昨年末の12月30日に開幕した「第89回全国高校サッカー選手権大会」は、8日に国立競技場で準決勝2試合が行われました。今大会夢の大舞台に進出したのは、流通経済大学附属柏(千葉)、久御山(京都)、滝川第二(兵庫)、立正大学淞南(島根)の4校。この日の準決勝2試合は共にPK戦にもつれ込む死闘となりました。
準決勝第1試合:流経大柏VS久御山
3年ぶり優勝を目指す流経大柏ですが、負傷者続出で不安を残したまま決戦に臨みます。対する久御山はチーム初の決勝進出なるか?
試合が動いたのは前半11分でした。久御山のDF塚本健介が前線へロングパスを出すと、安川集治が受け取り、相手DFをかわした後に左足で流し込んでゴール。久御山がワンチャンスで1点を先制します。その後も久御山が試合のペースを握り、流経大柏は前半のうちに2人選手を入れ替え、21分に竹原大稀、43分に吉田眞紀人が投入されます。
後半17分、流経大柏は吉田が右サイドから中央へドリブルで持ち込んだ後にスルーパス、途中出場の杉山賢史が左足で押し込んで1-1の同点に追い付きます。しかし後半29分、久御山はCKのセカンドボールを拾うと、坂本樹是が右足でシュートを放ち、ボールは相手DFに当たった後、そのまま枠内に吸い込まれゴールイン。久御山が2-1と勝ち越します。このまま終わるかと思われた後半43分、流経大柏の進藤誠司がペナルティエリア内に進入し、最後は右足の強烈なシュートが決まり、2-2の同点!流経大柏が土壇場で追い付き、90分では決着がつかずPK戦へ。
迎えたPK戦、両チームとも1人目を失敗し、2,3人目成功で2-2のタイで迎えた4人目、流経大は進藤が久御山GK・緒方大樹に止められたのに対し、久御山は二上浩一が成功して3-2。外せば敗退となる流経大の5人目、田宮諒のシュートはポスト左に当たって勝負あり。4-2でPK戦を制した久御山が決勝進出を果たしました。
第2試合:滝川第二VS立正大淞南
滝川第二は樋口寛規と浜口孝太の「ダブルブルドーザー」の活躍もあり、4試合で14得点。準決勝でもダブルブルドーザーが相手を切り崩せるか。島根県勢初のベスト4に進出した立正大淞南は、得点ランキングトップの加藤大樹が7得点。チームも12得点と攻撃力は高いです。得点王争いを占う加藤VS樋口の直接対決の行方は?
激しい点の取り合いが予想されたが、試合は意外にも両チームとも1点が遠い展開に。滝川が終始試合の主導権を握り、開始5分にCKから土師直大が頭で合わせるもGKの正面。38分には左からのクロスを樋口が飛び込むも決まらず。後半も滝川の怒涛の攻撃も淞南GK三山大輝がゴールを許さず。後半18分、谷口智紀のミドルシュートはポストに直撃。後半32分、ゴール前のクロスに樋口がシュートするも、またもGKに阻まれる。
押され気味だった立正大淞南は、後半40分過ぎにチャンスを迎え、池田拓生のヘディングシュートはバーの上、後半43分にはスルーパスから加藤が抜け出し、GKをかわして無人のゴールに押し込むだけだったが、シュートはポスト左…。決まれば淞南の勝ちだったのに…。結局90分を戦って0-0で終了。この試合もPK戦となった。
PK戦は両チームとも3人目まで成功し、滝川4人目の谷口は成功したが、淞南4人目・小田悠太が外してしまい、滝川決勝に王手。滝川5人目・土師が決めれば決勝進出ですが、淞南・三山がキャッチしてチームのピンチを救う!そして淞南5人目・中村謙吾が決め、5人終了時点で4-4のタイ。サドンデスの6人目は両者とも決めたが、滝川の7人目・白岩涼はポスト左に当ててしまうと、淞南・稲葉修土は滝川GK・下出晃輔の前に阻まれる。8人目も両校とも成功し、迎えた9人目、滝川の島秀行のシュートは失敗したが、その前にGKが動いたためにやり直し。仕切り直しの一本はしっかりと決めた。外せば負けとなる淞南は、椎屋翼が蹴るも、ボールは左に逸れてTHE END。死闘の末、滝川第二高校が決勝に駒を進めました!
いやぁ~準決勝はどちらも白熱した試合となりました。1試合目は点の取り合いと流経大柏の粘りに興奮し、2試合目は決定的シーンで「うわ~」と何度も悲鳴を上げ、PK戦はハラハラしながら見ていました。2試合ともPK戦までもつれ込んだのは、首都圏開催になってからは史上初だそうです。1月10日の成人の日に行われる決勝戦は、久御山VS滝川第二の関西勢同士の対決で、どちらかが勝っても初優勝となります。
ベスト4唯一の公立校である久御山は、流経大柏に2度も追いつかれ、終了間際に失点されて悪い流れでPKに突入したけど、GKの緒方選手が好守を見せてチームを決勝に導きました。準々決勝の関西大学第一高校戦に続いてのPK戦勝利で、運も味方に付いてると言っても過言ではないでしょう。快進撃がとまらない「公立の星」がこのまま日本一を手にする事が出来るのでしょうか。
滝川第二は4度目のベスト4で初めての決勝進出。岡崎慎司選手もドーハで母校の勝利を知り、「滝二が決勝に行ったことがうれしい。ここまで来たら優勝してもらいたい」と喜んでおりました。「ダブルブルドーザー」の樋口選手と浜口選手は準決勝で不発。決勝では溜まっていたものを爆発するようなゴールが見てみたいですね。
良い試合を見れたのはよかったんだけど、日本テレビが「滝川第二VS立正大淞南」のPK戦の途中で放送を打ち切ってしまいました。なんで試合の決着がつくまで流さないんですか!?しかも一番ハラハラドキドキする場面で終えるなんて!高校生よりCMのスポンサーが大事なの?それに対して録画放送のテレビ埼玉は9人目まで流してくれたのでありがたいです。まあ日テレは過去にも大事な場面で終了したというのを覚えていますよ。高校サッカーの視聴者をバカにしてるし、腐ってるわ。ホンマに日テレは最悪だな。試合終了直後から日テレに抗議の電話が多数殺到していると思います。忌野清志郎じゃないけど、「バカヤロー、何が民間放送43社共同制作だ!」と叫びたくなりません?来年以降は日テレ系列ではなく、NHKまたは民放他局に放映権が移ってくんねーかな。