今週末は全国的に冷え込み、降雪の可能性が高かった16日は、中山競馬場と京都競馬場の開催が危ぶまれましたが、なんとか無事に行われました。午前中に雪が降っていた中山では、第1レースのスタート時間が11時に変更され、第4競走の障害戦は中止に。この日は重賞競走があり、中山は3歳重賞の京成杯、京都は今年最初のGⅡレース・日経新春杯でした。
中山メイン・第51回京成杯(GⅢ 芝2000m・16頭立て)は16頭立てで争われ、ディープインパクト産駒で現在2連勝中(連対率100%)の⑪スマートロビン、東スポ杯2歳Sで3着だった②フェイトフルウォー、牝馬の⑧ヌーベルバーグ、中山コースで勝利経験のある①ユウセン、⑦コウヨウレジェンド、⑨ジャービスなどが参戦しました。皐月賞と同じ2000m、昨年のダービー馬・エイシンフラッシュが勝利したこのレース、クラシックに名乗りを挙げるのはどの馬か?
スマートロビンが少し出遅れたのに対し、他はほぼ揃ったスタート。スタンド前での先行争いでは、ジャービスが先頭に立ち、ヌーベルバーグが2番手で追走。フェイトフルウォー3番手、スマートロビンは後方からレースを進めます。1,2コーナーから向正面に入り、ジャービスがペースを握り、ヌーベルバーグ2番手。3番手の位置にフェイトフルウォーと⑤プレイが並走。5番手にユウセン、6番手にコウヨウレジェンド。少し離れた中団には、8番手に③マイネルメダリスト、さらには⑩デボネアも中団にいる。後方では、⑥インナージョイが14番手、最後方のスマートロビンは残り800mの辺りで追撃を始めた。
3コーナーに差し掛かり、ロビンが一気に追い上げを見せる中、先頭争いではジャービス、ヌーベルバーグ、プレイの3頭が並ぶ。スマートロビンは中団まで上がったが、4コーナーでもうムチを使っている。直線に入り、混戦の中からフェイトフルウォーが抜け出すと、外からデボネアが突っ込んできた。大外に持ち出したスマートロビンは伸びずに沈んでいく。最後はフェイトフルとデボネアの2頭が並ぶような態勢でゴールイン。際どい勝負となりましたが、フェイトフルウォーがハナ差で勝利しました。
フェイトフルウォーとデボネアの2頭の叩き合いは、フェイトフルウォーに軍配が上がり、昨年10月の新馬戦以来約3か月ぶりの通算2勝目で、重賞初制覇を飾りました。デボネアは僅差の2着に敗れ、プレイが3着に入りました。1番人気だったスマートロビンはスタートミスが響いて11着。同じくディープインパクト産駒のヌーベルバーグは10着とふるいませんでした。3番人気だったジャービスは直線で失速して14着でした。
心配されていた雪もなく、青空の下で行われた京都メイン・第58回日経新春杯(GⅡ 芝2400m・13頭立て)は、昨年のジャパンカップで繰り上がりで優勝した⑤ローズキングダムが登場。年末の有馬記念では直前に疝痛を発症して出走取消、2011年の初戦をこのレースに選びました。トップハンデの58kgの斤量を苦にせず、GI馬の意地を見せられるか?ローキン以外にも⑧ルーラーシップ、⑪ヒルノダムール、⑬ビートブラック、⑨ゲシュタルトといった4歳勢(13頭中6頭が4戦馬)、5歳以降では②ナムラクレセントや①ドモナラズが出走しました。
13頭がきれいに飛び出し、ローズキングダムも上手くスタートを切りました。先行争いでは、③メイショウクオリアと⑦エーティーボスが前に出る中、ビートブラックが押すような感じで先頭に立ちます。ルーラーシップは5番手、ローズキングダムは9番手でゴール板を通過して1コーナーを回りました。バックストレートに入り、ビートブラックが単独先頭、2番手にはゲシュタルトとメイショウクオリアが並び、ルーラーは4番手。その内の5番手にナムラクレセント、⑫コスモヘレノスが8番手、ローキンは9番手で内ラチ沿いを走り続ける。ローキンの隣にはヒルノダムールがつけている。後方ではドモナラズが12番手、④オートドラゴン最後方追走。
13頭が外回り3コーナーの下り坂に差し掛かったところで、ルーラーシップが動き出す。中団ではダムールも上がってきた。ローキンはまだ動かない。4コーナーから最後の直線に入り、ルーラーシップが先頭に躍り出る!ローズキングダムは最内から抜け出そうとするが、前が開かずに苦戦している。残り200mでルーラーシップがまだ先頭、ヒルノダムールが2番手に浮上。ローキンも追い上げるがルーラーには届かない。ルーラーシップはゴール前で突き放して1着ゴールイン!2着争いはヒルノダムールとローズキングダムが並んだが、わずかにダムールが優勢で、ローキンは3着…。
終わってみれば4歳勢が上位を独占。ルーラーシップがローズキングダムなどの猛追を抑え、2着に2馬身差の快勝!昨年の鳴尾記念に次ぐ重賞2勝目を飾りました。ローキンより1.5㎏軽い56.5㎏の斤量が功を奏したのもあるけど、道中の位置取りや直線での抜け出しが良かったですねえ。鞍上のウンベルト・リスポリ騎手の手綱さばきも上手でした。イタリア人騎手のリスポリ騎手は、今月短期免許を取得したばかりで、これがJRA重賞初勝利となります。
圧倒的なパフォーマンスでGI馬を撃破、本格化を迎えつつあるルーラーシップの2011年は飛躍と逆襲の年になりそう。父がキングカメハメハ、母がエアグルーヴという「超良血」で、素質はもともと良いんだから、今年中にGIタイトル獲れる可能性もあると思います。同期のライバルであるローキンとヴィクトワールピサ、エイシンフラッシュ、ビッグウィークに追い付け、いや追い越してもらいたいところだ。
断トツの1番人気に支持されたローズキングダムでしたが、2011年の初戦は3着に敗れました。病み上がりで参戦したこともあるし、トップハンデ58㎏が重く感じたのか、道中は内ラチ沿いを走り続けたのもあるでしょう。今回はちょっと内容と結果が悪かったようで。このような負け方だと、ドバイでは厳しいと思います。今後の動向にも注目しよう。
次週・23日は中山と京都の新春開催最終日。中山のアメリカジョッキークラブカップには、トーセンジョーダン、ミヤビランベリ、ネヴァブション、マルカボルトが登録。京都のダート重賞・平安ステークスには、インバルコ、カリバーン、ダイシンオレンジ、マチカネニホンバレが出走予定。