AFCアジアカップカタール2011は、いよいよ決勝トーナメントがスタート!2勝1分け・勝ち点7でB組1位通過を決めたサッカー日本代表、準々決勝は開催国のカタールと対戦しました。カタールはグループステージの初戦でウズベキスタンに敗れましたが、クウェートと中国に連勝し、A組2位通過。FIFAランクでは日本29位、カタール105位。しかし過去の対戦成績は7戦して1勝2分3敗と負け越しています。ベスト4をかけたこの一戦は、終盤に劇的な幕切れを迎えました。
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GK 1 川島永嗣
DF 2 伊野波雅彦
DF 4 今野泰幸
DF 5 長友佑都
DF 22 吉田麻也
MF 7 遠藤保仁
MF 9 岡崎慎司
MF 10 香川真司
MF 17 長谷部誠
MF 18 本田圭佑
FW 11 前田遼一
サウジアラビア戦で出場停止の川島、捻挫で欠場した本田圭がスタメン復帰。内田篤人がこの試合出場停止のため、伊野波が右サイドバックでスタメン起用。前戦ハットトリックの岡崎も先発入りです。
日本ボールで始まったこの試合、前半の立ち上がりはカタールペースで進みました。まず前半6分、左サイドのパスを受けたマジドがミドルシュートを放つもゴール左に外れます。9分、セバスチャンのシュートのこぼれ球→メサードのシュートを川島が好セーブ。その後、メサードが遠い位置から狙ってきたが、川島が正面で押さえます。迎えた前半12分、右サイドのロングボールからセバスチャンが抜け出し、日本DF・吉田をかわして左足で押し込んでゴール。日本は立ち上がりで先制点を許してしまった。
早い内に同点に追い付きたい日本は、15分に香川がゴール前にボールが渡るもシュート打てず、17分の本田のFKも壁に直撃。25分、長友が左サイドから強烈なシュートを放ったが、右に逸れて惜しくもノーゴール。そして28分、香川→本田圭のパスに岡崎が抜け出してループシュート、ゴール枠内に吸い込まれたボールは香川が頭で押し込んで日本同点!香川は4試合目でようやく今大会初得点!
その後も日本のペースで進み、35分には長谷部がゴール正面からミドルシュートもGKに阻まれ、43分にはGK川島のロングキックから香川が狙うも決まらず。前半は先制されながらも香川のゴールで追いつき、1-1で終了しました。
後半開始早々、セバスチャンと吉田が競り合い、ペナルティエリア手前で吉田がファウルを取られてしまいます。ゴール正面でのFKをローレンスが直接狙いますが、左に逸れて勝ち越しならず。後半立ち上がりはカタールが主導権を握り、ユセフが前線へパスを上げ続けるも日本DFがクリアし続けます。押され気味な日本は後半12分、左サイドの長友のクロスに岡崎がダイビングヘッドで飛び込むが、わずかにゴール右…。
カタールは後半16分、アフメドが右サイドを突破しようとしたところで吉田がタックル。吉田はこのプレーで2枚目の警告を受けて退場。日本は残り時間を10人で戦わざる得なくなった。カタールはこのFKを途中出場のファビオ・セザールが低いボールで直接決めて勝ち越し。アル・ガラファスタジアムに駆け付けたカタールのサポーターも大興奮!
またも劣勢に立たされて数的不利の日本は、失点された直後に前田を下げて岩政大樹を投入し、守りを固める。後半20分、日本は遠藤のFKを岩政が飛び込むもダメ。22分にもFKのチャンスを得るもチャンス生まれず。後半25分、本田圭の縦パスから岡崎がDFに囲まれながらも香川へパス。受けた香川がDFラインを抜け出し、左足のシュートが決まり2-2の同点!香川のこの日2得点目で試合はまたしても振り出しに!
後半30分過ぎてからカタールが反撃し、34分にアフメドが中央からロングシュートを放ち、枠を捉えたものの川島がしっかりとキャッチ。38分にはCKのこぼれ球を岩政がクリアし、2本目のファビオの左CKを川島がセーブ。41分、左サイドにいたセバスチャンの強烈なシュートはサイドネット。
後半43分、日本は長谷部が中央でドリブルで持ち込み、相手DFに倒されてFKを獲得。本田圭が直接狙うも外れてしまった。このまま同点のまま90分では決着がつかず、延長戦に突入するかに思われた後半44分、長谷部の縦パスから香川が抜け出し、ゴール前でGKとDFに潰されたが、こぼれ球を伊野波が押し込んだ!カタール選手陣の抗議も覆らず、日本がついに逆転!ロスタイムにカタールが猛反撃を見せましたが、日本が何とか守り切り試合終了!日本が3-2で開催国・カタールに逆転勝利してベスト4進出を果たしました!
立ち上がりにペースを握られて先制点を許したり、吉田選手の退場、10人と数的不利、FKでの失点と中東勢を相手にまたしても苦戦を強いられ、日本のベスト4が消えるかに見えましたが、香川選手の2得点、後半ロスタイム前の伊野波選手の決勝点で見事に大逆転!カタールとの激戦を制したとともに、現地の熱狂的サポーターを沈黙させました!「ドーハの悲劇」から約17年、2011年1月21日にザックJAPANが奇跡を起こしてくれました。これで日本代表は4大会連続で準決勝進出です。
グループリーグでは不振気味だった香川選手は、この試合全ての得点に絡む活躍で完全復活をアピール。前半28分に大会初得点を挙げると、後半25分にはこの試合2点目のゴール。後半終了間際にはエリア内に進入して相手に潰されながらも、伊野波選手のゴールをお膳立て。ようやく背番号10が覚醒、カタール戦を機に香川選手がさらに大暴れしてくれる事を願うばかりです。
値千金の逆転ゴールを決めた伊野波選手はこれが代表初得点。サウジ戦では途中出場でアシストすれば、今回のカタール戦で大仕事をやり、2試合とも結果を出しました。試合終了の瞬間、思わずしゃがみ込んで号泣。自分のゴール、チームが勝った事で嬉しかったんだろうなあ。いまやザックJAPANのラッキーボーイ的存在になった伊野波選手、準決勝でも右SBか、CBでのスタメン出場があるでしょう。CBなら吉田選手の穴埋め役として期待できるでしょう。
アジア杯で4大会連続ベスト4入りを決めたザックJAPAN、25日の準決勝で韓国VSイランの勝者と対戦します。韓国とイランも手強いな…。大アウェーでの激闘を乗り越え、チームも上昇気流に乗ってます。ここまで来たら優勝するしかないでしょう!アジア王者奪還まであと2勝、ミラクル連発で鬼門突破じゃ~!