秋GI開幕戦・第42回スプリンターズステークスが5日、中山競馬場で行われました。高松宮記念優勝馬で春秋連覇を狙うファイングレイン、同レース2着のキンシャサノキセキ、目下4連勝中のスリープレスナイト、サマースプリント総合優勝のカノヤザクラ、2007年高松宮記念優勝のスズカフェニックス、そしてGI初登場のスーパールーキー・三浦皇成がプレミアムボックスに騎乗とフルゲート16頭が秋のスプリント王の称号に挑みました。
直前の単勝オッズでは、⑭スリープレスナイトが1番人気(2.4倍)、2番人気には⑯キンシャサノキセキ(5.9倍)3番人気が②ファイングレイン(7.9倍)、その後⑪スズカフェニックス(8.5倍)、⑦カノヤザクラ(8.9倍)が10倍を切る人気を集めました。
まずスリープレスナイトが好スタートを切りますが、⑧ウエスタンビーナスが押しながら先頭に立ちます。2番手は⑬ビービーガルダンと⑩エムオーウイナーが争いますが、エムオーウィナーが2番手に躍り出ます。スリープレスナイトは4,5番手付近で①アポロドルチェと並走、その中にファイングレインが割って入ります。キンシャサノキセキは8番手、スズカフェニックスは13番手、カノヤザクラは後方3番手のところにいました。
前半600mを33秒5で通過し、4コーナーに入ってもウエスタンビーナスが先頭をキープ、スリープレスナイトは5番手、キンシャサは外から持ち出して勝負は最後の直線へ。直線に入ってもウエスタンが先頭のまま、2番手にはアポロドルチェが浮上するも、外から一気にスリープレスが交わして先頭に躍り出る!2番手争いはビービーガルダンとキンシャサの叩き合い、スズカフェニックスは外から末脚を見せるも届かない。スリープレスナイトが先頭でFINISH、ゴールと同時に上村洋行騎手がガッツポーズ!2着争いはキンシャサノキセキに軍配、ファイングレインは10着の惨敗に終わりました。
最終成績&払戻金
1 スリープレスナイト 1:08.0
2 キンシャサノキセキ 1.1/4
3 ビービーガルダン クビ
4 スズカフェニックス 1/2
5 アポロドルチェ アタマ
6 トウショウカレッジ 1/2
7 カノヤザクラ クビ
8 タニノマティーニ 1/2
9 ウエスタンビーナス ハナ
10 ファイングレイン ハナ
11 スピニングノアール 3/4
12 シンボリグラン クビ
13 ジョリーダンス クビ
14 プレミアムボックス 1/2
15 エムオーウイナー 3/4
16 タマモホットプレイ 2
単勝
14 240円
複勝
14 130円 15 160円 13 250円
枠連
7-8 560円
馬連
14-15 790円
馬単
14-15 1,300円
ワイド
14-15 310円 13-14 460円 13-15 730円
3連複
13-14-15 1,680円
3連単
14-15-13 5,530円
今年のスプリンターズステークスは、スリープレスナイトが連勝中の勢いをそのまま、5連勝で秋のスプリント王に輝きました。ダートの特別競走で連勝した後、重賞初挑戦となる6月のCBC賞で見事優勝、8月の北九州記念でも快勝、そしてこのレースでも勝って重賞3連勝を飾りました。昨年はアストンマーチャンが制し、2年連続で牝馬が優勝。スリープレスナイトは4歳牝馬ということは、ウオッカ・ダイワスカーレットと同世代なんです。これでウオッカ世代からは6頭目のGI馬が誕生したことになりますね。通算9勝は全て1200m、芝・ダート問わずこの距離では強さを見せ付けています。まさに「スリープレスナイトの時代」が始まった感じがしますね。そしてこの馬を管理している橋口弘次郎調教師は、この日が63歳の誕生日。偶然とはいえ最高のバースデーといえるでしょう。
鞍上の上村洋行騎手は、40戦目の挑戦で悲願のGI初制覇。苦節17年でようやくGIジョッキーの仲間入りを果たしました。上村騎手は92年にデビューし、順調に勝ち星を重ねていきましたが、飛蚊症という目の難病を患ってからは成績が落ちていき、4度にわたる手術で視力が回復しました。手術した翌年に42勝を挙げて復活をアピールし、今年はスリープレスナイトとのコンビでCBC賞を制し、自身にとって10年ぶりの重賞制覇を飾りました。そしてこのレースで、ゴールを通過して馬が立ち止まった後に抱きしめ、検量室に戻るときには号泣していました。ここまで来たのには相当長い道のりがありましたからねえ。次なる目標・12月の香港スプリント、来春の高松宮記念でもこのコンビで優勝してくれるはずです。
GI初挑戦の三浦皇成騎手はプレミアムボックスに乗ったんですが、結果は14着と完敗し、ほろ苦いGIデビューとなりました。初めての大舞台でプレッシャーを感じていたのかもしれません…。武豊騎手の19歳7ヶ月という最年少GI勝利記録を超えるかどうかはわかりませんが、経験を積んで行けば、いつかはGIを制することが出来ると思います。この経験を生かして次戦以降のGIレースで健闘してくれることを願っています。
さて来週は東京競馬場で毎日王冠、京都競馬場で京都大賞典が行われます。毎日王冠には安田記念以来のレースとなるウオッカ、昨年このレースでダイワメジャーに勝利したチョウサン、他にもカンパニー、スーパーホーネットの実力馬も登録しています。京都大賞典は春の天皇賞馬・アドマイヤジュピタが春秋連覇に向けて始動します。そういえば、ダイワスカーレットは毎日王冠で復帰するという情報が流れていたんですが、登録せずに天皇賞直行ということになるんでしょうか?休み明けでいきなりGIに挑戦じゃ厳しいと思うんですが…。