日本時間10日未明は、「なでしこジャパンVSアメリカ」の女子サッカー決勝戦で盛り上がりましたが、その裏では女子レスリングの吉田沙保里選手が3連覇を達成すれば、男子200m決勝でウサイン・ボルト(ジャマイカ)が金メダルを獲得し、100mとの2冠を達成しました。
女子レスリング55kg級の吉田沙保里選手は、初戦となった2回戦で、ケルシー・キャンベル(米国)と対戦し、第1ピリオド・50秒にバックを取って1ポイントを獲得。続く第2ピリオドでは、1分過ぎにタックルで場外へ押し込んで1ポイント。終了間際にキャンベルがタックルを仕掛けるも、吉田が守り切り試合終了。2ピリオド練習で初戦を突破しました。
続く3回戦では、ユリア・ラトケビッチ(アゼルバイジャン)に対し、第1ピリオド・1分15秒過ぎにタックルで1点を奪い、終盤のラトケビッチのタックルを抑えます。第2ピリオドは、1分過ぎに相手のタックルをかわした後、ニアフォールで2点獲得。その後も攻め続けるも追加点取れず。それでも2セット連取で準決勝進出。
準決勝はロシアのワレリア・ジョロボワと対戦。第1ピリオド・開始30秒に片足タックルで場外へ押し込み1点先取。残り30秒を切ってジョロボワがタックルを狙うが、吉田が上手くかわし切り、1点差を守って第1ピリオドを制しました。続く第2ピリオド、1分近く膠着状態が続きましたが、1分25秒にニアフォール→バックに回って2点獲得。この2点を守り切り、2セット連取で決勝に駒を進めました。
勝てば3連覇となる決勝戦。決勝の相手はトーニャ・バービーク(カナダ)。第1ピリオドは開始から両者の組み手争いが続き、1分37秒を経過したところで吉田がタックルを仕掛け、片足タックルで場外へ押し倒して3ポイント。吉田が第1ピリオドを制し、金メダルへ王手をかけます。迎えた第2ピリオド、50秒過ぎにバービークがタックルを試みるも、吉田が凌ぐ。そして残り30秒となったところで、吉田のタックルが決まり1ポイント、さらにカナダ側が要求したビデオ判定も変わらず、吉田に1点追加し、2-0となりました。残り20秒を切り、バービークが攻めるも、吉田が守り切り試合終了。決勝でも2-0で勝利した吉田沙保里、アテネ・北京に続いての3連覇を果たしました。
やはり吉田選手は強かった!4試合で1ポイントも許さない完全優勝で、3大会連続の金メダルを獲得。優勝を決めた直後、喜びのあまり監督を投げつければ、お父さんの栄勝さんを肩車するパフォーマンスを見せていました。5月に東京で行われた女子レスリングワールドカップで、ジョロボワ選手にまさかの敗戦を喫し、試合後に号泣。準決勝でその敗れた相手と顔を合わせ、見事にリベンジ達成。その流れに乗って決勝もストレート勝ちをおさめました。
日本人女性選手が五輪で3連覇したのは、63キロ級金メダリスト・伊調馨選手に続いて史上2人目の快挙。吉田選手は世界選手権の9連覇を合わせて12回目の世界一。かつてロシアのアレキサンドル・カレリンさんが打ち立てた記録に並びました。9月にはカナダで女子世界選手権が行われますが、出場すればカレリンの記録を打ち破ります。4年後のリオ五輪にも視野を入れており、代表入りすれば4連覇もあるのではないか…。
今大会の女子レスリングで、日本は3個の金メダルを獲得。48キロ級の小原日登美選手は、最初で最後の五輪で悲願の金獲得。伊調選手は左足首の靭帯を損傷しながらも3連覇達成。吉田選手は「絶対王者」ぶりを発揮。一方、72キロ級の浜口京子選手は初戦で敗退し、3大会連続のメダルはなりませんでした。
ロンドンオリンピックスタジアムで行われている陸上競技では、男子200mの決勝がありました。この種目には100m金メダリストのウサイン・ボルト、銀メダルのヨハン・ブレーク(ジャマイカ)、ウォーレス・スピアモン(アメリカ)、 クリストフ・ルメートル(フランス)などが決勝に進出しました。
レースは好スタートを見せたボルトが、4コーナーを曲がったところで早くも体1つリード。最後の直線でブレークが追いかけるも、ボルトがそのまま逃げ切り1着でゴールイン。 19秒32と自らの五輪記録には及ばなかったものの、北京五輪に続いての連覇達成です。2位にヨハン・ブレーク、3位にウォーレン・ウィアーが入り、ジャマイカ勢が金・銀・銅を独占する結果となりました。
ボルト選手、100mに続いて200mも制して2冠達成!2大会連続での2冠制覇は史上初となります。課題のスタートも完璧、最後は流してゴールイン。レース後のインタビューでは「私は伝説になった」と堂々と公言したボルト選手、来年以降も更なる伝説を作ってくれるんじゃないかと思います。この後は400mリレーに出場。ジャマイカの連覇は堅い、世界記録を塗り替えてきそうな気がします。