3月16日は東西で牝馬の重賞レースがあり、阪神競馬場では桜花賞トライアル・報知杯フィリーズレビュー、中山競馬場では古馬の牝馬重賞・中山牝馬ステークスが行われました。
阪神メイン・第48回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ・芝1400m)は、桜花賞の優先出走権獲得を目指す3歳牝馬16頭が出走。2歳時に重賞を2勝した⑤ホウライアキコ、朝日杯2歳ステークスに挑戦した①ベルカント、2連勝中の⑩ヤマノフェアリー、1400mで2勝の⑪ホッコーサラスター、1995年のオークス馬・ダンスパートナーの孫②ダンスアミーガ、デビュー2連勝中の⑭エスメラルディーナ、東日本大震災が発生した2011年3月11日に生まれた⑮レムミラスなどが参戦しました。
スタートでサトノフェアリーが躓き、ホッコーサラスターと⑬リアルヴィーナスもやや出遅れた。先行争いでは、好スタートを切った⑫ニホンピロアンバーが先手を奪い、⑧フクノドリームが2番手。3番手集団には、先手を奪えなかったベルカント、⑨グランシェリー、ホウライアキコ、⑭エスメラルディーナの4頭。その後ろの7番手グループには、③マイネヴァリエンテ、ダンスアミーガ、レムミラスの3頭が並走。中団には④アキノクリンチ、⑤ノーブルサイレンス、⑯アドマイヤビジンの3頭がつけ、リアルヴィーナスとサラスターが13番手で並び、⑥シュシュブリーズ15番手、フェアリーが最後尾という展開。
内回り3,4コーナー中間を過ぎ、アンバーが先頭をキープするが、フクドリが並びかける。エスメラルが外に持ち出し、ベルカントは依然として最内、ホウライは早くも手が動いている。最後の直線に差し掛かり、ニホンピロアンバーがラストスパートに入るが、外からエスメラルディーナとアドマイヤビジン、さらに内からベルカントが猛追。残り100mでベルカントがアンバーをかわし、ゴール前抜け出して先頭ゴールイン!逃げだけじゃないぞベルカント、最内を上手く掬って重賞2勝目です。
桜花賞トライアル・フィリーズレビューは、単勝2番人気だったベルカントが絶妙なイン差しを決め、差し切り勝ちで優勝しました。ベルカント=逃げ馬のイメージが強かったんですが、この日は逃げを打たずに3,4番手辺りで控え、直線で内を突き、最後は1馬身1/4馬身差をつけて勝利をおさめました。ベルカントは昨年のファンタジーステークス以来の受賞2勝目、通算成績も5戦3勝。鞍上の武豊騎手は同レース3勝目、今年に入っては重賞2勝目。前日(3月15日)に45歳の誕生日を迎え、その翌日に自らのバースデーを祝う重賞勝ちとなりました。
2着争いでは、ニホンピロアンバーとエスメラルディーナの2頭が並んで入線しましたが、アンバー2着、エスメラルがアタマ差の3着。ベルカントと共に桜花賞の優先出走権を獲得しました。1番人気だったホウライアキコは、直線伸びずに5着、3番人気のサトノフェアリーはスタートミスが響いて8着でした。
というわけで、桜花賞のトライアル競走が全て終わり、チューリップ賞からはハープスター、ヌーヴォレコルト、リラヴァティの3頭、アネモネステークスからはペイシャフェリスとニシノミチシルベの2頭が優先出走権を獲得。そして今回のFRでベルカント、ニホンピロアンバー、エスメラルディーナが桜の切符を手にしました。この中でもハープスターがやはり頭一ついや二つ以上抜けてますね~。当日は2歳女王・レッドリヴェール、クイーンカップを勝ったフォーエバーモアも出走を予定しています。ハープの最大のライバルであるリヴェールは、ぶっつけで大丈夫なのか本当に不安です。
中山メイン・第32回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ・芝1800m 16頭立て)は、愛知杯を勝った⑥フーラブライド、同レース2着⑭キャトルフィーユ、京成杯オータムハンデ以来のレースとなる⑩エクセラントカーヴ、昨年のオークス2着馬③エバーブロッサム、②ノボリディアーナ、京都牝馬ステークス3着⑤ノーブルジュエリー、エリザベス女王杯3着⑫アロマティコなどが出走しました。
スタンド前でのスタートで、エバーブロッサムが躓いて最後方からの競馬。スタートダッシュを決めた⑦エディンが先手を取るが、⑧セキショウ、⑪サンシャイン、⑬ケイアイエレガントも先行策。1コーナーを回った所で、エディンが先頭、2番手にエレガント、3番手にセキショウと①クラウンロゼ、5番手にキャトルフィーユ、内側の6番手にサンシャイン。④アグネスワルツ、⑮サクラプレジール、エクセラントカーヴの3頭が7番手集団を形成。その後ろの10番手にはノーブルジュエリーとフーラブライドの3枠2頭が並走、⑯トーセンベニザクラ12番手、13番手にアロマティコ。後方は⑨コウエイオトメとブロッサム、ノボリディアーナが最後方追走。
縦長の状態で3コーナーに入り、先頭集団はエディンとケイアイエレガントが並び、セキショウ3番手、エクセラントは馬群にもまれ、キャトルとフーラは大外に持ち出した。直線コースに入り、今度はエレガントが先頭に立ち、2番手からクラウンロゼとキャトルフィーユが追い上げ、さらに大外からフーラブライド、内からアロマティコが伸びて来た。残り100mを切り、フーラが2番手に上がると、ゴール前で粘るエレガントを捕らえてゴールイン!末脚炸裂で差し切ったフーラブライド、初めての中山コースで重賞制覇!
牝馬によるハンデ重賞・中山牝馬ステークスは、同率で1番人気だった2頭の明暗が分かれました。フーラブライドが直線抜け出して勝利したのに対し、エクセラントカーヴは骨折明けもあったし、1800mは距離的に長かったし、55.5Kgのトップハンデが響いて9着同着でした。ケイアイエレガントとキャトルフィーユが2着同着となり、3番人気だったアロマティコは4着でした。
勝ったフーラブライドは、昨年の愛知杯に続き、2つ目の重賞タイトルを獲得。デビュー当時はダート路線でしたが、昨年の秋から芝路線に変更。500万下、1000万下で連勝すると、愛知杯では単勝12番人気ながら勝利。前走の日経新春杯では3着と健闘しました。初の関東遠征となった今回も勝ち、芝転向後5戦4勝となりました。この後はヴィクトリアマイルに向かうのかわかりませんが、マイル戦でどのような走りを見せるのか気になります。
来週の競馬は21日・22日・23日と3日連続開催。金曜日に競馬があるのは2002年5月以来だと思います。春分の日の21日は中山競馬場で3歳牝馬重賞のフラワーカップ、22日は中京競馬場でファルコンステークス、阪神で皐月賞TRの若葉ステークス、23日はスプリングステークスと阪神大賞典が行われます。スプリングSには昨年の朝日杯FSを制したアジアエクスプレス、阪神大賞典にはGⅠ4勝のゴールドシップが登場。アジアは皐月賞に向けて負けられない一戦、ゴルシは岩田康誠騎手との新コンビで復活なるか?