「明治安田生命 2015 Jリーグチャンピオンシップ」の決勝戦・サンフレッチェ広島VSガンバ大阪の第2戦が5日、エディオンスタジアム広島で行われました。3日前の第1戦は、広島が3-2で勝利。後半44分までは1点を追う立場でしたが、アディショナルタイムに2点を奪い、劇的な逆転勝利を挙げました。王座奪還へ王手をかけた広島は、1点差で負けたとしても優勝決定。年間勝ち点3位からの「下克上」を目指すガンバは、逆転優勝するためには2点差以上で勝つか、「アウェーゴール」を4点以上取らなければなりません。2015年のJ1最終決戦、栄冠に輝いたのは?
両チームのスタメン
[サンフレッチェ広島]
GK 1 林卓人
DF 33 塩谷司
DF 5 千葉和彦
DF 19 佐々木翔
MF 14 ミキッチ
MF 8 森崎和幸
MF 6 青山敏弘
MF 27 清水航平
MF 9 ドウグラス
MF 30 柴崎晃誠
FW 11 佐藤寿人
[ガンバ大阪]
GK 1 東口順昭
DF 14 米倉恒貴
DF 3 西野貴治
DF 5 丹羽大輝
DF 4 藤春廣輝
MF 15 今野泰幸
MF 7 遠藤保仁
MF 13 阿部浩之
MF 19 大森晃太郎
MF 39 宇佐美貴史
FW 20 長沢駿
ホーム・広島は、初戦と全く変わらず。第1戦の勝利の立役者である柏好文と浅野拓磨はベンチスタート。崖っぷちのガンバは、第1戦で一発退場→今回出場停止のオジェソクに代わり、米倉が右サイドバックに入りました。この日も長沢がスタメンで起用され、パトリックはベンチから。
前半4分、広島は左サイドの清水のパスを受けた柴崎が、右足のミドルシュートを放っていきますが、これをガンバGK・東口が防ぎます。
点が欲しいガンバは、7分に宇佐美のクロス→左サイドで大森がヘディングで合わせようとするも枠外。9分、遠藤の左CK→ニアサイドで米倉が頭で叩きつけるが、相手DFに当たってしまう。12分には左サイドで宇佐美がクロスを上げ、ファーサイドの阿部が右足シュート。しかし、広島GK・林の好守に防がれて得点ならず。16分には宇佐美がミドルを狙うも大きく外れ、20分には右サイドの阿部クロス→逆サイドで大森折り返し→藤春のシュートは相手DFにブロックされた。
そして前半27分、ガンバは右サイドでCKを獲得。遠藤のセンタリングに今野が右足ボレーシュート!これがゴール左隅に決まった!ガンバ、欲しかった先制点を奪う!合計スコアも3-3の同点となったが、このまま終わっても広島の優勝となる。ガンバにはあと1点が必要だ。
1点を追う広島は、前半40分にカウンターを仕掛け、ドウグラス→左サイドの柴崎がサイドチェンジ→青山スルー。ボールを受けた塩谷のミドルは相手DFに当たってコースが変わり、こぼれ球を柴崎がシュートするが、わずかにゴール左に逸れる。前半はガンバ1点リードで折り返し。
後半開始早々、2点目を狙うガンバにチャンス到来。開始30秒過ぎに左サイドの大森→宇佐美が阿部とのワンツーから右足シュート。しかし、シュートは右に外れて2点目ならず。続く右CKの場面で、遠藤が変化をつけ、今野がスルーパス→ペナルティエリア内にいた米倉が足を伸ばすも、シュートは外れる。後半4分には左CKから今野が飛び込んだが、シュートはGK林にキャッチされた。
広島は後半9分、右サイドでミキッチが絶妙なクロスを上げ、ニアサイドの佐藤のシュートは不発だったが、ゴール前に詰めていた柴崎が右足で押し込もうとしたが、GK東口の正面…。広島、絶好の決定機で同点ならず。
後半12分、両チームのベンチが動く。ガンバは大森に代えて倉田秋を投入。広島はエース・佐藤を下げて浅野がピッチに入る。すると後半18分、浅野が左サイドでルーズボールを受けると、ガンバDF西野を振り切って一気にドリブル突破。PA内で相手DFと接触したが、PKは取られず。ガンバは後半19分、長沢に代わりパトリックが入る。その1分後に広島は第1戦のヒーロー・柏好文が登場。後半22分、倉田がドリブルで前線まで上がり、自らシュートまで持って行ったが、枠を捉えられず。後半25分、広島GK・林のロングキック→反応した浅野がDFをかわすものの、シュート打てず。
ガンバ1点リードで迎えた後半31分、広島はドウグラスが右サイドの柏にパスを送り、柏が右足でクロスを上げ、最後は浅野がヘディングでゴール左に決める!浅野&柏の途中出場コンビの活躍で、広島が1-1の同点に追いつく!広島は優勝へ大きく近づく貴重な1点。逆にガンバは痛い失点となってしまった。
逆転するには2得点が必要となったガンバは、後半34分に井手口陽介を3枚目のカードとして投入。後半40分、右サイドの折り返しにパトリックが合わせようとするも、GKに阻まれる。その後も攻め続けるガンバだったが、広島の堅い守備を崩しきれず。終了間際のラストプレーで、遠藤クロス→味方が頭で落とし、米倉がオーバーヘッドシュートを狙ったが、GKにキャッチされて万事休す。その直後にタイムアップの笛が鳴り、第2戦は1-1の引き分けに終わりました。
11年ぶりに復活したJリーグチャンピオンシップは、サンフレッチェ広島が対戦成績1勝1分け、2戦合計4-3でガンバ大阪を下し、2年ぶり3度目の年間優勝を果たしました。広島は前半に先制されましたが、後半途中出場の浅野選手のゴールで同点。その後はガンバの反撃を抑えました。王座奪還の広島は、今月10日に開幕する「FIFAクラブワールドカップ」への出場権を獲得。クラブW杯出場は2012年以来3年ぶり2度目となります。
広島は第1戦で勝利したのが要因。アウェーゴール3得点が大きなアドバンテージとなりました。この試合も森保一監督の交代策がズバリ的中。浅野拓磨選手が持ち前のスピードで再三ガンバDF陣をかき回し、後半31分に優勝を決定付ける快心のゴールを挙げました。DF陣に囲まれていたんですが、打点が高かった。それにジャンプ力高い!「気持ち」で押し込んだとしか言えない。そのゴールをアシストしたのが、同じく交代組の柏好文選手。初戦で1ゴール1アシスト、この日も1アシストを記録。キャプテンの青山選手がCSのMVPに選ばれましたが、柏選手の方が貢献度が高かったと思います。
今季の広島は、第1ステージで3位、第2ステージは勝ち点40で優勝。年間総合でも23勝6敗5引き分け・勝ち点74の好成績を残して堂々1位。勝ち点74は、34試合制となった2005年以降、J1最多記録だそうです。シーズン最多得点、最少失点、年間順位で1位、CSではチームが一体となってガンバを破り、文句なしの完全優勝。サンフレッチェ広島は、森保一監督になってからは4年間でリーグ優勝3回。今が「黄金期」です。
ガンバ大阪は今野選手が3試合連続ゴールを決めましたが、宇佐美選手とパトリック選手が不発。前半に先制したときは、逆転するんじゃないかと期待していたんですが…。やっぱり初戦の3失点が大きく圧し掛かりましたねぇ。宇佐美選手は10月以降ガンバでの公式戦でノーゴール、パトリック選手は中国のクラブチームからのオファーが来ています。昨年は国内3冠を達成したけど、今年はナビスコ杯で準優勝、J1リーグで2位に終わりました。連覇がかかる天皇杯で無冠阻止となるか?