秋の最強牝馬決定戦・第40回エリザベス女王杯(GⅠ・芝2200m 18頭立て)が15日、京都競馬場で行われました。2冠牝馬・ミッキークイーンとショウナンパンドラ不在の今年は、⑩ラキシスと⑱ヌーヴォレコルトの前回1,2着馬コンビ、2013年の勝ち馬⑬メイショウマンボ、府中牝馬ステークスを勝った⑭ノボリディアーナ、今回が本当にラストラン③フーラブライド、マーメイドステークスを勝った⑦シャトーブランシュの古馬勢に加え、オークス以来の実戦となる⑮ルージュバック、秋華賞2着②クイーンズリング、ローズステークスを勝った⑧タッチングスピーチの3歳勢3頭が参戦しました。
単勝上位人気は、1番人気がヌーヴォレコルト(3.0倍)、2番人気ラキシス(4.2倍)、3番人気ルージュバック(6.1倍)。4番人気のタッチングスピーチ(6.5倍)までが10倍を切り、5番人気以降はクイーンズリング、⑫マリアライト、フーラブライド、⑯スマートレイアー、ノボリディアーナと続きました。
18頭出遅れなく揃って飛び出したこのレース、1コーナーに向かっての先行争いで、④リラヴァティ、⑨フェリーチェレガロ,⑪ウインリバティの3頭が前に行き、フーラブライド4,5番手辺り。クイーンズリングとマリアライトは中団につけ、タッチングスピーチは12番手、ヌーヴォレコルトとラキシスは13,14番手、クイーンズリングは16番手で正面スタンド前を通過。人気上位勢はみんな中団より後ろの位置だ。
2コーナーを回り、向正面にでて、ウインリバティ先頭で逃げ、リラヴァティが2番手につける。大きく離された3番手にフーラブライドだが、内側から⑤タガノエトワールがするする上がって3番手浮上。フェリーチェレガロとリメインサイレントが5,6番手で並び、7,8番手の位置に⑰シュンドルボンとシャトーブランシュが並走。中団の9番手グループには、マリアライト・クイーンズリング、さらに内側からラキシスがポジションを上げた。12番手ノボリディアーナ、タッチングスピーチ13番手、ヌーヴォレコルトは14番手追走。内側15番手にメイショウマンボ、真ん中に①パワースポット、ルージュバックは17番手に控え、しんがりにスマートレイアーという展開。
外回り3コーナーに差し掛かり、ウインリバが快調に飛ばし、リラヴァティ2番手変わらず。マリアは5番手集団の中、ラキシス・クイリン・タッチング・ヌーヴォはまだ中団待機、ルージュは大外に出した。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、先頭のウインリバティがまだリードを保って逃げているが、後続からフーラブライドとマリアライトが迫る。さらに外からヌーヴォレコルトとルージュバックが襲い掛かる。ラキシスは馬群に飲み込まれている。ゴール残り200mを切ったところで、マリアが先頭に躍り出て、フーラが内で食い下がり、外からヌーヴォレコルトとタッチングスピーチが迫るが、マリアライトが先頭でゴールイン!マリアライト、GⅠ初挑戦で女王の座に就きました!
エリザベス女王杯 全着順&払戻金
1着⑫マリアライト 2分14秒9
2着⑱ヌーヴォレコルト クビ
3着⑧タッチングスピーチ ハナ
4着⑮ルージュバック 1/2馬身
5着⑯スマートレイアー クビ
6着③フーラブライド アタマ
7着⑰シュンドルボン 1/2馬身
8着②クイーンズリング クビ
9着④リラヴァティ 1/2馬身
10着⑦シャトーブランシュ クビ
11着⑩ラキシス アタマ
12着⑭ノボリディアーナ 3/4馬身
13着①パワースポット 3/4馬身
14着⑨フェリーチェレガロ 1/2馬身
15着⑤タガノエトワール 1/2馬身
16着⑪ウインリバティ 3/4馬身
17着⑬メイショウマンボ クビ
18着⑥リメインサイレント 1馬身1/4
単勝 ⑫ 1,520円
複勝 ⑫ 320円 ⑱ 130円 ⑧ 210円
枠連 [6]-[8] 1,470円
馬連 ⑫-⑱ 1,860円
馬単 ⑫-⑱ 4,730円
ワイド ⑧-⑫ 1,340円 ⑧-⑱ 440円 ⑫-⑱ 680円
3連複 ⑧-⑫-⑱ 3,770円
3連単 ⑫-⑱-⑧ 23,590円
3歳から7歳まで世代を超えた牝馬たちによる一戦を制したのは、単勝6番人気の伏兵・マリアライトでした。道中は中団の位置につけ、最後の直線で馬場の真ん中から脚を伸ばし、残り200mで抜け出すと、ヌーヴォレコルトとタッチングスピーチ、ルージュバックらの追い上げを振り切りました。1番人気のヌーヴォレコルトはクビ差及ばず2着。昨年と同じくクビ差の2着ですか…。3番人気のタッチングスピーチも追い込んできたけど3着、3番人気のルージュバックはその後の4着。約半年の休養明けが響いたのかな~?連覇を狙ったラキシスは馬群に沈んで11着でした。
勝ったマリアライトは、GⅠ初挑戦&3度目の重賞挑戦で悲願の初制覇。鞍上の蛯名正義騎手はエリザベス女王杯初勝利。武豊騎手に次いで史上2人目の牝馬GⅠ競走完全制覇達成です。マリアライトを管理する久保田貴士調教師は、開業13年目で初のGⅠ制覇を果たしました。
マリアライトは父がディープインパクト、母・クリソプレーズ、祖父がエルコンドルパサー、兄はダートGⅠ馬のクリソライト、弟は菊花賞3着・リアファルという良血の持ち主。今年に入ってからは潮来特別と緑風ステークスで連勝した後、マーメイドステークスで2着、オールカマーでは5着に敗れていました。良血といえども重賞勝つのは厳しいかなと思われましたが、エリザベス女王杯で牝馬№1の座を奪いました。道悪の馬場(レース時はやや重)なった分、母系の血が発揮されたと思います。それにリアファルの無念を晴らすことができてよかったですね。
あと、キャロットファームとしては久しぶりのGⅠ勝利。昨年12月にピンクブーケが禁止薬物使用で失格になった事を皮切りに、ハープスター、エピファネイア、トゥザワールドといった実力者がケガにより相次いで引退。さらにはクリミナルが屈腱炎で長期離脱、ルージュバックが熱発で凱旋門賞断念など、キャロット関連の残念な話題ばかり続いていましたが、ようやく明るいニュースが来ましたね。
来週は秋のマイル王決定戦・マイルチャンピオンシップが行われます。昨年の優勝馬・ダノンシャーク、安田記念を制したモーリス、スワンステークスを勝ったアルビアーノ、今年の3歳マイル王・クラリティスカイ、秋の天皇賞3着・イスラボニータ、桜花賞馬レッツゴードンキ、フィエロ、サトノアラジン、ヴァンセンヌ、カレンブラックヒル、ロゴタイプ、リアルインパクトなどが登録しています。こりゃまた豪華な面子ですな。エリ女と同じ日に行われていた福島記念を制したヤマカツエースもマイルCSに登録していますが、まさか連闘するわけないよな?