

秋のマイル王決定戦・第33回マイルチャンピオンシップ(GⅠ・芝1600m 18頭立て)が20日、京都競馬場で行われました。「アジアのマイル王」モーリスと、安田記念を制したロゴタイプが不在の今年は、2014年皐月賞馬⑧イスラボニータ、元3歳マイル王⑯ミッキーアイル、2年前のマイルCS覇者⑥ダノンシャーク、2014年スプリンターズステークスを制した③スノードラゴンのGⅠ馬4頭のほかに、スワンステークスを勝った②サトノアラジン、重賞2連勝中(関屋記念&富士ステークス)の⑤ヤングマンパワー、京成杯オータムハンデを勝った④ロードクエスト、中京記念優勝⑰ガリバルディ、さらには2年連続2着⑦フィエロ、札幌記念でモーリスを破った⑮ネオリアリズム、①ディサイファなどが参戦しました。
単勝のオッズは、1番人気がサトノアラジン(3.8倍)、2番人気イスラボニータ(4.8倍)、ミッキーアイル3番人気(5.9倍)、4番人気のヤングマンパワー(7.4倍)までが10倍以下。5番人気以降はフィエロ、ロードクエスト、ネオリアリズム、⑩マジックタイム、ガリバルディと続きました。
スタートでミッキーアイル、ディサイファ、⑪テイエムタイホーが好ダッシュを見せる。サトノアラジンは後方から。ポンと飛び出したミッキーアイルが先頭を奪い、ネオリアリズムが2番手につけ、ディサイファ・スノードラゴン・⑫ウインプリメーラが3番手集団を形成し、⑱サンライズメジャーが外の6番手。その後ろの7番手の位置にイスラボニータが追走。中団グループでは、⑭クラレント・サトノアラジン・フィエロ・ヤングマンパワーの4頭が固まり、12番手集団はダノンシャーク・⑨サトノルパン・テイエムタイホーの3頭が並ぶ。後方は15番手ロードクエスト、16番手ガリバルディ、17番手マジックタイム、⑬ダコールが最後方。
外回り3コーナーに差し掛かり、先頭のアイルは前半800mを46.1秒の平均ペースで通過。リアリズムがピタッと2番手追走。サンメジャが単独3番手に上がり、ボニータは6番手、ディサイファ7番手、フィエロ・アラジン・ヤングマンはまだ中団に控えたまま。ロークエは後方のインコース。
4コーナーを回り、勝負は最後の直線コース。ミッキーアイルがまだ先頭をキープするが、ネオリアリズムが外から並びかける。イスラボニータが3番手に上がり、前の2頭を追いかける!さらには内からサトノアラジン、大外フィエロも追い込んできている。ゴール残り100mを切り、アイルとリアリズムが叩き合い、大外からボニータが迫るが、ゴール前でミッキーアイルが盛り返してゴールイン!ミッキーアイルが逃げ粘って1位入線を果たしたが、後方ではアラジンとディサイファが不利を受け、ディサイファが後退してしまった…。
マイルチャンピオンシップ 全着順&払戻金
1着⑯ミッキーアイル 1分33秒1
2着⑧イスラボニータ アタマ
3着⑮ネオリアリズム 3/4馬身
4着⑥ダノンシャーク 3/4馬身
5着②サトノアラジン アタマ
6着⑦フィエロ
7着⑰ガリバルディ
8着⑩マジックタイム
9着④ロードクエスト
10着①ディサイファ
11着⑭クラレント
12着⑫ウインプリメーラ
13着⑪テイエムタイホー
14着⑬ダコール
15着⑱サンライズメジャー
16着⑤ヤングマンパワー
17着③スノードラコン
18着⑨サトノルパン
単勝 ⑯ 590円
複勝 ⑯ 230円 ⑧ 180円 ⑮ 440円
枠連 [4]-[8] 830円
馬連 ⑧-⑯ 1590円
馬単 ⑯-⑧ 3390円
ワイド ⑧-⑯ 600円 ⑮-⑯ 2100円 ⑧-⑮ 1220円
3連複 ⑧-⑮-⑯ 8360円
3連単 ⑯-⑧-⑮ 40290円
ミッキーアイルが1位入線したマイルCSは 最後の直線でサトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークなどの進路が狭くなったことについて審議が行われましたが、到達順位のとおり確定。単勝3番人気のミッキーアイルが逃げ切り勝ちで、2014年NHKマイルカップ以来、2度目のGⅠ勝利を果たしました。2番人気のイスラボニータが2着、アイルと競り合ったネオリアリズムが3着に入り、5歳勢が上位を独占。1番人気だったサトノアラジンは5着、大きく不利を受けたディサイファは10着。メンバー唯一の3歳馬ロードクエストは9着、3連勝でのGⅠ制覇を狙ったヤングマンパワーは16着に終わりました。
2年半ぶりのGⅠ勝ちのミッキーアイルは、今年2月の阪急杯以来の勝利で、重賞6勝目。鞍上の浜中俊騎手は、同レース初勝利で、昨年の秋の天皇賞以来のGⅠ勝利。約1年ぶりにコンビを組んで、アイルに2度目のGⅠ勝利をもたらしました。
アイルはここ最近はスプリント戦線で活躍し、高松宮記念とスプリンターズステークスでは2着でした。久々のマイル挑戦だった今回は、スタートから先頭をひた走り、直線でネオリアリズムに並ばれながらも、「二の脚」で突き放しました。粘って勝利を手にしたアイルには「よく頑張ったな」と言いたいが…。
ところで、今回のマイルCSは、ラスト100mのところで、ディサイファなどが不利を受けるという出来事がありました。最初はイスラボニータが斜行したんじゃないかと思ったんですが、パトロールビデオではミッキーアイルが外側に斜行していたことが判明。派手な斜行だったのにもかかわらず、降着の裁定はなし。昔の降着ルールだったら1位入線→10着に降着でしょう。レース後、アイルに騎乗した浜中騎手に対し、11月26日から12月18日までの23日間、開催8日分の騎乗停止処分が下されました。浜中騎手本人も「僕の責任です」と反省しておりました。多くの競馬関係者、さらにはファンにとっても後味の悪さが残った今年のマイルCSでした。
来週は東京競馬場で国際招待レース・ジャパンカップが行われます。春の天皇賞馬・キタサンブラック、グランプリホース・ゴールドアクター、皐月賞馬・ディーマジェスティ、3歳牝馬・ビッシュ、秋の天皇賞で2着だったリアルスティール、巻き返しを図るルージュバック、アルゼンチン共和国杯を勝ったシュヴァルグラン、サウンズオブアース、トーホウジャッカルなどが登録。海外からはイラプト(フランス)、イキートス、ナイトフラワー(ともにドイツ)の3頭が来日しています。日本現役最強馬を決める大一番、非常に楽しみです!




