貴乃花親方が日本相撲協会理事選挙に当選！

任期満了に伴う日本相撲協会の理事選挙の投票が、１日に東京・両国国技館で行われました。今回の理事選は定員10人に対し、11人の親方が立候補。中でも大相撲の改革を訴えている貴乃花親方の出馬に注目が集まりました。下馬評では本人＋貴乃花を支持する６人の親方の７票しか無く、落選するのではないかと言われていましたが、最後にどんでん返しが待っていました。


投票は親方107人と立行事（式守伊之助、木村庄之助）、現役力士代表として大関の琴光喜関と魁皇関が参加。合計111人の評議員の投票により実施。投票方法も大きく変更し、従来は立会人の目の前で候補者名を書くというものでしたが、今回は投票用紙に書かれた候補者名に「○」を付け、立会人と投票箱の距離を少し遠ざけました。さらに投票の様子は報道陣に公開されました。午後１時過ぎに投票開始、貴乃花親方は投票用紙に記入する際、消しゴムを使う場面がありましたが、何とか修正して用紙を投票箱に入れました。
全ての投票が終わった後、開票作業が行われ、その結果、貴乃花親方が10票を獲得し、理事選の当選を果たしました。その一方で立浪一門の大島親方の落選が決定。投票結果は次の通りです。

◇理事選得票数◇
当　放駒親方　　（二所ノ関一門）11
当　二所ノ関親方（二所ノ関一門）11
当　武蔵川親方　（出羽海一門）11
当　北の湖親方　（出羽海一門）11
当　陸奧親方　　（時津風一門）10
当　鏡山親方　　（時津風一門）10
当　貴乃花親方　（無所属）10
当　九重親方　　（高砂一門）10
当　友綱親方　　（立浪一門）10
当　出羽海親方　（出羽海一門）10
落　大島親方　　　（立浪一門）８
二所ノ関一門と出羽海一門所属の親方が11票獲得、同じく新人候補者の陸奥親方と鏡山親方も揃って当選です。最年長理事の大島親方（62歳）が８票しか入りませんでした。37歳５カ月の貴乃花親方は、史上５番目の若さで理事に就任。新理事メンバーではもちろん最年少となります。

貴乃花親方は選挙後の記者会見で当選の心境を語り、「身の引き締まる思い。支持していただいた９人の親方に感謝している」と述べました。当初は７票しか無く劣勢気味だったんですが、下馬評を覆しての逆転当選劇。毎日新聞の記事によると、二所ノ関一門から１人「貴乃花派」に寝返り、立浪一門の２人が大島親方を裏切って貴乃花親方に票を入れたのではないかと思います。（記事内容はこちら）
貴乃花派の間垣親方は「奇跡だ」と感激し、阿武松親方は「貴乃花親方に感謝です」とコメント。一方、立浪一門では反省会が開かれ、熊ケ谷親方は「落ち込んでもう何も話せない」とショックを隠せず。造反者の割り出しについては「無記名だから不明」だそうです。たぶん貴乃花と同世代の親方のような気がします。

その後、新メンバーでは初めての理事会が開かれ、武蔵川理事長の再任を満場一致で認めました。２期目となる武蔵川理事長は「新しい風が理事会に入った」と新理事・貴乃花親方への期待を寄せました。この日の理事会では、初場所で泥酔して一般人に暴行したとされている横綱・朝青龍について、調査委員会を設置して独自に調査する事を決定。４日の理事会で朝青龍への処分が決まり、調査結果によっては厳しい処分が下されそうです。
暴行問題の件についてですが、30日に師匠の高砂親方が武蔵川理事長に対して「示談が成立した」と報告したものの、警視庁は後日朝青龍に事情聴取を検討。すると翌日、朝青龍が「酔って記憶が無い」、「殴ってない」、「肩が触れたくらいだ」と主張。１日には、３日の節分の日に参加予定だった成田山の豆まきを辞退する事が明らかとなりました。先週末は国技館で元力士の引退相撲興行が２日連続であり、土俵入りの際にファンが「モンゴルへ帰れ！」、「酔っぱらいは早く辞めろ！」「酒やめろ」などの厳しいヤジが飛んでいました。ファンも朝青龍の愚行を許していないようだ。事実なら除名or解雇になるかもしれない朝青龍、横綱初の「解雇」処分はあるのか？相撲協会の対応が問われます。

37歳の若さで理事に就任した貴乃花親方、自ら掲げた「相撲改革」への挑戦がいよいよ始まります。近年の大相撲は大麻問題、横綱の暴行、日本人力士の低迷、人気の低迷とマイナスイメージがあります。若手理事誕生で相撲協会も大きく生まれ変わり、相撲人気が再興する事を期待したいですね。