4年に一度の冬の祭典「2018平昌冬季オリンピック」が9日に開幕!1998年の長野大会以来20年ぶりのアジア開催となる今大会は、92の国と地域、さらには個人資格のロシア人選手が出場します。平昌五輪スタジアムで行われた開会式では、安倍晋三首相、ムンジェイン大統領の他に、北朝鮮から金正恩委員長の妹・金与正氏も出席。そして、聖火の最終走者が誰だったのか?
鐘の音からスタートした開会式は、韓国国旗入場の場面では、プロゴルファーのパク・セリさん、韓国と日本のプロ野球で活躍した李承燁さん、バルセロナ五輪男子マラソン金メダリストのファン・ヨンジョさんなどが登場。
選手の入場行進で、五輪発祥国のギリシャが先頭で入場すると、バミューダ選手団は「バミューダパンツ」で行進すれば、トンガは旗手のピタ・タウファトフア選手(クロスカントリースキーに出場)が上半身裸で登場し、会場を大いに沸かせました。極寒の中、バミューダとトンガが気合いを見せる中、日本は62番目に登場し、旗手の葛西紀明選手を先導に97人が行進。その中には女子スキージャンプの高梨沙羅選手や、カーリング女子代表もいました。なお、日本選手団主将の小平奈緒選手らスピードスケート組は欠席しております。
組織的ドーピングが問題となっているロシアは、国としての五輪参加が認められず。個人資格で参加する選手たちは「OAR(OLYMPIC ATHLETE FROM RUSSIA=ロシアからの五輪選手)」の一員として五輪に挑みます。「ロシア代表」ではないため、国旗と国歌が使われず、その代わりに五輪の旗とオリンピック賛歌が演奏されます。さらにはロシアを連想させるユニフォームもNGです…。
最後に登場した開催国・韓国選手団は、北朝鮮の選手と共に行進。朝鮮半島が描かれた統一旗を掲げ、南北融和をアピールしました。南北合同行進は2006年トリノ大会以来。今大会では女子アイスホッケーの南北合同チームが結成され、2月14日の予選リーグで女子日本代表(スマイルジャパン)と対戦します。
開会式のクライマックスである聖火点火のシーン。元ショートトラック選手が会場に現れると、ロンドン五輪女子ゴルフ金メダルのパク・インビ選手→元サッカー韓国代表のアン・ジョンファン選手と繋ぐ。韓国と北朝鮮の女子アイスホッケー選手が一緒に聖火台への階段を駆け上がり、最後に現れたのは、元フィギュアスケート選手のキム・ヨナさんだ!トーチを渡されたキムヨナは、しっかりと聖火台に点火。かくして、17日間の熱戦の火ぶたが落とされました。
いよいよ始まりましたね~。開会式を見て、チマチョゴリで太鼓を叩く女性たちが美しくてかっこよかったのもあれば、選手入場もK-POPで楽しめました。BIGBANGにTWICE、PSYの「江南スタイル」が使われてたのに対し、KARAや少女時代や東方神起はなかったなぁ。それに日本でも知られている韓国人のレジェンドアスリートが結構出ていて、キムヨナさんが最終走者に選ばれたのは「やっぱこの人しかいないな!」という感じでした。逆に安貞桓さんの今の姿にビックリ。日韓W杯やJリーグにいた時はサラサラのロングヘアと韓流スターみたいな顔立ちだったのに、今では中年太りのおっさんにしか見えんかった…。
今回の一番のサプライズは、金正恩の妹が開会式に出席したということか。金日成主席の直系の家族が韓国入りしたのは初めてとのことです。翌日にはムンジェイン大統領とのランチ会食も予定されているそうで、これがきっかけで南北首脳会談が実現するという事もあるかも。北朝鮮はこの五輪のために「三池淵管弦楽団」と「美女応援団」を派遣していますが、平壌では開会式前日に軍事パレードが行われました。五輪期間中にミサイルを発射することは無いよな?
さて、開会式の前からすでに一部の競技が行われています。開会式前日の8日は、スキージャンプの男子ノーマルヒルの予選が行われ、4人が出場した日本勢は、エースの小林潤志郎選手が18位、葛西紀明選手が20位、小林陵侑選手が21位、伊東大貴選手が31位で予選を通過しました。
前回のソチ大会で2つのメダルを獲得した葛西選手は、今回が8度目の五輪出場ですが、予選ではスーツのチャックが全開になった状態で飛んだことを告白。45歳の「レジェンド」が平昌でまた一つ伝説を残しました?10日の決勝ではスーツのチャックを閉め忘れないでくださいね!
フリースタイルスキー・モーグルは予選が行われ、男子は堀島行真選手が5位(80.35点)、原大智選手が6位(80.01点)で予選通過。遠藤尚選手は75.73点で13位、西信幸選手は75.17点で16位に終わり、予選2回目で決勝ラウンド進出を目指します。女子では村田愛里咲選手が74.13点で9位に入り決勝ラウンド進出を決めています。モーグルは11日に女子決勝、12日に男子決勝が行われます。
フィギュアスケート団体戦は、男子ショートプログラムに出場した宇野昌磨選手が躍動。最初の4回転フリップで手を着くも、フライングキャメルスピン→ステップシークエンスの後、4回転トーループ&トリプルトーループのコンビネーションを成功。最後のトリプルアクセルもしっかりと決めて見せます。難易度の高いジャンプでポイントを稼いだ宇野は、足変えシットスピン、コンビネーションスピンでフィニッシュ。演技終了後にはフッと笑顔を見せた宇野は、103.25の高得点を記録。最高の形で五輪デビューを飾りました。
男子SPには個人戦メダル候補のネイサン・チェン(アメリカ選手)、パトリック・チャン選手(カナダ)、ミハイル・コリヤダ選手(OAR=ロシア)が参戦。しかし、パトリックは4回転と3回転で転倒し、81.66点と伸びず。ネイサンはミス連発で80.61点、コリヤダもジャンプの失敗が相次いで74.36点に終わりました。唯一の100点台を記録した宇野選手が、2位のオレクシイ・ビチェンコ選手(88.49点)に約15点の大差をつけて圧勝しました。
男子SPの後に行われたペアSPは、須崎海羽&木原龍一組が出場し、57.42点の自己ベストを記録。10チーム中8位で3点を獲得。日本は1日目を終えて13点を獲得し、OARと並んで3位タイにつけています。団体戦の2日目はアイスダンス、女子SP、ペアフリーが実施。女子SPには宮原知子選手が出場します。
宇野選手、初めての五輪で堂々たる演技を見せました。最初のジャンプでお手つきした以外は、ジャンプもスピンも安定しておりました。パトリックとネイサンといった普段なら100点台を出す力を持っている選手が、失敗続きでスコアを伸ばせない中、宇野選手だけが100点越え。この種目で明暗が大きく分かれたなあ。今度の個人戦では、4回転フリップを完璧に決めて、メダルを獲得できるか期待したいですね。できれば、羽生結弦選手とのダブル表彰台が見たい。