日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

そのスピードと強さは衰え知らず!キンシャサノキセキ史上初の高松宮記念V2達成!

2011年03月28日 | 競馬

27日未明にヴィクトワールピサが「ドバイワールドカップ」を制するという嬉しいニュースが起きました。それから12時間後、阪神競馬場で春のスプリント王決定戦・第41回高松宮記念(GI 芝内回り1200m・16頭立て)が行われました。春のGIシリーズの開幕を告げるとともに、東日本大震災後初めてのGI競走となるこのレース、例年は中京競馬場で開催されますが、改修工事のため今年は阪神開催となりました。昨年の優勝馬④キンシャサノキセキをはじめ、短距離界の世代交代を目指す⑬ダッシャーゴーゴー、1200mは4戦4勝と相性が良い⑤ジョーカプチーノ、昨秋のマイルチャンピオンシップを制した⑭エーシンフォワード、昨年夏の短距離王⑮ワンカラット、阪急杯を勝った⑧サンカルロなど日本を代表するスプリンターが集結。ベテランが王座防衛なるか?それとも新王者誕生と世代交代が起きるのか?


直前の単勝オッズでは、1番人気はジョーカプチーノ(2.8倍)、ダッシャーゴーゴーが2番人気(4.3倍)、3番人気のキンシャサノキセキ(4.5倍)までが単勝一桁台で、4番人気以降はサンカルロ、①レッドスパーダ、⑭エーシンフォワード、⑮ワンカラットと続きました。
スタートは16頭きれいに揃い、注目の先行争いでは⑨ヘッドライナーが押して押して先頭を奪い、2番手の位置にダッシャーがつけ、3番手圏内にキンシャサ、ジョーカプチーノ、レッドスパーダ、ワンカラットが横並び、その後ろの8番手に⑫ビービーガルダンがつけるところでカプチーノが不利を受けて後退。中団には⑥アーバニティ、⑩サマーウィンドと続き、11番手のところにサンカルロとエーシンフォワードが並走。後方では②ショウナンアルバ、⑦スプリングソング、⑪シンボリグラン、最後方に③サンダルフォンが追走。
内回り3,4コーナー中間のところで、ウエスタンビーナスが突然ズルズルと後退し、故障発生で競走中止。残り600m地点で15頭が縦長となり、ダッシャーゴーゴーとヘッドライナーの2頭が先頭を争う。キンシャサノキセキは3番手、ジョーカプチーノ6番手で残り400mを切った。直線コースに差し掛かり、ダッシャーが単独先頭に躍り出るが、外に持ち出したキンシャサが猛追。残り200mで先頭争いはダッシャーゴーゴーとキンシャサノキセキによる2頭の一騎打ち!後続ではレッドスパーダ、サンカルロ、アーバニティが猛追し、大外からビービーガルダンが襲いかかる。残り100mを切ってキンシャサノキセキが抜け出し、2番手からサンカルロなどが追い込むも、キンシャサが先頭でゴールイン!高松宮記念連覇を達成し、春のスプリント王を守り抜きました!


最終成績&払戻金
1着④キンシャサノキセキ 1.07.9
2着⑧サンカルロ     1 1/4馬身
3着⑥アーバニティ     アタマ
4着⑫ビービーガルダン   クビ
5着①レッドスパーダ    1 1/2馬身
6着②ショウナンアルバ    1/2馬身
7着⑦スプリングソング   クビ
8着⑪シンボリグラン    1/2馬身
9着⑭エーシンフォワード   1/2馬身
10着⑤ジョーカプチーノ  1 1/2馬身
11着⑬ダッシャーゴーゴー  4着降着
12着⑨ヘッドライナー    1馬身
13着③サンダルフォン.    クビ
14着⑩サマーウインド     クビ
15着⑮ワンカラット       2 1/2馬身
中止⑯ウエスタンビーナス   (故障)  
※ダッシャーゴーゴー降着
払戻金
単勝 4 450円
複勝 4 170円 6 1380円 8 290円
枠連 2-4 1800円
馬連 4-8 2370円
馬単 4-8 3970円
ワイド 4-6 3900円 4-8 780円 6-8 6730円  
3連複 4-6-8 33730円
3連単 4-8-6 129290円


中年の星・キンシャサノキセキがダッシャーゴーゴーとの叩き合いを制し、GIに移行してから初めての高松宮記念を連覇!混戦の2着争いは、サンカルロが2着、アーバニティ3着という結果に。1番人気のジョーカプチーノは10着、2番人気のダッシャーゴーゴーは4位で入線しましたが、11着に降着しました。なお、3コーナーで故障を発生して競走中止となったウエスタンビーナスは、右第1趾骨粉砕骨折と診断され予後不良となりました。
2009年の秋ごろから強くなり出し、昨年の宮記念では4連勝でGIタイトルを獲得。8歳になってもスピードと強さは衰え知らず、ベテラン健在を強くアピールしました。前走のオーシャンステークスでは59㎏の斤量で2着と敗れましたが、この日は前走より2キロ減(57kg)の斤量を活かしての勝利でした。キンシャサの体に異変が無い限り、恐らく短距離界の世代交代は実現しないのでしょうか…?今後は4月25日に行われる香港のマイルGI・チャンピオンズマイルに登録しております。マイル戦は得意じゃないのに、上手く勝負できるか不安ですな。
キンシャサに騎乗したウンベルト・リスポリ騎手は、JRA・GI初騎乗で初勝利。来日してからは全国リーディング2位の25勝を挙げ、日経新春杯と京都記念で重賞2勝していましたが、短期免許の最終日となった27日に大仕事をやり遂げました。ゴールの瞬間はガッツポーズと雄叫びをあげ、検量室前では男泣き。地元でのGI勝ちも嬉しいけど、日本でのGI勝利は格別なんでしょうね。イタリア人の先輩であるミルコ・デムーロ騎手がドバイW杯で勝利し、高松宮記念でリスポリ騎手が制覇。3月27日は日本とドバイでイタリア人騎手が活躍した1日となりました。
1番人気に支持されながらも10着と敗れたジョーカプチーノは、何度も不利を受けてしまいました。3コーナーのところで進路が狭くなって後退、直線ではワンカラットやビービーガルダンに挟まれ、そのまま馬群に沈みました。これだけ不利を受けると巻き返す力も出ませんなあ。ダッシャーゴーゴーはまたもGIの大舞台で降着をやらかしました。4位で入線しながらもジョーカプチーノの進路を妨害したため11着降着。短距離GI春秋降着という不名誉な記録は史上初めてでしょう。川田将雅騎手は4月2日から11日まで4日間の騎乗停止処分となり、桜花賞はアウト。同じコンビで2度も降着を犯したんだから、川田騎手はもうクビ同然。そのうちファンがダッシャーの事を「反則王」と呼びそうな気がする…。

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追記。
高松宮記念から一夜明けた28日、キンシャサノキセキが現役引退を表明。最後のレースで勝利してターフを去るのはカッコいいですな。長い間お疲れ様でした。



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ヴィクトワールピサ世界制覇!ドバイWCで日本馬が1,2フィニッシュ!

2011年03月28日 | 競馬

世界最大級の競馬の祭典「ドバイミーティング」が、日本時間27日深夜、ドバイ(アラブ首長国連邦)のメイダン競馬場にて行われました。この祭典のメインレース、世界最高峰の国際GI競走「ドバイワールドカップ」には、昨年の年度代表馬・⑬ブエナビスタ、グランプリホース・⑥ヴィクトワールピサ、ダートGI2勝を誇る⑨トランセンドの3頭が参戦。日本を代表する芝とダートのトップホースが、世界一の名誉と賞金600万ドルのビッグマネー獲得を目指してドバイを駆け抜けました!


14頭立てで争われた今年のドバイWC、ヴィクトワールは6番ゲート、トランセンド9番ゲート、そしてブエナは13番ゲートからスタート。海外勢からは⑤ジオポンティ(米国)、④ケープブランコ(アイルランド)、⑫トワイスオーバー(イギリス)、⑧ジターノエルナンド(英国)などが出走しました。
スタートはややばらつき、スタンド前での先行争いでトランセンドが鼻を奪い、2番手にケープブランコが追走。ジターノエルナンドと②モンテロッソが3番手争い。ブエナビスタは後方2番手、ヴィクトワールピサは最後方で1コーナーをカーブします。世界の強豪馬を相手にマイペースで逃げるトランセンドは、先頭で向正面に入り、ケープブランコが依然として2番手。エルナンド3番手、ジオポンティは6番手、7番手に⑩ポエッツボイス、トワイスオーバーは8,9番手と中団の後ろ。ブエナビスタは後方待機で末脚にかけ、ヴィクトワールピサは最後方から外を通り、一気にトランセンドに並びかける。
3コーナーを回り、トランセンドとヴィクトワールの2頭が先頭を争い、真ん中からケープブランコとジターノエルナンドが好位置まで接近。さらに内から⑦ムシールが迫る。ブエナはまだ後方で4コーナーから最後の直線へ。残り400mを切ってトランセンドがわずかに先頭だが、残り300mの辺りでヴィクトワールピサが先頭に躍り出る!大外からジオポンティ、後ろからケープブランコが猛追するが、日本馬が粘り続けている!残り100mでヴィクトワールが抜け出し、他馬の猛追を抑えて先頭でゴールイン!ヴィクトワールピサ、そして日本競馬が世界を制した!トランセンドが2着を確保し、日本勢が上位独占です!


最終成績
1着⑥ヴィクトワールピサ(JPN)  2:05.94
2着⑨トランセンド(JPN)       1/2
3着②モンテロッソ(GB)       1/4
4着④ケープブランコ(IRE)     1/4
5着⑤ジオポンティ(USA)      4/3
6着⑧ジターノエルナンド(GB)   1
7着⑦ムシール(AUS)       1/2
8着⑬ブエナビスタ(JPN)     1/2
9着⑫トワイスオーバー(GB)   11/4
10着③プリンスビショップ(IRE)   1/4
11着⑭ゴールデンソード(GB)    21/4
12着⑪リチャーズキッド(USA)    1/2
13着①フライダウン(USA)     12馬身(大差)
14着⑩ポエッツボイス(GB)     11/4


日本競馬にとって長年の夢であった「世界一」が、ドバイでついに実現しました!1996年のライブリマウントが日本馬で初めてドバイW杯に挑み、97年のホクトベガがドバイの夜に散り、2001年にトゥザヴィクトリーが2着に入り世界一まであと一歩と迫りました。その後アジュディミツオー、カネヒキリ、ヴァーミリアン、カジノドライヴ、レッドディザイアが参戦するも、いずれも世界の壁に跳ね返されました。そして16回目の2011年にその悲願が成就!ここまで来るのに本当に長かった…。
ヴィクトワールピサが日本馬として史上初のドバイワールドカップ制覇、トランセンドが2着と健闘し、日本勢1,2フィニッシュという結果になりました!トランセンドが積極的に逃げ、ヴィクトワールが海外の強豪馬の追い上げを振り切って勝利。芝とダートのトップが上位を独占し、日本競馬のレベルの高さを改めて証明しました。日本馬は強いんですっ!!
歴史的快挙を成し遂げたヴィクトワールピサは、日本国内でGI2勝、海外GIはもちろん初勝利で通算3勝目。騎乗していたデムーロ騎手はW杯初制覇。勝利インタビューで「日本人のために勝ちたいと祈っていた。日本を愛しています」と涙ながらに語っており、鞍上で日の丸を掲げていました。毎年短期免許で来日し、日本のビッグレースで嬉し涙を流すデムーロ騎手は、外国人ジョッキーの中で一番の親日家だと思います。角居勝彦調教師は4頭目の海外GI馬を輩出。角居厩舎の先輩・ウオッカが果たせなかった夢を後輩が叶えました。
ヴィクトワールの偉業もすごかったけど、トランセンドと藤田伸二騎手の強気の攻めの走りも良かった。ライバル達を尻目にレースを引っ張り、直線で失速するかと思ったら最後まで粘りました。ダートでの強さはもう知っているけど、オールウェザーでここまで走れるとは思わなかった。今度はAWの本場・アメリカのブリーダーズカップにも挑戦してもらいたい。もちろん藤田騎手とのコンビでね。
もう1頭の日本馬・ブエナビスタは見せ場なく8着という結果に終わりました。昨年のドバイシーマクラシックで2着と健闘し、日本勢の中で一番期待されていた馬だったのですが、まさかの惨敗。キャリア18戦で自己ワーストの成績となってしまいました。①オールウェザーに対応できなかったという事、②AWを経験させる&馬場の相性を確かめるという意味合いで前哨戦のレースを使わず、ぶっつけ本番でWCに臨んだ事、③ムーア騎手との息が合わなかったのが敗因じゃないかと思います。
日本馬がドバイ制覇で世界一、未曾有の大震災で心が傷ついた競馬ファンに夢と感動を与え、生きる勇気を貰った人もいるでしょう。この出来事が復興のきっかけとなり、競馬ブームが再来する事を期待せずにはいられません。次は凱旋門賞かブリーダーズカップクラシックを制する馬が出るといいですね。ヴィクトワールピサはこの後、香港の「クイーンエリザベス2世カップ」に参戦予定。凱旋帰国後の6月には宝塚記念にも出るかもしれません。香港と日本で世界一の実力を見せてほしい。今まではブエナが日本のエースだったけど、これからはヴィクトワールが日本競馬を引っ張ります。マジで世界制覇おめでと~う!!


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