GⅠ開催のない11月6日は、東京競馬場で古馬ハンデ重賞のアルゼンチン共和国杯、京都競馬場はダート重賞のみやこステークスが行われました。ジャパンカップとチャンピオンズカップの優先出走権を掴んだ馬はどの馬だ?
東京メイン・第54回アルゼンチン共和国杯(GⅡ・芝2500m)は15頭が出走。昨年はゴールドアクターが勝利し、その後に有馬記念を制覇しました。今年は⑪シュヴァルグラン&⑬ヴォルシェーブの「大魔神コンビ」、2年前の覇者⑧フェイムゲーム、2014年日本ダービー馬③ワンアンドオンリー、昨年のステイヤーズステークスを勝った⑤アルバート、長距離界の新星候補①モンドインテロ、⑥クリールカイザー、⑫レコンダイトなどが参戦しました。
スタートでクリールカイザーが飛び出すと、そのまま先頭を奪う。④ショウナンバッハ・⑨マイネルメダリスト・⑮ムスカテールの3頭が2番手を争い、シュヴァルグランとモンドインテロ、ワンアンドオンリーとヴォルシェーブ、アルバートは中団に位置取り、フェイムゲームは後方でスタンド前を過ぎていった。
1・2コーナーを回り、向正面に入ったところで、クリールカイザー先頭、2番手にムスカテール、ショウナンバッハと⑭フェスティヴイェルが3,4番手並走。5番手マイネルメダリスト、その後ろの6番手にモンドインテロ、外側7番手にシュヴァルグラン。中団の8番手にワンアンドオンリー、9番手⑩プレストウィック、アルバート10番手。11番手②トレジャーマップ、ヴォルシェーブは12番手追走、13番手フェイムゲーム、14番手⑦コスモロビン、レコンダイトが最後方という展開。
3,4コーナー中間を過ぎ、クリカイがマイペースで逃げ、ムスカ2番手は変わらず。外からイェルが3番手に上がる。シュヴァルとインテロはまだ6,7番手。ヴォルシェーヴは外に出し、大外からレコンダイトが進出。
最後の直線コースに差し掛かり、クリールカイザーがまだ先頭だが、馬場の真ん中からフェスティブイェルとムスカテールが迫り、モンドインテロが馬群を割って追い込む。さらに外からシュヴァルグランとヴォルシェーブの「大魔神コンビ」もやってきた。ゴール残り200mを切り、シュヴァルがわずかに先頭、インテロ2番手、3番手ヴォルシェーヴ、アルバートも突っ込んできたが、最後に抜け出したシュヴァルグランが先頭でゴール!2着争いはアルバートとヴォルシェーヴが並んで入線しました。
GⅠへの出世レース・アルゼンチン共和国杯は、単勝2番人気のシュヴァルグランが直線で差し切って1着。4番人気のアルバートが2着に入り、3番人気・ヴォルシェーヴがアタマ差の3着。大魔神・佐々木主浩氏の馬が2頭とも上位に入りましたね~。1番人気のモンドインテロはその後の4着という結果。インテロ鞍上のルメール騎手は、JRAタイ記録の1日8勝を挙げる大活躍。インテロで勝利すれば、「武豊超え」の新記録達成だったんですが…。
シュヴァルグランは今年3月の阪神大賞典に次いで重賞2勝目。友道康夫厩舎はこのレース3頭出しで挑み、シュヴァル1着、ヴォルシェーヴ3着、ムスカテール11着という結果でした。福永祐一騎手・大魔神・友道調教師といったら、秋華賞馬・ヴィブロスと同じ組み合わせですな。今回は約4ヶ月の休み明け、初めての関東遠征&左回り、トップハンデ58キロの斤量でしたが、それらの不安を一掃する完勝。直線の走りはキレがあったし、まだまだ余力があるように感じました。今回の内容ならば、ジャパンカップや有馬記念も期待したくなるなぁ。
京都メイン・第7回みやこステークス(GⅢ・ダート1800m 16頭立て)は、⑦ロワジャルダンと⑩インカンテーションの歴代優勝馬、重賞2勝の⑪アスカノロマン、シリウスステークス3着⑨アポロケンタッキー、2014年ジャパンダートダービー馬④カゼノコの古馬勢と、国内復帰2戦目の①ラニ、レパードステークスを勝った⑥グレンツェント、今年のJDD馬⑤キョウエイギアの3歳馬3頭が参戦しました。
スタート直後の先行争いで、好ダッシュを見せた③モンドクラッセと⑧モルトベーネ、インカンテーションとアスカノロマンの4頭が前を行き、アポロケンタッキー6番手、キョウエイギアとグレンツェントは中団に位置づけ、ラニは後方で1コーナーを回った。
2コーナーから向正面のところで、モンドクラッセが先頭、2番手にインカンテーション、アスカノロマンが3番手を追走。4番手に②メイショウヒコボシ、モルトベーネ5番手。キョウエイギアが6番手に上がり、その後ろの7,8番手の位置にアポロケンタッキーとグレンツェントが並んでいる。9番手⑭マイネルクロップ、10番手ロワジャルダン。⑬メイショウイチオシが11番手に押し上げ、12番手⑯タムロミラクル、13番手⑮サクラエール、⑫ナリタスーパーワンが14番手。15番手カゼノコ、ラニがしんがり追走。やや苦しそう。
3コーナーを回り、クラッセ先頭、インカン2番手、アスロマ3番手。後続からはギアとアポケンが上昇。グレンとロワジャルは7,8番手。ラニはまだ後方でもがいている。
直線に差し掛かり、モンドクラッセが先頭で粘るところ、外からアポロケンタッキーが接近。ロワジャルダンが内を突くと、グレンツェントも襲い掛かる。残り100mでアポケンが先頭に立ち、グレンが外から差を詰めたが、アポロケンタッキーが押し切ってゴールイン!グレンツェントは及ばず2着、ロワジャルダンが3番手でゴールしました。
「古馬VS3歳世代」のみやこステークスは、4番人気の4歳馬・アポロケンタッキーが優勝し、チャンピオンズカップの優先出走権を獲得しました。3歳馬で1番人気だったグレンツェントは外から追い上げるも、クビ差の2着。3着には昨年の優勝馬・ロワジャルダンが入りました。今年の3歳ダート王者・キョウエイギアは7着、3番人気のラニは全く見せ場無く13着、2番人気のクリノスターオーは直線沈んで14着と大敗。ラニは前走のブラジルカップで3着でしたが、この日は全く走れてなかった…。兄のアウォーディーが6連勝でJBCクラシックを勝ったのに…、弟は不甲斐なさすぎです。中京チャンピオンズカップでの兄弟対決は幻となるのでしょうか?
アポロケンタッキーは2度目の重賞挑戦で初制覇を果たし、通算でも7勝目。前走のブラジルカップでは、単勝1.7倍の1番人気に推されながらも8着と人気を裏切りましたが、今回は松若風馬騎手との初コンビで名誉を挽回。57.5キロ→56キロに斤量が下がったのも勝因の一つでしょう。次走のCCは強豪揃いでみやこSより厳しい戦いになると思いますが、意地の走りを見せてほしいところ。
来週は京都競馬場で牝馬日本一決定戦・エリザベス女王杯が行われます。宝塚記念馬・マリアライト、GⅠ2勝のミッキークイーン、府中牝馬ステークスを勝ったクイーンズリング、秋華賞2着・パールコード、シャルール、ウインプリメーラ、ヒルノマテーラ、タッチングスピーチ、プリメラアスール、メイショウマンボなどが登録しています。
秋華賞馬のヴィブロス、桜花賞馬のジュエラーが回避し、ショウナンパンドラも現役引退を表明。今年のエリ女はマリアVSミキクイの2強ムードですかねえ。