2008年Jリーグ・ディビジョン1も残り2試合。優勝争いと残留&降格争いも佳境に入ってきました。首位・鹿島アントラーズが勝利、川崎フロンターレ&名古屋グランパスがともに引き分け以下なら、鹿島が最終節を待たずして優勝が決まります。一方、ジェフ千葉、ジュビロ磐田、東京ヴェルディの3チームが争っている「降格&残留争い」、ジェフ敗戦→ヴェルディ&ジュビロが勝利だとジェフの降格が決まります。3位以内に与えられる「ACL枠」も含めりゃ、何もかもがサバイバルな週末。第33節1日目の30日はこんな結果でした。
鹿島アントラーズVSジュビロ磐田
かつてタイトルを分け合った両雄の対決。アントラーズは優勝、ジュビロは残留をかけた重要な一戦。どちらも負けられない試合はロスタイムに劇的な結末が…。
試合は前半からアントラーズペース。興梠慎三と野沢拓也が決定的な場面で決められず。後半は田代有三、マルシーニョを投入するもゴールが生まれず。磐田は鹿島の猛攻をGK・川口能活らを中心に粘りのディフェンスを見せると、今季限りでの引退を表明している名波浩、ゴン中山のベテランを相次いで投入。しかし、どちらも決定力を欠いたままロスタイム、規定の4分を迎えたところで鹿島が左サイドでFKを獲得。このFKを岩政大樹が頭で合わせて決勝点!ドラマチックな幕切れで1-0で辛くも勝ち点3を獲得した鹿島、連覇へ王手です!一方のジュビロ磐田、悪夢の敗戦でさらに厳しくなった…。
川崎フロンターレVSヴィッセル神戸
現在3位のフロンターレ、ホーム最終戦となるこの試合はゴールラッシュでした。前半開始3分に鄭大世(チョン・テセ)のゴールで先制すると、後半は鄭大世、ジュニーニョ、レナチーニョのゴールで3点追加して4得点。守ってもヴィッセルの猛攻をGK・川島永嗣がファインセーブ連発。結局4-0で圧勝したフロンターレ、J1優勝はまだ諦めていません。
ガンバ大阪VS浦和レッズ
ACLを制しながらもリーグ戦では中位と苦戦しているガンバ大阪、優勝争いからほぼ脱落&エンゲルス監督の解任が決定と明るい話題が無い浦和レッズ。本当だったら「天王山」と言われていただろう東西の雄による対決は、両チームに退場者が出るという波乱の内容に。前半にガンバ・山崎雅人がこの日2枚目の警告で退場となると、後半にレッズ・エジミウソンが中澤聡太に暴行を加えたとして一発退場。両チーム10人同士となった試合は、後半39分に加地晃のクロスを遠藤保仁が頭で叩き込んで決勝点。ガンバ大阪が1-0で浦和レッズに勝利して暫定8位浮上。敗れたレッズは逆転優勝が完全消滅、6季ぶりのタイトル無しが決定となりました。試合後、都築龍太とエスクデロが言い合いになる騒動も。チームも完全分解でこの先どうなってしまうのか?
清水エスパルスVSジェフユナイテッド千葉
現在17位と降格危機のジェフ、日本リーグの古河電工時代から1度も降格の無い古豪がJ2に落ちてしまうのか?対するエスパルスはナビスコカップ準優勝、天皇杯では鹿島に勝利してベスト8進出。さらに上を目指したいところだ。
点の取り合いとなったこの試合、前半26分に兵働昭弘のボレーが決まり、清水が先制。6分後、巻誠一郎のゴールでジェフが同点に追いつきますが、前半終了間際にオウンゴールで勝ち越しを許してしまいます。後半、エスパルスは33分に岡崎慎司が3点目を決めて2点差に広げます。後半40分、巻がこの日2点目を決めて1点差に詰めるもここまで。3-2でエスパルスが逃げ切り勝ち。ジェフは巻の2ゴールも空しく敗戦。ジェフの運命はヴェルディの結果を待つしかない。
横浜FマリノスVS東京ヴェルディ
現在入れ替え戦エリアの16位にいるヴェルディ、2度目のJ2降格を避けるためにもこの試合は絶対に落とせません。試合は両チーム無得点で迎えた後半13分、松田直樹の豪快ミドルが決まってマリノスが先制すると、終了直前に長谷川アーリアジャスールがダメ押し点を決めて勝負あり。2-0でヴェルディに完勝しました。ヴェルディはまだ16位、最終節は川崎フロンターレ戦。
柏レイソルVS大分トリニータ
ナビスコ王者・トリニータは、後半32分に鈴木慎吾、35分に上本大海と3分間で2得点を挙げて4試合ぶりの勝利。優勝こそは絶望的ですが、3位以内&ACL出場権獲得を目指して最終節は名古屋グランパスと対戦します。レイソルは今季限りで退任する石崎信弘監督に白星を飾れず。
29日を終えて、鹿島アントラーズが勝ち点60で首位をキープして連覇へ大きく前進、川崎フロンターレが勝ち点57で暫定2位浮上。鹿島と川崎の勝ち点差は3、得失点差で4差あります。大分トリニータは勝ち点55で名古屋グランパスに並んでいますが、暫定4位。無冠が決まった浦和レッズは暫定5位、来年度のACL出場が絶望的となりました。残留争いはジュビロ、ヴェルディ、ジェフがすべて敗れたため変動無し。こちらの方も最終節までもつれ込みました。
アントラーズは今年もホーム最終戦を劇的に飾りました。昨年は奇跡の猛追で逆転優勝、今年はロスタイムに岩政選手が値千金のヘディング弾、決まった瞬間、オリベイラ監督はまるで優勝したかのように大興奮、監督挨拶では感涙しながらスピーチしていました。鹿島は3位以内が確定し、来季のACL出場権を獲得。次は鹿島がアジアを制する番です。最終節は札幌ドームでコンサドーレ札幌と対戦。最下位が相手なら普通に勝って優勝できると思います。でも、昨年のように浦和レッズが横浜FCに敗れて優勝を逃すという失態もあるでしょう。最終戦も気を引き締めて戦ってもらいたいものです。
無冠が決まった浦和レッズですが、2003年から始まった黄金時代が遂に終わりを迎えました…。5年前のナビスコ杯優勝を皮切りに2004年2ndステージ優勝、2005年は天皇杯、2006年はリーグ戦と天皇杯の2冠達成、昨年はACLで優勝、クラブW杯で3位に入りました。ここまで6度のタイトルを獲得しましたが、今季は高原直泰の加入で国内タイトル奪取に挑みましたが、開幕2試合目でオジェック前監督が解任、エンゲルス新体制で一度は持ち直して首位に立ちましたが、秋になってから失速。ナビスコ杯は予選敗退、連覇に挑んだACLはガンバ大阪に叩き潰されて準決勝敗退。天皇杯はベスト8進出を逃してしまいました。エンゲルス監督の解任、レッズを支え続けた岡野雅行や内舘秀樹のベテランが戦力外通告と暗い出来事ばかり。日本代表クラスの選手が揃っているのに優勝できない、チームはバラバラで崩壊寸前。昨年のACL優勝の感動は何だったのでしょうか…。
30日は、名古屋グランパスがホームでコンサドーレ札幌と対戦。ここで勝てば勝ち点58で鹿島とは2点差で最終節、引き分け以下なら優勝の夢が断たれます。この試合は絶対に取りこぼせません。NACK5スタジアム大宮では、大宮アルディージャと京都サンガが残留決定をかけた一戦。FC東京とアルビレックス新潟の試合もあります。アルビレックスも残留争いの中にいるんですよね。17位・ジェフから12位・サンガまでの勝ち点差は5。ここから抜け出すのはどこのチームなのか?日曜日も白熱した戦いに期待したいところです。