仁義なき戦いとは、仲間内の仁義や義理を欠いた、不条理な内輪もめの事を指す。
平成20年、原油高の影響で値上げが相次いでいる日本において、青春の欲望がほとばしるままに、パ・リーグのペナントレース制覇に命を燃やした選手たちがいた。そこには血で血を洗う仁義を欠いた一大抗争があったのだ。
というわけで、西武に2勝1敗で勝ち越した福岡ソフトバンクホークスは、火曜日からオリックスバファローズとの3連戦。第1戦はオリックスとの二重契約問題の末ソフトバンクに入団したパウエルが先発。京セラドーム大阪での仁義なき戦い第1ラウンドは、壮絶な戦いとなりました。
1回、ソフトバンクはオリックス先発・山本省吾の前に川崎と多村が三振に倒れて3者凡退。その裏、先発のマウンドに上がったパウエルは、オリックス打線を3者凡退に抑える上々の立ち上がりを見せる。しかし2回、パウエルはローズを三振に仕留めた後、カブレラにバックスクリーンへの本塁打を浴びると、濱中治にはレフトスタンドへのソロ本塁打を浴びてしまう。
3回、ソフトバンクはこの日DHで先発出場を果たした田上秀則がヒットを放つと、スタメンマスクの的山三振で1死後、川崎と仲澤の連打で満塁。同点あるいは逆転の絶好のチャンスを迎えたが、多村が最悪の併殺打で1点を返すことができず。その裏、パウエルは四球とヒットで無死1,3塁と追加点のピンチを迎える。ここで下山を3塁ゴロ。3塁走者・阿部を挟死させると、ラロッカのレフトフライで3塁走者・坂口がタッチアップ。しかし、松中がまさかの好返球で坂口を本塁で憤死させた。最悪2失点の場面もあったが、味方の好守備で無失点に抑えた。
この後試合は山本とパウエルの投手戦の展開となり、ソフトバンクは山本を打ち崩せず、オリックスはパウエルの前に追加点が奪えないまま5回を終了。しかし6回、試合は急展開を迎える。ソフトバンクは1死から多村が内野安打で出塁すると、続く松中が山本の8球目のスライダーをライトスタンドに飛び込む2ラン本塁打で同点に追いつく。その裏、今度はパウエルがピンチを迎える。2死からローズに2塁打を放たれると、カブレラの敬遠で1,2塁。さらに暴投をしてしまい2,3塁と一打逆転のピンチ。しかし、後藤を投手ゴロに打ち取って3アウト。結局パウエルは6回を投げ終えたところでマウンドを降りた。
7回、ソフトバンクは先頭の松田がセンター前ヒットで出塁。2死後、川崎が右中間を破る3塁打で勝ち越しに成功する。その裏、2番手の久米勇紀が2つのヒットで2死1,3塁のピンチを迎えたが、下山を1塁ファウルフライに打ち取って3アウト。オリックスの反撃をゼロに抑えた。
8回、ソフトバンクは1死1塁の場面で、小久保がオリックス3番手・吉野の初球スライダーを振り抜くと、打球はレフトスタンドに突き刺さる2ラン本塁打!オリックスとのリードを3点に拡げる。2死後、松田の2塁打、田上の内野安打で1,3塁と追加点のチャンス。ここで的山がレフト前タイムリーを放ち1点追加、続く川崎がライト前タイムリーで更に1点追加。この回4点を奪い、7-2とオリックスとのリードを5点とした。
その裏、久米はラロッカにヒットを浴びるが、ローズとカブレラを抑えて2死としたところで森福と交代。その森福は連続四球で満塁としてしまう。森福は1つのアウトも取れず降板。3番手に藤岡が入った。オリックスの反撃を食い止めたい藤岡だったが、代打・古木を死球で歩かせてしまい押し出し。1点を返される。なおも2死満塁、本塁打が出れば同点の場面を迎える。ここでソフトバンクは5番手に小椋を投入。小椋は迎を三振に仕留め、オリックスの反撃を止めた。
9回、小椋はオリックス打線をゼロに抑えて試合終了。ソフトバンクがオリックス投手陣を打ち崩して3連勝を飾った。
2008/04/15(火)オリックス-ソフトバンク 4回戦
(2勝2敗、京セラD大阪、18:00、12841人)
H 000 002 140 7
B 020 000 010 3
【投手】
(ソ)パウエル、久米、森福、藤岡、小椋-的山
(オ)山本、本柳、吉野、ヤング-日高、辻
【責任投手】
(勝)パウエル1試合1勝
(S)小椋4試合1勝1S
(敗)本柳10試合2敗
【本塁打】
(ソ)松中2号2ラン(6回)、小久保2号2ラン(8回)
(オ)カブレラ4号ソロ(2回)、浜中2号ソロ(2回)
パウエルとオリックスの因縁の対決は、松中と小久保の今季初のアベック弾が飛び出してオリックスに勝利!初登板のパウエルは、6回まで打者24人に対して93球、5安打・5三振・2失点(被本塁打2)・2四死球という内容で今季初勝利を飾りました。序盤は2回に2本塁打、3回に走者を出しながらも、味方の好守でオリックスに追加点を与えませんでした。また土曜日にプロ初勝利を飾った小椋投手が今季初セーブを挙げました。
打線は15安打で7得点でオリックス投手陣を打ち崩し、2試合連続で先発全員安打を記録しました。5回まで5安打でしたが、6回から8回までは10安打、特に8回には打者一巡の猛攻で6安打で4点を奪いました。川崎は5打数3安打、第4打席に勝ち越し3塁打を放つと、第5打席にはライト前タイムリーを放ち、2打点を叩き出しました。この日DHの田上とスタメンマスクを被った的山は互いに2安打。でも、的山は1打点挙げました。6回に同点本塁打を放った松中は、この日はレフトということで不安でしたが、3回にまさかのレーザービームを披露しました。このプレーが試合の流れを変えたといってもいいでしょう。ところで、松中って肩は強いの?弱いの?
アウェー6連戦の初戦を白星でスタート、3連勝で貯金2となった福岡ソフトバンク。水曜日は大隣憲司が先発。先週のリベンジなるんでしょうか?