2015年の中央競馬も有馬記念ウィークを残すのみとなりました。有馬記念前日の26日は、秋の最強ハードラー決定戦・第138回中山大障害(J・GⅠ 芝4100m 14頭立て)が行われました。春の中山グランドジャンプ覇者⑬アップトゥデイト、障害転向後5戦全勝の⑧サナシオン、GⅠ2勝②アポロマーベリックなどが参戦しました。
単勝の上位人気は、サナシオンが1.7倍で圧倒的1番人気。2番人気アップトゥデイト(3.5倍)。単勝1ケタ台はこの2頭のみ。3番人気以降は、アポロマーベリック、⑤マキオボーラー、④エイコーンパス、①オジュウチョウサン、⑫アシュヴィン、⑩ウォンテッドと続きました。
スタートで⑥ティリアンパープルが後手を踏む。まず最初の5号障害で、⑦ドリームセーリングが先頭で飛越を終えると、後続の各馬も無事に飛越。1周目のスタンド前に差し掛かったところで、ドリームセーリングが先頭、サナシオンが2番手、その後ろの3番手にアップトゥデイトが追走。4番手にマキオボーラー、5番手⑭タマモショパン、6番手ダンツミュータント、7番手⑫アシュヴィン、8番手エイコーンパス、外側の9番手に⑪タニノタキシード。後方グループにはウォンテッドとティリアンパープル、アポロマーベリック12番手、13番手③シゲルキョクチョウ、オジュウチョウサンが最後方を進む。
2コーナーのバンケット~向正面を過ぎ、セーリングが後続を引き離し、サナシオン2番手キープ。アップトゥデイト3番手は変わらず。最初の大障害コースに入り、大竹柵障害を先頭のドリームセーリングが飛越。サナシオンとアップトゥデイトもクリアし、最後方のアポロマーベリックまで無事に飛越を終えた。今や大竹柵で落馬することなんてない。
逆回りになっても、セーリングが快調に飛ばし、アップトゥデイトが2番手のサナシオンの背後にぴったりマーク。マキオボーラーも4番手。後方ではアポロマーベリックが5号障害の手前で競走中止。3コーナーのバンケットを登り、13頭は2度目の大障害コースへ。2つ目の難所・大生垣をセーリングがトップで飛越。サナシオンとアップトゥデイトも続き、他の馬も続々とクリア!
再び順回りコースとなったところで、ドリームセーリングとサナシオンの差が縮まる。エイコーンパスが3号障害のところで4番手まで押し上げている。向正面でサナシオンがペースを上げ、4号・竹柵障害で先頭に躍り出る。さらに3コーナーのバンケットの手前でアップトゥデイトが2番手、坂を駆け上がったところでエイコーンが3番手まで進出。優勝争いはこの3頭に絞られたか。
最後の障害を飛越し、勝負は平場の追い比べ。ダートコースを横切る場面で、サナシオン・アップトゥデイト・エイコーンパスの3頭が一団となるが、サナシオンが先頭で芝の直線コースに入る。内でサナシオンが粘り、真ん中でアップトゥデイトが差を詰め、大外からエイコーンが追い込んだが、ゴール前でアップトゥデイトが抜け出してゴールイン!アップトゥデイト、障害GⅠ春秋制覇を成し遂げました!
中山大障害 全着順&払戻金
1着⑬アップトゥデイト 4分37秒9
2着④エイコーンパス 1/2馬身
3着⑧サナシオン 2馬身
4着⑨ダンツミュータント 大差
5着⑥ティリアンパープル 4馬身
6着①オジュウチョウサン 7馬身
7着⑫アシュヴィン 3/4馬身
8着⑩ウォンテッド 5馬身
9着⑪タニノタキシード クビ
10着⑦ドリームセーリング 大差
11着⑥マキオボーラー 1馬身3/4
12着⑭タマモショパン 1/2馬身
13着③シゲルキョクチョウ 大差
中止②アポロマーベリック
単勝 ⑬ 350円
複勝 ⑬ 130円 ④ 300円 ⑧ 110円
枠連 [3]-[8] 5,140円
馬連 ④-⑬ 4,720円
馬単 ⑬-④ 9,330円
ワイド ④-⑬ 1,140円 ⑧-⑬ 190円 ④-⑧ 590円
3連複 ④-⑧-⑬ 2,850円
3連単 ⑬-④-⑧ 28,680円
障害レースの総決算・中山大障害は、単勝2番人気のアップトゥデイトが、ゴール前で差し切って優勝しました。2着に入ったエイコーンパスは、障害転向2戦目でJ・GⅠ2着と大健闘。来年は重賞タイトルの1つは取れるんじゃないかと思います。無敗での障害GⅠ制覇を狙った1番人気・サナシオンは3着に終わりました。竹柵障害で先頭に立ちましたが、最後まで押し切れませんでした。大障害コースの経験の差が勝敗に表れましたね。今回は14頭中13頭が完走。2周目5号障害の手前で競走を中止したアポロマーベリックは、左第3中手骨開放骨折で予後不良となりました。
優勝したアップトゥデイトは、中山グランドジャンプに続いてのJ・GⅠ制覇。前走の小倉サマージャンプを含め、重賞3連勝となりました。鞍上の林満明騎手、佐々木晶三調教師は障害GⅠ2勝目です。
小倉サマージャンプ以来4ヵ月半ぶりのレースでしたが、終始サナシオンをマークし続け、終始安定した飛越を披露。直線での攻防では、逃げるサナシオンを捕らえ、新勢力のエイコーンパスの追撃を抑えました。これはGⅠウィナーが意地といったところでしょうか。障害GⅠ春秋連覇、重賞3勝したので、「最優秀障害馬」は文句なしで決まり。来春のGJで「J・GⅠ3連勝」を期待したいです。