27日未明にヴィクトワールピサが「ドバイワールドカップ」を制するという嬉しいニュースが起きました。それから12時間後、阪神競馬場で春のスプリント王決定戦・第41回高松宮記念(GI 芝内回り1200m・16頭立て)が行われました。春のGIシリーズの開幕を告げるとともに、東日本大震災後初めてのGI競走となるこのレース、例年は中京競馬場で開催されますが、改修工事のため今年は阪神開催となりました。昨年の優勝馬④キンシャサノキセキをはじめ、短距離界の世代交代を目指す⑬ダッシャーゴーゴー、1200mは4戦4勝と相性が良い⑤ジョーカプチーノ、昨秋のマイルチャンピオンシップを制した⑭エーシンフォワード、昨年夏の短距離王⑮ワンカラット、阪急杯を勝った⑧サンカルロなど日本を代表するスプリンターが集結。ベテランが王座防衛なるか?それとも新王者誕生と世代交代が起きるのか?
直前の単勝オッズでは、1番人気はジョーカプチーノ(2.8倍)、ダッシャーゴーゴーが2番人気(4.3倍)、3番人気のキンシャサノキセキ(4.5倍)までが単勝一桁台で、4番人気以降はサンカルロ、①レッドスパーダ、⑭エーシンフォワード、⑮ワンカラットと続きました。
スタートは16頭きれいに揃い、注目の先行争いでは⑨ヘッドライナーが押して押して先頭を奪い、2番手の位置にダッシャーがつけ、3番手圏内にキンシャサ、ジョーカプチーノ、レッドスパーダ、ワンカラットが横並び、その後ろの8番手に⑫ビービーガルダンがつけるところでカプチーノが不利を受けて後退。中団には⑥アーバニティ、⑩サマーウィンドと続き、11番手のところにサンカルロとエーシンフォワードが並走。後方では②ショウナンアルバ、⑦スプリングソング、⑪シンボリグラン、最後方に③サンダルフォンが追走。
内回り3,4コーナー中間のところで、ウエスタンビーナスが突然ズルズルと後退し、故障発生で競走中止。残り600m地点で15頭が縦長となり、ダッシャーゴーゴーとヘッドライナーの2頭が先頭を争う。キンシャサノキセキは3番手、ジョーカプチーノ6番手で残り400mを切った。直線コースに差し掛かり、ダッシャーが単独先頭に躍り出るが、外に持ち出したキンシャサが猛追。残り200mで先頭争いはダッシャーゴーゴーとキンシャサノキセキによる2頭の一騎打ち!後続ではレッドスパーダ、サンカルロ、アーバニティが猛追し、大外からビービーガルダンが襲いかかる。残り100mを切ってキンシャサノキセキが抜け出し、2番手からサンカルロなどが追い込むも、キンシャサが先頭でゴールイン!高松宮記念連覇を達成し、春のスプリント王を守り抜きました!
最終成績&払戻金
1着④キンシャサノキセキ 1.07.9
2着⑧サンカルロ 1 1/4馬身
3着⑥アーバニティ アタマ
4着⑫ビービーガルダン クビ
5着①レッドスパーダ 1 1/2馬身
6着②ショウナンアルバ 1/2馬身
7着⑦スプリングソング クビ
8着⑪シンボリグラン 1/2馬身
9着⑭エーシンフォワード 1/2馬身
10着⑤ジョーカプチーノ 1 1/2馬身
11着⑬ダッシャーゴーゴー 4着降着
12着⑨ヘッドライナー 1馬身
13着③サンダルフォン. クビ
14着⑩サマーウインド クビ
15着⑮ワンカラット 2 1/2馬身
中止⑯ウエスタンビーナス (故障)
※ダッシャーゴーゴー降着
払戻金
単勝 4 450円
複勝 4 170円 6 1380円 8 290円
枠連 2-4 1800円
馬連 4-8 2370円
馬単 4-8 3970円
ワイド 4-6 3900円 4-8 780円 6-8 6730円
3連複 4-6-8 33730円
3連単 4-8-6 129290円
中年の星・キンシャサノキセキがダッシャーゴーゴーとの叩き合いを制し、GIに移行してから初めての高松宮記念を連覇!混戦の2着争いは、サンカルロが2着、アーバニティ3着という結果に。1番人気のジョーカプチーノは10着、2番人気のダッシャーゴーゴーは4位で入線しましたが、11着に降着しました。なお、3コーナーで故障を発生して競走中止となったウエスタンビーナスは、右第1趾骨粉砕骨折と診断され予後不良となりました。
2009年の秋ごろから強くなり出し、昨年の宮記念では4連勝でGIタイトルを獲得。8歳になってもスピードと強さは衰え知らず、ベテラン健在を強くアピールしました。前走のオーシャンステークスでは59㎏の斤量で2着と敗れましたが、この日は前走より2キロ減(57kg)の斤量を活かしての勝利でした。キンシャサの体に異変が無い限り、恐らく短距離界の世代交代は実現しないのでしょうか…?今後は4月25日に行われる香港のマイルGI・チャンピオンズマイルに登録しております。マイル戦は得意じゃないのに、上手く勝負できるか不安ですな。
キンシャサに騎乗したウンベルト・リスポリ騎手は、JRA・GI初騎乗で初勝利。来日してからは全国リーディング2位の25勝を挙げ、日経新春杯と京都記念で重賞2勝していましたが、短期免許の最終日となった27日に大仕事をやり遂げました。ゴールの瞬間はガッツポーズと雄叫びをあげ、検量室前では男泣き。地元でのGI勝ちも嬉しいけど、日本でのGI勝利は格別なんでしょうね。イタリア人の先輩であるミルコ・デムーロ騎手がドバイW杯で勝利し、高松宮記念でリスポリ騎手が制覇。3月27日は日本とドバイでイタリア人騎手が活躍した1日となりました。
1番人気に支持されながらも10着と敗れたジョーカプチーノは、何度も不利を受けてしまいました。3コーナーのところで進路が狭くなって後退、直線ではワンカラットやビービーガルダンに挟まれ、そのまま馬群に沈みました。これだけ不利を受けると巻き返す力も出ませんなあ。ダッシャーゴーゴーはまたもGIの大舞台で降着をやらかしました。4位で入線しながらもジョーカプチーノの進路を妨害したため11着降着。短距離GI春秋降着という不名誉な記録は史上初めてでしょう。川田将雅騎手は4月2日から11日まで4日間の騎乗停止処分となり、桜花賞はアウト。同じコンビで2度も降着を犯したんだから、川田騎手はもうクビ同然。そのうちファンがダッシャーの事を「反則王」と呼びそうな気がする…。
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追記。
高松宮記念から一夜明けた28日、キンシャサノキセキが現役引退を表明。最後のレースで勝利してターフを去るのはカッコいいですな。長い間お疲れ様でした。