サッカーのクラブチーム世界一決定戦「FIFAクラブワールドカップ ジャパン 2015」が10日に開幕しました。今年で11回目を迎えるこの大会、日本での開催は3年ぶりとなります。今年は欧州王者・バルセロナが来日し、開催国・日本からはJ1王者のサンフレッチェ広島が出場します。この日は横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で開幕戦が行われ、開催国代表・サンフレッチェ広島とオセアニア代表・オークランドシティ(ニュージーランド)が激突。オークランドは前回、オセアニア勢で初の3位に入りました。Jリーグチャンピオンシップから中4日でクラブW杯の初戦に望む広島は、「オセアニア絶対王者」を下して準々決勝進出なるか?
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[サンフレッチェ広島]
GK 1 林卓人
DF 4 水本裕貴
DF 5 千葉和彦
DF 33 塩谷司
MF 6 青山敏弘
MF 18 柏好文
MF 24 野津田岳人
MF 27 清水航平
MF 28 丸谷拓也
FW 22 皆川佑介
FW 29 浅野拓磨
[オークランド・シティ]
GK 1 スプーンリー
DF 2 ジョルジェビッチ
DF 3 岩田卓也
DF 4 ビレン
DF 5 ベルランガ
MF 7 アルバロ
MF 11 ハドソンウィホンギ
MF 16 キム・デウク
MF 19 リーアラファ
FW 10 デフリース
FW 17 モレイラ
広島はこの試合、佐藤寿人、ドウグラス、森崎和幸、ミキッチといった主力陣がベンチスタート。チャンピオンシップで活躍した柏好文と浅野拓磨、広島期待のホープ・野津田岳人らが先発入りしました。
まず前半4分、広島は右サイドで柏好文が獲得したFKを野津田が蹴るも、相手の壁に当たる。6分には右サイドの柏クロス→ゴール前で皆川が飛び込むも届かず。迎えた前半9分、広島は右のショートコーナーから、野津田が左足を振り抜いてミドルシュート。オークランドGK・スプーンリーがボールを取り損ね、こぼれ球を皆川が押し込む。広島がセットプレーで幸先良く先取点を奪う。
しかし、その直後に野津田が右足を痛めてしまい、一旦ピッチから離れるもプレイ続行不可能。急遽、柴崎晃誠がピッチに入る。広島、前半15分で早くも1人目の選手交代枠を切った。
オークランドは15分にペナルティエリア手前でFKを獲得し、アルバロが直接狙うも決まらず。16分にはモレイラもシュートを打ったが、GK林にキャッチされた。
広島は25分に中盤で青山が前線へロングパス→皆川が抜け出すもオフサイド。27分には柴崎の縦パス→皆川のシュートは決まらず。皆川は30分にもシュートを放ったものの、ゴールを奪えず。前半42分、右サイド柏のクロス→ゴール前にいた塩谷が頭で合わせるもGKにキャッチされて追加点ならず。前半は広島1点リードで終了。
後半開始早々、柴崎がオークランドDF岩田と交錯。このプレーで右足を痛めてしまう…。野津田の代わりに入った柴崎もプレーできず、ドウグラスと交代。後半12分、広島はドウグラスと浅野のワンツー、さらにPA内でドウグラス→皆川と繋ぎ、ドウグラスがゴール前で抜け出すも、シュートに持ち込めなかった・・・。
後半15分、広島にまたも非常事態。清水が足を捻ってしまうアクシデント。治療を受けてピッチに再び戻った。後半18分、ドウグラスのパスを受けた浅野が、ドリブルでDFをかわして右足ミドルを放ったが、わずかにゴール左に外れる。後半20分、足を痛めていた清水は佐々木翔と交代。これで広島は3人の交代枠を使い切った。
後半25分、右サイドで味方のパスを受けたドウグラスが、前線まで上がってフリーになっていた塩谷にパスを送る。塩谷はラインギリギリの位置から右足でシュート。ボールは相手の足に当たると、GKスプーンリーがキャッチできず。そのままゴール左隅に吸い込まれ、広島に2点目が入る。
さらに追加点がほしい広島は、後半33分に右サイドで柏クロス→ゴール前でドウグラスが飛び込んだが、ヘディングシュートはGKスプーンリーに片手で防がれた…。スプーンリー、ここは意地のファインセーブ。後半40分、オークランドDF岩田が、広島・柏と交錯し、額から出血してしまう。手当てを受けてプレーに復帰し、相手ボールをヘディングでクリアしてみせた。結局、試合は2-0で広島が勝利しました。
雨が降る中で行われた開幕戦は、サンフレッチェ広島がオークランドシティを下して初戦突破を果たしました。前半に皆川選手が先制点を挙げると、後半は塩谷選手のゴールで突き放しました。ディフェンス神もJ1リーグ戦と同様、堅い守りで無失点に抑えました。CS第2戦から中4日、それに控えメンバー中心だったにも関わらずも強さを見せ付けましたね。
ただ、この日は負傷者が続出。序盤に野津田選手が右膝を痛めると、野津田選手に代わって登場した柴崎選手が、後半に左ヒザを痛めて負傷退場。さらには清水選手が右足首を捻ってしまい、後半20分にベンチへと下がりました。3人とも13日の準々決勝に出場できるかは厳しいかもしれません。特に野津田選手に至っては、来月開催される「AFCU-23選手権」(リオデジャネイロ五輪予選)にも影響するのではないかと…。あと、オークランドの岩田選手も柏好文選手の膝蹴りをモロに喰らって出血。プレーに復帰したときにユニフォームを新たに着替えましたが、「背番号なし」のものでした。
13日は大阪・長居陸上競技場(ヤンマースタジアム長居)で準々決勝2試合が行われます。第1試合はクラブアメリカ(北中米カリブ代表/メキシコ)VS広州恒大(アジア代表/中国)、第2試合はサンフレッチェ広島VSマゼンベ(アフリカ代表/コンゴ民主主義共和国)という組み合わせなっています。第1試合の勝者は、17日の準決勝でバルセロナと対戦。第2試合の勝者は南米王者・リバープレート(アルゼンチン)と戦います。
広島は初戦出場の無かった佐藤寿人選手とミキッチ選手が出場予定。3年前はアフリカのチームに敗れてベスト4進出を逃しました。今度こそは準々決勝の壁を破ることができるのでしょうか。