元厚生事務次官夫妻が相次いで狙われる…

18日早朝にさいたま市南区別所で、厚生省の元事務次官夫妻が玄関先で殺害される事件が発生すれば、その日の夜には東京・中野で元厚生次官の妻が何者かに刺されて重傷を負う事件が発生しました。

さいたま市で起きた殺人事件では、事件が発生した当時、２人とも自宅の玄関先で仰向けに倒れている状態であり、服の上から刃物で刺された跡が見つかったそうです。近所に住む男性が119番通報しましたが、救急車が到着した時にはすでに死亡。この事件で亡くなったのは、元厚生事務次官の山口剛彦さんと妻の美和子さんであることが確認されました。埼玉県警によると、17日夜から18日未明の間に犯行に及んだとされています。
山口さんは1965年に厚生省に入省し、96年11月に厚生事務次官に就任していました。年金事業については昭和60年の年金制度改正に携わったことで「年金制度のスペシャリスト」と呼ばれていました。厚生労働省を辞めた後、福祉医療機構の理事長に就任、最近では全国生活共同組合連合会理事長を務めていました。
浦和での殺人事件から数時間後、今度は東京・中野でも元厚生事務次官の家で襲撃事件が発生。吉原健二さんの奥さんである靖子さんが、宅配便の配達を装った男に刃物で胸や腹を刺され重傷を負いました。宅配便の男は、年齢が30歳代くらいで野球帽を被っていたということです。吉原さんは社会保険庁長官、厚生事務次官を歴任し、山口さんの上司でもありました。

この連続襲撃事件について、警視庁と埼玉県警が合同捜査会議を開く予定です。最初にさいたま市での殺人事件が起きたとき、独立した息子が両親に何らかの恨みがあって犯行に及んだんじゃないかと思いましたが、中野での襲撃事件で犯人が同一犯に見えてきました。何のために厚生省の元事務次官を襲ったのか？年金問題なのか、あるいは現在の厚生労働省のやり方に不満があるからなのだろうか？続報を待ちたいと思います。