2016年のJリーグ年間王者決定戦「明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ」は23日、等々力陸上競技場で「川崎フロンターレVS鹿島アントラーズ」の準決勝が行われました。「90分延長なし」の一発勝負の準決勝は、年間2位の川崎は引き分けでも決勝進出、第1ステージ王者で年間3位の鹿島は勝利が絶対条件です。今季リーグ戦では川崎の1勝1分け。年間1位・浦和レッズが待つ決勝に駒を進めたのは?
[川崎フロンターレ]
GK 1 チョン・ソンリョン
DF 18 エウシーニョ
DF 5 谷口彰悟
DF 23 エドゥアルド
DF 20 車屋紳太郎
MF 28 板倉滉
MF 21 エドゥアルド・ネット
MF 6 田坂祐介
MF 26 三好康児
FW 16 長谷川竜也
FW 13 大久保嘉人
[鹿島アントラーズ]
GK 21 曽ヶ端準
DF 22 西大伍
DF 14 ファン・ソッコ
DF 3 昌子源
DF 16 山本脩斗
MF 6 永木亮太
MF 40 小笠原満男
MF 25 遠藤康
MF 11 ファブリシオ
FW 8 土居聖真
FW 33 金崎夢生
前半3分に川崎が先にチャンスを作り、右サイドの長谷川クロス→ゴール前の大久保が右足で叩きつけたが、クロスバーの上。鹿島も14分に土居が小笠原のロングパスに反応してシュートを打ったが、GKに抑えられる。前半19分、川崎は自陣からロングフィード→長谷川が抜け出してチャンスを迎えたが、ボールを追いかける最中に左太もも裏を痛めて倒れこんでしまう。長谷川は担架で運ばれ、MF中村憲剛が急遽ピッチに入る。川崎は前半に交代枠を1枚使う羽目に…。
22分、川崎は憲剛のパスを受けた大久保が右足ミドルを放つが、GKにパンチで防がれる。その直後、鹿島がカウンターを仕掛け、ファブリシオがドリブルで2人をかわして右足を振り抜いたが、シュートはGKの正面。鹿島は24分に西が右サイドから強烈なミドルを打ったが、これもGKにセーブされた。
その後、川崎は38分に板倉がシュートを放つも枠外。鹿島は前半アディショナルタイム前にペナルティエリア付近でFKを獲得し、永木が直接狙うもゴール左に逸れて得点ならず。前半は両チーム無得点で終了。
後半5分、試合が動きます。鹿島は左サイドのスローインから、山本が左足でクロスを上げ、ニアサイドにいた金崎のヘディングシュートがゴール右隅に吸い込まれる!アウェー・鹿島が先制点を奪った!
追う展開となった川崎は、後半14分に三好のスルーパス→憲剛がDFをかわして右足シュートを放ったが、左のサイドネットに当たってノーゴール。後半18分には左サイドでFKを獲得し、憲剛センタリング→ニアサイドのエウシーニョが少し変化をつけ、ゴール前で見方選手たちが飛び込んだが、鹿島GK曽ヶ端が先にクリア。後半22分、DF田坂に代えてDF登里享平が投入される。その直後にエウシーニョ→大久保と繋ぎ、憲剛の左足シュートは枠外。24分には左サイドで登里がPA内に進入してシュートを狙うが、わずかにゴール左。26分、登里がドリブルで左サイドを突破し、グラウンダーのクロスを入れたが、鹿島DFにクリアされた。
残り15分を切り、鹿島は後半30分にファブリシオ→三竿健斗、川崎は32分に板倉→森本貴幸を投入。鹿島1点リードのまま迎えた後半43分、川崎はPゴール正面の位置からDF谷口がシュート→ボールが相手DFに当たって変化→ゴール前に大久保がいたが、ボールを触れず。
後半アディショナルタイム、鹿島はカウンターから途中出場・赤崎秀平が左サイドを突破するが、川崎GKチョン・ソンリョンがPAから飛び出してスライディングクリア。セカンドボールを三竿が拾うと、無人のゴールに向かってロングシュート。しかし、ゴール前で川崎DF谷口が間一髪クリア。後半49分には赤崎→金崎がシュートを打つも、金崎がハンド。
後が無くなった川崎は、終了間際の後半50分にエウシーニョが右サイドからクロスを上げ、谷口がヘディングシュートを放ったが、枠を捉えることができず。試合はこのまま1-0で終了し、鹿島が逃げ切りました。
一発勝負のCS準決勝は、年間3位の鹿島アントラーズが2位の川崎フロンターレを下して決勝に進出しました。後半5分の金崎選手のヘディングシュートで均衡を破ると、堅い守りで川崎の猛反撃を退け、1点のリードを守り切りました。CS準決勝は昨年のガンバ大阪に続き、アウェーのチームが勝利ということになりました。決勝進出を果たした鹿島は、CSファイナルで年間1位・浦和レッズと対戦します。
鹿島は第1ステージを制したあと、第2ステージは苦戦を強いられました。8月の湘南ベルマーレ戦で金崎選手が途中交代にキレて、試合中にも関わらず石井正忠監督と口論。対立騒動から数日後には石井監督が心労で一時休養、第14節から最終節までは泥沼の4連敗。6勝2分け9敗と負け越し、順位も11位と振るわず。
これじゃあCSでも勝てないと思われましたが、アウェーで川崎を撃破。一発勝負の試合には強いし、経験の差が出ましたねえ…。決勝点を決めた金崎選手は「石井監督を中心にチームがまとまった」とコメント。エースが大事な試合で得点を挙げたことで、チームも上向きになりそうな予感だ。
川崎は同点に追いつこうと攻め続けたんですが、本当に1点が遠かった…。憲剛選手、登里選手の惜しいシュートがあれば、後半AT前の決定的な場面では大久保選手が足を伸ばせず…。今季の川崎はタイトルが取れるんじゃないかと期待していましたが、第1ステージで優勝に王手をかけながらもV逸、年間総合1位争いでも浦和に勝ち点2差の2位。CSでも鹿島に敗れてしまいました。川崎フロンターレは大一番になると弱いよなぁ…。リーグ優勝を逃したけど、まだ天皇杯が残っています。無冠返上は何時になるのやら?
11月29日から始まるJリーグチャンピオンシップの決勝は、浦和レッズVS鹿島アントラーズという、ステージ王者同士の対決となりました。29日はカシマサッカースタジアムで第1戦、12月3日は埼玉スタジアム2002で第2戦が行われます。浦和は10年ぶり、鹿島は7年ぶりのリーグ優勝がかかっています。CS決勝も寒さを吹き飛ばすような熱い戦いに期待したいです!