ブラジルワールドカップ開幕まで残り99日、サッカー日本代表がW杯に向けてついに動き始めました。サッカー国際親善試合「キリンチャレンジカップ2014 ~ありがとう国立競技場~」日本代表VSニュージーランド代表戦が5日、東京・国立競技場で行われました。サムライブルーの2014年の初戦となるこの試合は、日本サッカーの聖地・国立競技場の改修前最後の試合。対戦相手のニュージーランドとは、2011年3月に国立で試合する予定でしたが、東日本大震災の影響で中止に。震災から3年を経て、ついにNZ戦が実現しました。W杯イヤーの初陣を白星で飾りたいところでしたが…。
日本のこの日のスタメン
GK 1 川島永嗣
DF 5 長友佑都
DF 6 森重真人
DF 22 吉田麻也
DF 21 酒井宏樹
MF 14 青山敏弘
MF 4 本田圭佑
MF 10 香川真司
MF 16 山口蛍
FW 9 岡崎慎司
FW 18 大迫勇也
今回は長谷部誠、内田篤人がケガで招集されず、柿谷曜一朗と今野泰幸が体調不良で離脱。先発メンバーも変わり、森重がセンターバック、酒井宏樹が右サイドバック、青山がボランチに入り、1トップには大迫を起用。そして、この試合のゲームキャプテンは長友が務めました。
日本ボールでキックオフした前半、序盤から日本が主導権を握ります。前半4分、左サイドでボールを持った香川が逆サイドへロングパスを入れ、DFライン裏に抜け出した岡崎がワントラップしてからスライディングシュート。ボールは無人のゴールに吸い込まれ、日本が早々と1点を先制。その3分後の7分、本田のパスを受けた香川がドリブルで仕掛けてペナルティエリア内に入り、相手DFに倒されてPKを獲得。このPKを香川が自ら蹴り、ゴール左隅に決めて2-0とリードを拡げます。
日本は攻撃の手を緩めず、前半11分に右サイドのFKを本田がセンタリング→森重が上手く頭で合わせて3点目。森重はこれが代表初ゴール。さらに17分、左サイドで香川がドリブルで持ち込むと、本田がヒールで繋ぎ、最後は岡崎が左足を振り抜き、シュートは相手GKの手を弾いてゴールイン。日本は前半17分までに4点を奪い、一方的に試合を進めます。
しかし、25分過ぎからニュージーランドが反撃開始。左サイドのFKをウッドが低めの球で狙い、味方がコースを変えるも左サイドネット直撃。さらに28分、右サイドでバルバロウセスがグラウンダークロス→ウッドがワンタッチで合わせたが、森重がブロック。迎えた前半39分、ウッドが左サイドでDFに囲まれるが、力強く突破し、最後は右足シュートをゴールに突き刺して1点を返します。
日本3点リードで迎える後半、酒井高徳、清武弘嗣、細貝萌、遠藤保仁の4人を投入。ニュージーランドは後半2分、ルーが右サイドを突破し、その折り返しをウッドが飛び込んだが、GK川島がキャッチ。日本も後半6分、前線まで上がった長友が左サイドからシュートを放つも大ハズレ。後半17分、ニュージーランドは左CKをGK川島がパンチング→こぼれ球をボイドがボレーシュート→味方に当たってコースが当たって川島が防ぐも、オフサイド。
後半押されっ放しの日本は、後半19分に本田がドリブルからミドルシュートを放つが、GKの正面。さらに後半28分、左サイドで長友がクロス→遠藤が落として、清武が強烈な右足シュート。しかし、ボールはポスト左を弾いてゴールならず。32分、清武のクロスに本田が合わせたが、上手く決められず。後半35分、ニュージーランドはペインのクロス→ウッドが右足ボレーをたたき込んでゴール。またしてもウッドにゴールを許し、2点差に詰め寄られる。
日本は残り10分になって、齋藤学と豊田陽平の2人を投入。齊藤は持ち前のドリブルで突破を図るが、シュートまでには行けず。後半43分、ゴール正面の位置でFKを獲得した日本は、本田が左足で直接狙ったが、GKのセーブに阻まれる。後半44分、豊田がドリブル突破からシュートを放つもGKにキャッチされ、アディショナルタイムには本田のスルーパス→清武にわたるもシュート不発。試合は4-2で日本が勝利。国立でのラストマッチを勝利で飾りました。
ザックジャパンの2014年の最初の試合は、立ち上がりは日本のゴールラッシュで進み、17分間に4点を奪いました。「最後の国立」でお祭りムードになるかと思いきや、徐々にニュージーランドにペースを握られ、ウッドに2ゴールを許しました。後半はダメ押しの1点がなく、細かいミスも相次いで、劣勢に立たされてましたなあ。せっかく4点取ったのに、立て続けに失点されたのは良くないと思います。このまま放っておくと、W杯で3連敗もあり得るぞ…。
この試合では岡崎選手が2得点を挙げ、国際Aマッチ通算38得点となり、原博実さんの37得点を抜いて歴代3位に躍り出ました。37得点目は泥臭いスライディングシュート、38得点目はフリーの位置からズトンと決めました。本田選手のヒールパスも華麗でしたよ。昨年のガーナ戦以来のゴールを挙げた香川選手は、自ら獲得したPKをしっかり決め、自らが起点となって得点シーンを演出しました。今野選手の代わりに先発出場した森重選手は、3点目のヘディング弾でスタメン起用に応えたものの、守備ではウッドの2点目のシュートを阻止できませんでした。
ところで、今回ちょっとしたアクシデントが起こりました。後半8分過ぎに主審のアラン・ミリナー(オーストラリア)さんが左太ももを痛めてピッチから退き、第4審判の東城穣さんが急遽代理で主審を務めました。審判の途中交代は極めて異例のことです。サッカーの審判も大変ですね。ミリナーさん、お大事に。
日本代表は次戦、5月27日に埼玉スタジアムでキプロス代表との親善試合を行います。W杯前にテストマッチが少ないのは正直不安です。5月13日に予備登録メンバー30人が発表され、下旬には23人の最終メンバーが決定します。メンバー発表の時は毎回のように波乱とサプライズが起こりますが、今回もサプライズがありそうな予感がします…。