2011AFCアジアカップカタール大会は、17日にグループBの第3戦が行われました。サッカー日本代表は、ここまで2試合を終えて1勝1分け・勝ち点4。ヨルダンと勝ち点で並んでおりますが、総得点差で日本が首位。第3戦はB組最大のライバルであるサウジアラビアと対戦。そのサウジは、初戦のシリア戦に敗れて監督解任、2連敗でグループステージ敗退決定。おまけにサウジのサッカー協会会長もクビになりました。引き分け以上なら決勝トーナメント進出が決まるこの試合、ザックJAPANが今までの鬱憤を爆発させるようなゴールラッシュ!
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GK 21 西川周作
DF 4 今野泰幸
DF 5 長友佑都
DF 6 内田篤人
DF 22 吉田麻也
MF 7 遠藤保仁
MF 9 岡崎慎司
MF 10 香川真司
MF 16 柏木陽介
MF 17 長谷部誠
FW 11 前田遼一
シリア戦で退場となった川島永嗣が出場停止、松井大輔が右太もも肉離れで欠場→チーム離脱、そして本田圭佑が左足首捻挫でベンチスタート。主力メンバーが相次いで欠く非常事態となったサウジ戦は、GKには西川、チームの危機を救い続けてきた岡崎、さらに本田の代役として柏木がトップ下でスタメン入りを果たしました。
サウジアラビアボールのキックオフで始まったこの試合、立ち上がりの前半2分、サウジは左サイドのFKからヤセルがシュートを放ちますが、ゴール右に外れます。日本は3分に右サイドの岡崎から前田がシュートするもGKの正面。その数分後、前田のクロスに岡崎が飛び込むもボールには届かず。迎えた前半8分、遠藤が中盤で縦への浮き球のパスを出すと、岡崎が抜け出し、右足ループでサウジGKを交わすと、最後は右足で押し込みゴール。岡崎の今大会初ゴールが生まれ、早い時間帯で日本が先制します。
日本先制の5分後、左サイドで香川がクロス→前田を通り過ぎて岡崎がダイビングヘッドで決めて2点目!また岡崎だ!2点を追うサウジアラビアは16分に右サイドからのFKをシルフーブが蹴り込むも誰も合わせられない。19分、日本は左サイドで柏木スルーパス→長友がクロス→最後は前田が右足で合わせて3点目!前田は3試合目で待望のゴール!日本は20分までに3得点を奪い、サウジを突き放し、決勝トーナメント進出に大きく近づきました。
20分過ぎても日本ペースは続き、香川がドリブルからペナルティエリア内でクロスを上げるも、ゴール前でサウジDFがクリア。27分には長友→岡崎→長谷部がボレーを狙うもバーの上。その後はサウジがチャンスを作り、タイシルのロングシュートは西川にキャッチされ、33分にもタイシルが狙うも、またも西川に阻まれます。前半43分、日本は岡崎のスルーパスに香川が抜け出すが、シュートを打ちこめず。絶好のチャンスをものにできず。前半は岡崎と前田のゴールで3-0と大きくリード!
後半、日本は内田に代えて伊野波雅彦を投入。対するサウジはマナフからモタズが入りました。後半の立ち上がりは両チームとも互角、すると6分、伊野波が右サイドでクロスを上げると、前田のヘディングシュートが決まりまた1点追加!前田はこの試合2得点目。これで4-0とサウジに差を拡げました。何とかサウジも1点取り返して一矢を報いたいところですが、日本DF陣がサウジの反撃を許しません。後半16分にはCKからカミルが飛び込むも西川がキャッチ。
日本は後半18分に吉田→岩政大樹がピッチに。岩政も今大会初出場。20分、柏木→香川と繋ぎ、伊野波がシュートするもダメ。24分には柏木がFKを蹴るもサウジのDF陣にクリアされた。4点リードしながらも、さらに攻め続けます。そして後半35分、前田のパスを受けた岡崎が、反転してからのシュートが決まりダメ押しの5点目!岡崎ハットトリック達成!サウジは38分に右サイドのFKをシルフーブが直接狙ったが、西川パンチで防ぐ。日本は42分にCKから岩政が飛び込むもクリアされた。試合は5-0で日本がサウジに圧勝!2連勝で決勝トーナメント進出を決めました。
初戦のヨルダン戦、2試合目のシリア戦と苦しい試合が続いた日本でしたが、サウジ戦はゴールラッシュでスッキリするような勝ちっぷりを見せてくれました。こういう勝ち方を視聴者やサポーターは初戦から求めていたんですよ~。前半に3点を奪うと、後半も2点を追加し、終わってみれば5-0。本田圭佑・川島といった主力不在の不安を感じさせない完勝劇でした。「サウジってこんなに弱かったっけ?」と思うようなスコア、決勝Tを狙うチームと敗退したチームのやる気の違いがはっきりと見えた気がしました。これで日本はグループリーグを2勝1分け・勝ち点7の成績でベスト8進出決定!サウジ戦の大量点が今後につながるといいですね。
この日は岡崎選手と前田選手の2人が大活躍。岡崎選手は前半8分にDFラインの裏を抜け出して先制ゴール、2点目はダイビングヘッド炸裂、3点目は反転してから右足で豪快に決めて見せました。岡崎選手のハットトリックは、2009年のトーゴ戦以来通算3回目。過去2試合は途中出場でチームの危機を救い、サウジ戦ではゴール量産。ザックJAPANのエースはやっぱり岡崎でしょう。前田選手もようやくFWとしての仕事を果たしました。前半20分に右足ボレー、後半にはヘディングシュートを決めて2得点。Jリーグ2年連続得点王がようやく本領発揮。これから代表定着してもらいたいところだ。
サブメンバーもそれぞれアピールし、川島の代役・西川選手は安定した守備で無失点に抑え、柏木選手は2点目のきっかけを作るスルーパスを披露。後半から入ってきた伊野波選手は前田選手の4点目をアシスト、岩政選手はセットプレーで惜しい場面を作りました。伊野波選手は、内田選手の出場停止により次戦の準々決勝でスタメン出場するかもしれません。
前回準優勝のサウジアラビアは、今大会は3戦全敗で終了…。今までは「中東の雄」と言われていて、何度も日本代表を苦しめてきたというイメージがありましたが、南アフリカW杯を逃した事をきっかけにチームは弱体化。3連敗&日本戦の惨敗というサウジ代表の不甲斐なさぶりに国民は嘆いているし、アブドゥーラ国王は激怒している事でしょう。「全敗したら国に帰れない」と言われていた事が現実となった今、選手たちは生命の危機に立たされている?
というわけでB組の全日程が終了。同時刻で行われたヨルダンVSシリアの試合は、2-1でヨルダンが勝利。この結果、日本とヨルダンが勝ち点7で並び、得失点差で日本が1位通過を決めました(日本+6、ヨルダン+2)。シリアは1勝2敗・勝ち点3で3位、サウジアラビアは3戦全敗・勝ち点0、-7の得失点差で断トツの最下位に終わりました。
準々決勝の組み合わせも決まり、日本は21日にA組2位のカタールと対戦します。もう1試合がウズベキスタンVSヨルダンに決定。カタールは開催国の意地があり、地元サポーターが多数駆け付けてくるので、大アウェーになる事は間違いなし。現地人の大声援に屈せず、ベスト4進出なるでしょうか?ここからは負ければ終わりの決勝トーナメント、ザックJAPANのアジア王者奪還への戦いは続く。