パリーグのクライマックスシリーズ第2ステージは、埼玉西武ライオンズが北海道日本ハムファイターズに4勝2敗で制して日本シリーズ出場を決めました。セリーグのCS第2ステージ・「読売ジャイアンツVS中日ドラゴンズ」は、25日に第5戦が行われました。
これまでの戦いを振り返ると、第1戦は中日が9回に中村紀洋が巨人の守護神・クルーンから決勝タイムリーを放って競り勝って1勝1敗の五分。2戦目は小笠原道大の2本塁打、ラミレス、イ・スンヨプにも本塁打が出て巨人が一発攻勢で快勝。3戦目はイ・スンヨプの逆転3ランでリードしながらも、9回に中日が同点に追いつき延長戦へ。延長でも決着がつかず5-5の引き分けに終わりました。ここまでの成績は巨人が2勝1敗1分け、実は巨人に王手がかかっているんです。巨人はあと1勝すれば日本シリーズ出場が決定、中日は3連勝するか2勝1分けしなければなりません。巨人がこのまま勝ち進むのか、それとも中日が5戦目以降に持ち込むか?
第4戦は巨人が高橋尚成、中日はチェンが先発。1回、中日は先頭の李炳圭(イ・ビョンギュ)がレフト前ヒット、1死3塁の後タイロン・ウッズが四球で歩いて1,3塁となりますが、和田一浩が2塁フライに倒れて先制ならず。3回には2死から荒木雅博が出塁すると、巨人内野陣のミスで荒木は3塁まで進みますが、森野将彦が三振に倒れてしまいました。対する巨人は3回までラミレスの2塁打による1本のみ。中日先発・チェンの前に凡打の山。
序盤は両チーム無得点終わりましたが、4回に試合が動き出します。巨人はこの回先頭・木村拓也がレフト前ヒットで出塁すると、続く小笠原が左手首に四球を受けてしまいます。小笠原は大事を取って交代、代走に寺内崇幸が入ります。この後ラミレスがライトフライ、イ・スンヨプは空振り三振に倒れて2死となりますが、谷佳知がチェンの3球目のシュートを捉え、レフト線を破るタイムリー2塁打で先制します。なおも2死2,3塁と追加点のチャンスに坂本勇人がレフト前タイムリーを放って1点追加。2塁走者の谷も本塁へ駆け抜けましたがあえなく憤死。巨人はこの回2点を先取しました。
2点を追う中日は、5回まで高橋尚の好投の前に1点を返すことが出来ず。6回も簡単に2死を取られましたが、タイロン・ウッズが高橋尚の3球目のストレートをジャストミート。打った瞬間本塁打とわかる当たりは、レフトスタンドの看板に直撃する特大アーチ。主砲の一発で1点差に迫ります。7回には先頭の中村がレフトへの2塁打の後、井端弘和の犠打で1死3塁と同点のチャンスを迎えるも、後続が凡退し同点ならず。
8回、中日は李炳圭のレフト前ヒット、荒木の犠打、森野の内野安打で1死1,3塁と巨人の2番手・山口鉄也を攻め立てます。ここで前の打席で本塁打を放っているウッズが登場。ヒットが出れば同点、本塁打が出れば逆転のチャンス。ウッズは5球目のストレートをライトへ弾き返しますが、あまり伸びずライトフライ。しかし3塁走者が生還し、犠牲フライで2-2の同点に追いつきます。その裏、巨人は先頭の寺内がレフト線を破る2塁打を放つと、続くラミレスが中日3番手・高橋聡文の初球のストレートを叩くと、打球はレフトスタンドへ一直線!ラミレスが「これが巨人の4番だ!」という2ランで巨人が勝ち越します。ラミレスに一発を浴びた高橋聡は、この後スンヨプと谷に連続四球を与えたことで降板。巨人は坂本の犠打の後、鶴岡一成と亀井義行の2本のタイムリーヒットで2点を追加し、この回4点を奪い、日本シリーズ出場に大きく前進しました。
9回、巨人は守護神・クルーンが登場。ここ2試合ともクローザーとしての仕事を果たしていないだけに不安が残ります。クルーンはいきなり中村ノリとの因縁の対決。初戦はノリが決勝打、前日は左手に死球を受けてしまいましたが、この日はクルーンがノリをフォークで3球三振に仕留めました。続く井端も打ち取ると、2死1塁で代打・立浪和義をフォークで空振り三振に仕留めて試合終了!巨人が6-2で勝利し、日本シリーズ進出決定!
クライマックスシリーズ セ 2008/10/25(土)
巨人-中日 第4戦
(巨人3勝1敗1分、東京ドーム、18:00、46797人)
中日 000 001 010 2
巨人 000 200 04X 6
【投手】
(中)チェン、清水昭、高橋、長峰、小林-谷繁
(巨)高橋尚、山口、越智、クルーン-鶴岡
【責任投手】
(勝)クルーン3試合1勝1敗
(敗)高橋3試合1敗
【本塁打】
(中)ウッズ3号ソロ(6回、高橋尚)
(巨)ラミレス2号2ラン(8回、高橋
セリーグクライマックスシリーズ第2ステージの第4戦は、ラミレスが8回に決勝2ランを放って巨人が勝利。対戦成績3勝1敗1分けとし、6年ぶりの日本シリーズ進出を決めました。昨年のCSでは、優勝しながらも中日に3連敗して出場権を逃しましたが、今年は中日にリベンジ達成、セリーグ完全優勝を果たしたことになります。第4戦に先発した高橋尚は、7回まで5安打1失点、3奪三振と打たせて取るピッチングを見せたんですが、8回に同点に追いつかれたため白星は付きませんでした。CS第2戦のMVPには、4試合で2本塁打、打率.438の成績を挙げたラミレスが選ばれました。
ラミレス以外にも活躍した選手はいますが、中でも鶴岡が頑張りました。正捕手・阿部慎之助がケガで離脱したことでマスクを被ることになりましたが、上原や高橋尚、グライジンガー、山口といった投手陣を巧くリードすると、打撃面でも第3戦に先制アーチを放つと、4戦目は2安打1打点、打率.385という成績で阿部の穴を見事に埋め合わせました。
敗れた中日は第2ステージ敗退で2年連続日本一はならず。タイロン・ウッズが2安打1本塁打2打点と孤軍奮闘。4試合で3本塁打、第1ステージの阪神戦でも2本塁打と合計5本塁打を放ちました。打線は7安打放ったんですが、巨人の継投の前にあまり得点できませんでした。先発のチェンは4回2失点、8回は中継ぎ陣が巨人の猛攻の前に4失点献上という内容でした。
さあこれで2008年の日本シリーズは、読売ジャイアンツと西武ライオンズという両リーグで完全優勝を果たしたチーム同士との対決となりました。両チームが日本シリーズで対戦するのは2002年以来6年ぶり、前回の対戦は巨人が4連勝して日本一に輝きました。今年の交流戦では、ブラゼルとG.G.佐藤が大暴れして西武が3勝1敗で勝ち越しています。
西武と巨人は共に打線が強力ですが、もしかしたら西武の方が上回っているように見えます。交流戦で暴れまくったブラゼル&G.G.が離脱してしまいましたが、パリーグ本塁打王で「おかわり君」こと中村剛也、中島裕之、ボカチカ、後藤武敏と本塁打バッターが揃えています。ソフトバンクの投手陣も西武打線に散々打たれましたんでねぇ。
注目の日程ですが、11月1,2日は東京ドームで2連戦、4~6日は西武ドーム3試合、8,9日はまた東京ドームで行われる予定となっています。たぶん乱打戦が相次ぐだろう2008年の日本シリーズ。関東決戦を制するのは?