ひな祭りの3月3日、JRA史上7人目の女性ジョッキーとなった藤田菜七子騎手が、32期生の同期より一足先に地方・川崎競馬場でデビューを果たしました。競馬ファンが注目した藤田騎手のデビュー初日の結果は如何に?
この日は6鞍に騎乗した藤田騎手、まず第1レースで⑧コンバットダイヤに騎乗。スタートで上手く飛び出し、向正面では5番手を追走。しかし、最後の直線でズルズルと下がってしまい、9頭中8着。藤田騎手のデビュー戦は、ほろ苦い初騎乗となりました。
2鞍目の第4レースは⑤シンフォニーヒルズに騎乗。後方待機から、直線で大外からグイグイと追い上げて4着ゴール。2戦目で掲示板圏内に載せました。
続く第5レースの「サラC3」では、④ミスターナインワンに騎乗。好スタートを切ると、道中は中団追走。最後の直線で藤田騎手が激しくムチを入れ、ミスターナインワンもそれに応えるかのように脚を伸ばし、最後は1着馬⑨スマートグリフィンよりアタマ差の2着。初勝利まであと少しでした。
ここまで3レースを騎乗し、8着→4着→2着と着実に順位を上げている藤田騎手。4鞍目の第8レース(⑥ポッドジョイ)では、スタートでバランスを崩して落馬しかけたが、何とか持ち直して5着。
第10レースの「マーチスター賞(JRA交流競走)」では、藤田騎手の師匠・根本康広調教師の管理馬⑨レガリアシチーに騎乗。根本調教師とファンの期待に応えたいところでしたが、結果は14頭中ブービーの13着と大敗…。
迎えた第12レースの「沈丁花特別」。⑧ポッドライジングに騎乗した藤田騎手は、先行策に出ます。向正面で2番手につけ、4コーナー手前でポットライジングが先頭に躍り出る。藤田騎手が最終レースでついに初勝利かと思われましたが、②グランヴァンと③トウカイガンバにかわされて、3着でフィニッシュ。初勝利こそは逃しましたが、最終レースで大いに見せ場を作りました。
結局、デビュー初日は第5レースの2着が最高成績。自身の初勝利はJRAデビューの3月5日以降に持ち越しとなりました。レース終了後には記者会見が開かれ、藤田騎手は「本当に勉強になりました。オーナー、調教師、厩務員さんなどみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです」と語り、自身の騎乗ぶりについての問いには「30点くらい」と回答。この日獲得した賞金の使い道は「馬具を買ったり、両親にご飯をごちそうしたい」と話しました。
師匠の根本調教師も「予想以上にうまく乗っていた」と褒め称え、地方競馬界のレジェンド・的場文男騎手からは「あの子は上手い。7000勝するよ」と太鼓判を推していました。7000勝はリップサービスですが。
まずは藤田菜七子騎手、デビュー戦お疲れ様でした。6鞍騎乗して、4回も掲示板圏内に載せ、2回も馬券に絡みました。新人女性騎手とは思えない好騎乗もあり、大健闘だったと思います。第5レースでの2着は惜しかったし、最終レースで藤田騎手の乗った馬が先頭に立ったときは、「来たんじゃないか?」とワクワクしちゃいました。いやぁ~、頑張ったなぁ。
この日の川崎競馬場は、藤田菜七子騎手が活躍する姿を見ようと多くの取材陣が集まり、入場者数も通常の2倍以上という7214人が詰め掛け、売り上げも10億5752万3200円を記録。絶大なる「菜七子フィーバー」に沸きました。
川崎でのデビュー戦を終えた藤田騎手は、今週末にJRAデビュー。5日は中山競馬場第2レース「3歳未勝利戦」の1レースのみ。6日は2レースの「3歳未勝利」、12レースの「4歳以上1000万下」の2レースに騎乗し、ともに武豊騎手と対決するとのことです。久しぶりに誕生した「アイドルジョッキー」の挑戦はまだ始まったばかり。藤田菜七子騎手、初勝利目指して頑張ってください!