先日のブログで、旅持ち(野点)茶籠を紹介しました。中には高麗青磁小服茶碗などが入っていましたが、茶杓などいくつかの道具が足りませんでした。
そこで、例によって、あちこち捜し回って見つけたのが今回の品です。
ずいぶん昔に、こんなのがあってもいいかなと、いつもの骨董屋でもとめた物です。
宗明作、『浮雲乃茶杓』。戦前。
遠州流11世小堀宗明(明治21年(1888)‐昭和37(1962))の茶杓です。
茶杓入れが面取りになっていて、各面に歌が書かれています。
「吹ハ行 ふかねはとまる 浮雲の 風にまかする 身こそやすけれ」
(吹けば行き 吹かねば止まる 浮雲の 風にまかする身こそやすけれ)
蓋を取ると、中には茶杓が一本。
これが浮雲でしょうか。
なかなか、使い勝手がよさそうです。
これを手にすれば、浮雲のようにふわふわと漂うことができるでしょうか。
「吹く風」は、やさしいものであってほしいですね(^.^)
初めて利休の虫食いを見たときに、虫と利休の合作だとロマンを感じたものですが、後で腐ってできたものだと知りました。知らない方が夢があった・・。
味のある竹を見つければ、半分出来たようなものだと思います。あとは、作り手のセンス。近くに、趣味で茶杓を作っている人がいますが、マダマダです(^.^)
これは良い茶杓ですね。箱も茶杓入れもちゃんと揃っているんですね。しかも、作られた方も、立派な方ですし(^_^)
これは、前回紹介の野点茶籠に収めるに相応しいものですね(^-^*)
>吹けば行き 吹かねば止まる 浮雲の 風にまかする身こそやすけれ
いい歌ですね~ こういう短歌が作句できたらいいな~。
川柳なんぞをアップしてますけど短歌の方が昔からなのです。でも、いい歌が全然詠めないのです。
茶杓はポットからジャ~のお茶ですので並みで十分です(;^_^A
私の知り合いの中世文学者によれば、当時の人々が毎日を送っていた世界感覚が現在の我々とあまりにも違うので、短歌を本当にわかるのは難しいそうです。
その点、俳句や川柳はずいぶん、現代的だとか。
川柳界に彗星のごとく現れたゆりさんに驚いています。
文は人なり、ですね。