前日はガンバ大阪がAFCチャンピオンズリーグ優勝を決めましたが、13日は神戸でサッカー日本代表のW杯最終予選の前哨戦が行われました。今回岡田ジャパンは中東からの刺客・シリアと対戦。仮想カタール代表に相応しい相手です。守護神・楢崎正剛が足首捻挫、DF中澤佑二が右股関節痛と守備の要が相次いで離脱、中村俊輔ら海外組、ガンバ大阪から選ばれた選手もこの試合には参加せず、残されたメンバーでどれだけ戦えたのか？
この日のスタメン
GK 1 川口能活
DF 2 寺田周平
DF 4 田中マルクス闘莉王
DF 15 長友佑都
DF 20 内田篤人
MF 6 阿部勇樹
MF 13 岡崎慎司
MF 14 中村憲剛
MF 16 大久保嘉人
MF 19 田中達也
FW 11 玉田圭司
GKには川口が久々にスタメン復帰、寺田が中澤の代理として先発、岡崎、大久保、田中、玉田のFW４選手を先発起用という攻撃的オーダーに出ました。
日本ボールでキックオフしたこの試合、開始３分に長友が中盤でボールを奪うと、左サイドをするするとドリブル突破した後に中央で右足ミドルが決まり先制！シリアDF陣も長友の突破に対応できませんでした。先制点で勢いに乗る日本は、７分に田中が右サイドで仕掛けると、岡崎→田中と渡り、最後は玉田が左足で狙いましたがゴール左に外れます。シリアは14分、左サイドで繋いでからシャボがロングを狙うもバーの上へ。
日本は17分、またも長友が切り込んでシュートを放ちますが、シリアGKが横っ飛びでセーブして２点目ならず。20分には左サイドからのCKを寺田が頭で合わせて追加点かに見えましたが、シリアDFがゴールラインギリギリのところでクリア。これは非常に惜しかった。21分、憲剛→大久保のパスに岡崎がボレーを狙うもGKに阻まれる。岡崎は25分にも長友のクロスからシュートを放ちましたが、枠を捉えられません。決定的な場面が出るものの、なかなか２点目が奪えないまま迎えた26分、内田が右サイドで憲剛にパス、憲剛がふわりとクロスを上げ、玉田が左足ボレーで合わせてゴール！ようやく２点目が入り、シリアから２点のリードを広げます。
反撃したいシリアは28分にFKでセットプレーのチャンス。シャボが直接狙うも決まりません。35分、日本は左CKから寺田がもう一度ヘディングを見せるもまた決まらず、クリアボールのこぼれ球に長友がシュートするもGKにキャッチされる。前半終了間際には玉田が右サイドでドリブル突破してシュートを放つもダメ。前半は２－０で日本がリードして折り返します。
後半、日本は佐藤寿人、香川真司、今野泰幸を開始から投入。対するシリアも２人選手を入れ替えてきました。すると開始早々、交代選手が惜しい場面を見せます。まず２分、香川のクロスに寿人がボレーを狙うもバー頭上へ。３分には香川が中央からループシュートを見せましたが、惜しくもバーを越えていきました。９分、香川が左でドリブルを仕掛けた後、香川のパスを受けた長友がシュートを放ちましたが、シリアGKが長友の２得点目を阻止。11分、日本のCKから今野が頭で叩きつけるも決まらない！
日本は４人目の交代枠で闘莉王に代えて高木和道が入る。シリアは12分、日本ボールを奪ったラフェがミドルを狙いましたが、川口がこれを抑えます。13分、今度は内田のパスを受けた香川が抜け出してループを放つも、枠の上へ外す。そして17分、左サイドの長友のクロスに大久保がシュート。ボールは相手の足に当たりそのままゴールイン。日本が大久保のゴールで３－０とします。
１点を獲り返したいシリアは19分、ラフェが中央からドリブル突破するが、川口がシュートを打たせず。この際川口が顔面を蹴られましたが、プレーを続行しました。日本は22分に寿人がボレー、25分には香川がヘッドを見せますが、どちらもゴールならず。32分、シリアがカウンター攻撃を仕掛けると、ペナルティエリア内でアルアミナが香川に倒されてPK。このPKをアルジノが決めて１点を返します。この後日本は惜しい場面が全く無く試合終了。３－１で日本がシリアに勝利しました。
「うん、いい感じじゃないの？」と言えるような内容と結果でした。立ち上がりに長友がドリブル突破してのゴール、玉田と大久保のFW陣にゴールが生まれたのも良かったです。先制点の長友は、後半に大久保のゴールをアシストすれば、２点目を獲ろうと再三にわたり攻撃参加を見せてフル出場。長友のスピードとドリブル突破は、FWの選手と互角に見えます。来週のカタール戦でも大きな武器になりそう。中澤の代わりに先発した寺田は前半だけの出場でしたが、シリア攻撃陣を封じれば、CKからの惜しいシュートが２本ありました。これならカタール戦もスタメンでしょう。次は代表初ゴールを期待したいです。
交代組では香川がよく動きました。香川はサイドでのドリブルとパスで何度もチャンスを演出、ループシュートを２度見せたものの惜しくもゴールはなりませんでした。残念だったのは、ペナルティエリア内でファウルを犯してしまい、相手にPKを献上してしまったこと。シリアのカウンターを止めたけど、やりすぎですよ。
前哨戦で勝利したということで、いい感じで決戦の地・ドーハに向かうことができたのでは？ドーハはアメリカW杯予選、2006年アジア大会、反町ジャパンが負けたりと日本サッカーにとっては鬼門の場所です。そろそろ苦手を克服してもいいんじゃないか？カタール戦では遠藤保仁も先発するし、俊輔ももしかしたら出るかもしれない。もし負けた場合、南アフリカ行きに黄色信号が灯るだろうし、岡田監督の進退問題が表面化しそうな予感。手強いカタール代表相手に勝ち点３を獲得することは出来るのか？運命のカタール戦まであと５日…。なんだか不安だわぁー。
