ブラジルW杯開幕まで1週間を切った日本時間7日午前、アメリカ・フロリダ州にある「レイモンド・ジェームス・スタジアム」にて日本代表VSザンビア代表の親善試合が行われました。W杯前最後の強化試合となる今回、対戦相手であるザンビアは、2012年のアフリカネイションズカップでコートジボワールを破って優勝しています。W杯に弾みをつけるためにも「仮想コートジボワール」を相手に良い内容で勝ちたいところでしたが、思わぬ苦戦を強いられました。
日本のスタメンはこちら
GK 12 西川周作
DF 2 内田篤人
DF 5 長友佑都
DF 15 今野泰幸
DF 22 吉田麻也
MF 7 遠藤保仁
MF 16 山口蛍
FW 4 本田圭佑
FW 9 岡崎慎司
FW 10 香川真司
FW 11 柿谷曜一朗
この日はGKに西川が入り、DFは長友がスタメン復帰。中盤は遠藤と山口がボランチを組み、1トップには柿谷が入りました。
試合序盤はザンビアに主導権を握られ、前半9分、日本の自陣でボールをまわされると、右サイドのクロスを味方がヒールで繋ぎ、ファーサイド左にいたクリストファー・カトンゴに頭で押し込まれ、先制点を許します。日本も15分に反撃のチャンスを作り、左サイドで長友がドリブルからミドルシュート。これはGKにセーブされて得点ならず。18分、センターバック・吉田がロングボール→DFラインの裏へ抜け出した岡崎が合わせようとしたが相手GKと交錯。岡崎の左眉から出血が見られ、手当てを受けて戦列復帰。
ザンビアは前半28分、右CKをグラウンダーで折り返すと、シンカラがペナルティアーク内から右足ミドルシュート。ボールはゴールネットを突き刺し、ザンビアが2点目を奪います。日本は課題のセットプレーの守備で失点を喫する。2点を追いかける日本は、32分に右サイドのFKを本田が蹴るもGKにキャッチされる。35分には遠藤がミドルを放つも枠を捉えることができない。39分、香川が岡崎とのワンツーから抜け出し、ペナルティエリア内で上げたクロスが、相手選手の手に当たりPKを獲得。このPKを本田がゴール右隅に流し込み、1点を返します。
後半に入り、日本は柿谷に代えて大久保嘉人を投入。後半5分、本田のスルーパス→大久保が反応するもオフサイド。ザンビアは後半9分、右CKをCカトンゴが頭で合わせるが、ゴール右に外れます。さらに11分、Cカトンゴがドリブルで持ち込んでからミドルシュートを狙ったが、ゴール右に外れて追加点ならず。後半12分、日本は本田が中盤で前線へロングパス→抜け出していた香川にボールが通ったが、香川うまくトラップできず。
日本は後半15分すぎから、森重正人、大迫勇也、酒井宏樹の3人を立て続けに投入。迎えた後半28分、左サイドで香川がボールを持ち、ドリブルしてから右足でシュート性のクロス→ボールはそのままゴール右隅に吸い込まれ、2-2の同点に追いつきます。さらに2分後の30分、DFの森重が攻撃に加わり、個人技で相手DFをかわし、グダウンダーの折り返しをゴール前にいた本田が押し込み、日本が3-2と試合をひっくり返します!
ところが、試合はこのまま終わりませんでした。日本1点リードで迎えた後半43分、ザンビアはルバンボ・ムソンダが左サイドを突破し、そのまま一気にミドルシュートに持ち込む。ボールは日本DFの足に当たってコースが変わり、GK西川の頭上を越えてゴールネットに突き刺さる!3-3と再び試合は振り出しに…。このまま引き分けかと思われた後半アディショナルタイム、入ったばかりの青山敏弘がセンターサークルからロングボールを上げると、大久保がワントラップしてから左足シュートが決まり、日本が再び勝ち越し!大久保のゴールが決勝点となり、日本が4-3でザンビアに競り勝ちました!
ザックJAPANの最後のテストマッチは、激しい点の取り合いとなり、前半30分までに2点リードされる苦しい展開。しかし、本田選手の2得点&香川選手のゴールで3-2と一旦は逆転。終盤にまた失点を喫しましたが、大久保選手の起死回生の一撃で日本が勝利しました。それにしても「仮想コートジボワール」という相手に厳しい試合を強いるとは思いませんでした。日本より格下とはいえ、ザンビアは本当に強かったです。
今回の試合も課題が多く見つかり、前回のコスタリカ戦に続いて絶対与えてはいけない先制点を献上。しかも、立ち上がりでの失点ですからねえ。それにセットプレー、後半終了間際での失点もありました。川島英嗣選手に代わってゴールマウスを守った西川選手、無失点でアピールしたかったんですが、3失点では正GKの座は無理でしょう。
攻撃面では、不振気味の本田選手が2ゴールを挙げたけど、試合後の本人の談話で「きつかった」とまだ本調子ではない様子。とはいえ復調の兆しは見えてるかもしれません。後半から入った大久保選手は、途中から1トップに入り、終了間際に劇的な決勝ゴールを挙げました。その前の青山選手のロングボールも素晴らしかったです。自身の代表戦でのゴールは、2008年11月のシリア戦以来、実に5年7ヶ月ぶりだそうです。アフリカのチームにゴールを決めた事で、15日のコートジボワール戦での1トップ起用もあるかもしれません。
タンパでの強化試合2連戦を振り返って、2試合ともに先制されながらも、劣勢をひっくり返して逆転勝利。本田選手、香川選手、柿谷選手など決めるべき人がしっかりと決めてくれたのに対し、課題の守備では2試合で4失点とは不安を残したまま本番を迎えることになりました。ザックJAPANは逆転できる底力はあると思うけど、W杯では先行逃げ切りで勝ってほしいです。グループリーグ戦は最低でも1勝1敗1分、無敗(2勝1分か3連勝)で突破できたら最高なんだけどなあ。日本のW杯初戦まであと1週間、みんなでザックJAPANの勝利&GL突破を信じよう!