言い得て妙ですが、少しばかり直接的すぎますね(^^;
葎椀は千家好み(仙叟好、原叟好)と言われています。
今回の品のように、外側が単色で、腰に糸目がある物は、原叟好だそうです。
椀にも色々な物がありますが、蓋のおさまりが悪く、ズレることがしばしばあります。蓋は、本体にポンとのっているだけだからです。ところが、葎椀の場合は、蓋裏が胴に合うようにできています。
ですから、こんな芸当も(^^;
蓋裏に胴がぴったりとはまって、落ちません(^.^)
その一方で・・・
藁屋の屋根のような美しい形なのですが、先すぼまりなので、指先でうまくつかめません(^^;
ま、とにかく、かわゆい品です。
先回の折敷も5色の色替わりでした。ならばと、組み合わせてみました。
ピッタリとあいました(^.^)
前回の「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」と同じように良い仕事をしていますね(^-^*)
前回の「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」と同じ5色ですし、その「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」とセットだったのでしょうか。
前回の「色替隅折四方膳(折敷)(5枚)」も、この小型吸物椀と同じように明治のものなのではないでしょうか。
でも、折敷の方は、箱がないので時代の推定ができませんが、どう考えても戦前位の品です。
ただ、おそらく両方とも、京都で作られた品だと思われますから、それなり大まかな規格があるのかもしれません。
色替りについては、まだ品が2,3あるので、比較してみます。