数週間前に、連れ合いが買って来た本。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/e1/4e2e2d577dfe1746322e9315509193a6.jpg)
「知られざる原発被曝労働~ある青年の死を追って~」 藤田祐幸著
岩波ブックレットNO.390
藤田祐幸さんは、理学博士。原発問題、エネルギー問題、
環境問題に取り組み、チェルノブイリ原発事故直後に
「放射能汚染食品測定室」を設立。
著書は「ポスト・チェルノブイリを生きるために」
「原子力発電で私たちが本当に知りたい120の基礎知識」
など多数。
藤田さんがこの本で紹介したいのは、
嶋橋伸之さんという29歳の若者が、
原発労働で被曝し、慢性骨髄性白血病で亡くなった
事について述べ、
原発労働の知られざる現実を知ってもらい、
彼のような労働者の悲劇を二度と繰り返さないために
書かれているようです。
細かいことは省くとして、
嶋橋さんは、積算で50.93ミリシーベルト被曝。
それで結果的に慢性骨髄性白血病になりました。
原発労働者とは、被曝管理の杜撰さ、
積算量の誤魔化し、労働者の環境や健康面が
なおざりにされていることが明らかになりました。
また、そのことは福島の事故でも明確になりました。
労働者もまた、仕事を失うことを恐れて、
アラームメーターをはずしてみたり、
線量を自ら誤魔化したりしている実態も。
原発問題は、何も事故が起きた時だけの問題ではない。
事故が起きなくても、原発の定期検査時にも、
特に下請け労働者たちは、かなりの被曝を
させられているのに、健康被害については
顧みられていない現実があるのです。
先日も、原子力規制委員会が
全国の原発で福島程度の事故が起こったと仮定して、
どの程度の被害が起きるのか、
1週間で100ミリシーベルトを越えると仮定しての
地域の被害状況を同心円で発表していましたが、
100ミリシーベルトそのものの数字の甘さを
感じた事と、嶋橋さんの場合でもわかるように、
100ミリ以下でも、病気が発症するという事実を
重く受け止めてほしいと思います。
現在も、福島の事故現場に遣わされている
労働者たちの現実は、
「1分だけ作業したら、また戻ってくる」
というほどの高線量の現場であるという事でした。
(福島の事故現場で労働している教会員を持つ
牧師の証言です。)
彼らは、十分な作業ができないと言っています。
そういう点からも、原発というものは、
事故があればもちろん大変な被害ですが、
事故がなくても、つまり原発の存在そのものが
人類に大きな被害をもたらしてしまう、
罪深い、悪魔のようなものであると言えます。
原発労働者については、なかなかこれまで
表面に出てこなかったのが問題でした。
福島の事故は、被曝労働の実態をも
表に出したのだと思います。
以前も書きましたが、北海道の泊原発の労働者が
何人も白血病で亡くなっている事を、
ある北電の社員から、昔、聞きました。
全国の原発でも、
多くの病気に倒れ、亡くなっていった人たちが
いたのではないかと思います。
すべての労働者が労災が認められるわけではなく、
これまでほとんどの場合、認められませんでした。
これが日本の社会の現実です。
下請け労働者ほど顧みられません。
労働問題のために、藤田さんのように、
重荷をもって運動している人たちの事も
覚えて祈っていきたいと思いました。
11/3の「姉妹の集い」では、少しだけ、
私が原発問題に何故興味をもって発言しているか、
そして、「大間の原発とあさこはうす」について
お話しようと考えています。
ここあでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/e1/4e2e2d577dfe1746322e9315509193a6.jpg)
「知られざる原発被曝労働~ある青年の死を追って~」 藤田祐幸著
岩波ブックレットNO.390
藤田祐幸さんは、理学博士。原発問題、エネルギー問題、
環境問題に取り組み、チェルノブイリ原発事故直後に
「放射能汚染食品測定室」を設立。
著書は「ポスト・チェルノブイリを生きるために」
「原子力発電で私たちが本当に知りたい120の基礎知識」
など多数。
藤田さんがこの本で紹介したいのは、
嶋橋伸之さんという29歳の若者が、
原発労働で被曝し、慢性骨髄性白血病で亡くなった
事について述べ、
原発労働の知られざる現実を知ってもらい、
彼のような労働者の悲劇を二度と繰り返さないために
書かれているようです。
細かいことは省くとして、
嶋橋さんは、積算で50.93ミリシーベルト被曝。
それで結果的に慢性骨髄性白血病になりました。
原発労働者とは、被曝管理の杜撰さ、
積算量の誤魔化し、労働者の環境や健康面が
なおざりにされていることが明らかになりました。
また、そのことは福島の事故でも明確になりました。
労働者もまた、仕事を失うことを恐れて、
アラームメーターをはずしてみたり、
線量を自ら誤魔化したりしている実態も。
原発問題は、何も事故が起きた時だけの問題ではない。
事故が起きなくても、原発の定期検査時にも、
特に下請け労働者たちは、かなりの被曝を
させられているのに、健康被害については
顧みられていない現実があるのです。
先日も、原子力規制委員会が
全国の原発で福島程度の事故が起こったと仮定して、
どの程度の被害が起きるのか、
1週間で100ミリシーベルトを越えると仮定しての
地域の被害状況を同心円で発表していましたが、
100ミリシーベルトそのものの数字の甘さを
感じた事と、嶋橋さんの場合でもわかるように、
100ミリ以下でも、病気が発症するという事実を
重く受け止めてほしいと思います。
現在も、福島の事故現場に遣わされている
労働者たちの現実は、
「1分だけ作業したら、また戻ってくる」
というほどの高線量の現場であるという事でした。
(福島の事故現場で労働している教会員を持つ
牧師の証言です。)
彼らは、十分な作業ができないと言っています。
そういう点からも、原発というものは、
事故があればもちろん大変な被害ですが、
事故がなくても、つまり原発の存在そのものが
人類に大きな被害をもたらしてしまう、
罪深い、悪魔のようなものであると言えます。
原発労働者については、なかなかこれまで
表面に出てこなかったのが問題でした。
福島の事故は、被曝労働の実態をも
表に出したのだと思います。
以前も書きましたが、北海道の泊原発の労働者が
何人も白血病で亡くなっている事を、
ある北電の社員から、昔、聞きました。
全国の原発でも、
多くの病気に倒れ、亡くなっていった人たちが
いたのではないかと思います。
すべての労働者が労災が認められるわけではなく、
これまでほとんどの場合、認められませんでした。
これが日本の社会の現実です。
下請け労働者ほど顧みられません。
労働問題のために、藤田さんのように、
重荷をもって運動している人たちの事も
覚えて祈っていきたいと思いました。
11/3の「姉妹の集い」では、少しだけ、
私が原発問題に何故興味をもって発言しているか、
そして、「大間の原発とあさこはうす」について
お話しようと考えています。
ここあでした。