遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

またマタまた肥松盆(2枚)

2021年11月24日 | 漆器・木製品

先回のブログで香蘭社の茶器をのせていた地味な盆が今回の主役です。

この盆の存在をすっかり忘れていました。あまりにありふれた普段使いの品で、いつもその辺にころがっていたからです(^^;

径 27.1㎝、高 3.4㎝。明治―戦前。

縁が高い繰り抜きの肥松盆です。よく使いこまれて良い味になっています。

これまで、肥松煎茶盆肥松香盆(節有り)肥松香盆(年輪)を紹介してきました。これら3枚の盆を使って、肥松盆は光を通すことを確かめました。

今回の盆は、番茶盆とでもいうべき普段使いの品ですが、この機会に見直してみました。

使い勝手が良いのは、腰が高いからです。大きな番茶茶碗をのせて運んでも、安定感があります。いきおい、この盆を使うことが多くなります。

で、駄品かというと、決してそうではなく、裏表とも、柾目がきれいに通っています。

濃い色の部分と色が薄い部分が交互に繰り返しています。濃い部分は寒い季節に成長したところ、薄い部分は、暖かい季節に育ったところ、これが年周期で繰り返される・・・学校で習いました(^.^)

黒い部分は緻密で硬いのに対して、色が薄いとことは柔らかい。単純に考えれば、薄い部分が光を通しやすいと思えます。

でも、以前試した結果は、その逆でした。

そこで、木目のはっきりとした今回の品で、確証を得ることにしました。

暗い所でも写真に写る夜光塗料テープをマーカーにして・・・

光を当てた結果は・・・・

見事、濃い色の部分が透けました。寒い季節に育った所には脂分が多く含まれていて、それが樹脂化し、透明度が高くなるのですね。

そうこうしているうちに、もう一枚、肥松盆が出てきました。なんと、5枚目です。これでは、まるで肥松オタク😅

39.8cmx20.1㎝、高 3.2㎝。現代。

柾目のように見えますが、木目はあまり揃ってはいません。

何よりも問題なのは、表側が裏面よりも色が濃いことです。片側だけ脂分が多いとは考えられません。どうやらオイル処理がなされているようです。

裏には、東山の刻印有り。現代の工芸品ですね。表面のオイル処理は、時代づけのため?

光をあててやると・・・・

真黒です。光は全く通りません。

肥松でない松材を用いたのでしょうか。

それとも、松の脂分が樹脂化するには、長い年月を必要とするのでしょうか。

江戸時代から、故玩館の仏壇脇で・・・

浮世の芥をじーっと眺めてきた・・

松脂だらけのこの人なら

答えを出してくれるかもしれません😤

 

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香蘭社絣紋茶器揃

2021年11月23日 | 古陶磁ー全般

ここのところ、チョイ古の陶磁器を紹介しています。

今回の品も、やはり戦前と思われる時代の品で、有田磁器の伝統を受け継ぐ香蘭社の茶器です。

茶瓶:幅 11.9㎝x奥 8.7㎝x底径 6.7㎝。高(取手除) 13.1㎝。

茶碗:口径 5.7cm、底径 3.7㎝、高 8.4㎝。戦前。

スッキリとした器形とデザイン、特に蓋の摘みがスマートです。

昭和モダンの名残りを感じさせます。

蓋受け部に一本の圏線。

底には、2本の圏線が引かれています。遠く、古伊万里と繋がっているのでしょうか。

茶碗の底にも2本の圏線。中央には、香蘭社のマークがあります。

この茶器の売りは、洗練された器形をさりげなく彩る絣(タータンチェック?)模様でしょう。

やはり、渋い盆の上に揃うのがお似合い(^.^)

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秋じゃが(垂直栽培)の収穫

2021年11月22日 | ものぐさ有機農業

秋じゃがを収穫しました。

いつもの桜の老木のすぐ脇です。この場所には、トウガラシ類を入れていたのですが、一本を残してすべて青枯れ病にやられました。9月になって、「そうだ、ジャガイモうえよう」となって、この畝に何もせず、ただポンポンと入れました。

そして、このジャガイモは、垂直栽培でやってみることにしました。というのも、今春、垂直栽培に目覚め、夏野菜は紐で縛る垂直栽培でやってきました(栽培レポート総集編は近日アップ(^.^))。ところが、春じゃがは時すでに遅し、不十分にしか縛る効果をみることができませんでした。

そこで、今回の秋じゃがとなった訳です。品種は、ノジマ。

ところが、今回もまたポカ。縛らずに育てたものを残しておかなかったので、垂直栽培の効果が評価できません。不思議なもので、一度縛り出すと、もう、縛らずにはおれないのです。気がついたら、全部の株を、縛って育てていました。これがSMの魔力か?(^^;

ま、冗談はさておき、いずれも順調に育っています。

11月21日だというのに、まだこれからという勢いです。色々な野菜を垂直栽培でそだててみて、共通して言えるのは、普通栽培に較べ、野菜が若く保たれ、生育期間が長いということです。まだまだ大きくなりそうです。ですから、今、ジャガイモも掘るのはためらわれるのですが、もうポットのソラ豆が芽を出しているので場所を空けなければなりません。待った無しです。

やむなく掘ってみると・・・・・

まずまずの出来でした。

実は、秋じゃがを作ったのは、2度目にすぎません。20年以上前ですが、インカのひとみというジャガイモを作りました。良い出来だったのですが、皮だけでなくその下の実もアクが強く、食べたあと口の中が痺れました。こりゃあダメだということで、人に全部あげました。アク抜きを十分にする必要があったらしい(その人は知っていたのですね(^^;)

垂直栽培の効果でしょうか、巨大なイモがゴロゴロ。

いつもは、中学生坊主の顔のようにブツブツいっぱいのソウカ病のジャガイモしかとれません。ところが、今回のデジマは、薄々皮で色白、ツルツルの肌、まるで、15,6才の乙女です。

これは、アク抜き無しでいけそうです(^.^)

 

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オールドノリタケ・群鶴図茶器

2021年11月20日 | 古陶磁ー全般

先日のブログで、戦前の朱菊オールドノリタケ湯飲みを紹介しました。

食器棚には、同じような品がありました。

 

 

最大径(胴) 10.4㎝、高(取手除) 10.9㎝。戦前。

径 7.4㎝、高台径 3.4㎝、高 5.2㎝。戦前。

高台内には、先日の朱菊碗と同じく、「日陶」のマークがあり、1937-1943年にかけて、日本陶器会社(ノリタケ)で国内向けに作られた品であることがわかります。

この茶器の売りは、群鶴の図です。白い器体の上を、競って飛んでいます。よく見ると、鶴はプリントです。底に「意匠登録56774」とありますから、自信のデザインだったのでしょう。

 

この群鶴茶器の横に、同じような茶瓶がチョコンとありました。

最大径(胴) 10.4㎝、高(取手除) 10.9㎝。

これは、朱菊の茶器ではありませんか。

先日の朱菊茶碗は、このようなセットだったのですね。すっかり忘れていました(^^;

何とはなしに、二つの茶瓶を並べてみました。

すると、プチ発見(^.^)

おお、両者の形と大きさは一致。

茶碗はどうかというと・・・

これまた、同じです。

同じボディを用いて、全く違うデザインで、異なった趣の品物を造り出していたのですね。

ノリタケのアイデアに拍手👏👏

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ホダ木の仇をキットで討つ?

2021年11月18日 | ものぐさ有機農業

5年前、畑の南京ハゼの木があまりにも巨大になったので、庭師さんに切ってもらいました。その時、腕くらいの太さの枝木がたくさん出たので、これでシイタケを育ててみようと考えました。ホダ木は30本くらいとれました。

菌を植え付けるために、ドリルで穴を開け、そこへ駒(種菌)を打ちこんでいきました。全部で、500個の駒を打ちこみました。けっこうキツイ一日仕事でした。

さて、菌を植え付けたホダ木を養生しながら待つこと、1年、2年・・・いっこうにシイタケははえてきません。代わりに、得体の知れないキノコがワンサカはえてきます。結局、5年経っても、シイタケは一本もはえませんでした。

以前にやった時はホダ木は数本でしたが、そこそこシイタケがとれたのです。それが、今回はゼロ。30本ものホダ木は、もうボロボロです。最後のご奉公、コンポストの資材として活躍してもらっています。

さて、このままおめおめとは引き下がれません。何とかして一矢報いなければ(^^;

そこで、安直ながら、今巷で評判だというシイタケ栽培キットを注文しました(^.^)

きれいな箱入りです。子供へのプレゼント用などが多いのでしょうか。教育グッズという名の子供だましか? 一抹の不安が(^^;

これがすべて。

おが粉タワーの表面に菌が付いているらしい。

全体を水道でジャーと流した後、

ドームの中に入れて待ちます。

2日目:

4日目:

6日目:

おお、見事にはえてきました。

全部で、70本のシイタケが収穫できました。

すこし休ませてから、水に一日浸けておけば、2回目が期待できるらしい。ただ、それほど多くは生えないそうです。

さて、肝心のお味は?

うーん、不味くはありません。しかし、あのシイタケの風味がありません。水栽培の野菜や外国産の松茸という感じです。

まあ、価格を考えれば、リーゾナブルでしょう。小学生くらいの子がいる家庭にはおススメです。

薹が立った遅生はというと・・・・・・かろうじてホダ木の仇討ちができたというところでしょうか(^.^)

コメント (8)
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