日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

女子フィギュアはロシア勢のワンツー!宮原知子と坂本花織も大健闘!

2018年02月23日 | Sports

大詰めを迎えている平昌冬季オリンピック。23日はフィギュアスケートの女子個人フリースケーティングが行われました。2日前のショートプログラムでは、15歳のアリーナ・ザギトワがSP世界最高得点の82.92点を叩き出して首位、エフゲーニャ・メドベージェワが81.61点で2位。金メダル争いは個人資格のロシア人選手に絞られた。 カナダのケイトリン・オズモンドが3位、日本の宮原知子が4位、坂本花織選手が5位。上位5人はみんな自己ベスト記録を更新。後半のフリー演技、表彰台の行方はどうなった?



最終グループは、宮原、コストナー(イタリア)、坂本、ザギトワ、オズモンド、メドベージェワの順番で滑走。

最終グループの1人目に登場した宮原知子、SPに続いてフリーでもノーミスの演技で表彰台を掴みとれるか?曲は「蝶々夫人」。
冒頭の3回転ループを綺麗に決めてくると、3回転ルッツ&3回転トーループのコンビネーション、3回転フリップもしっかり着地。フライングキャメルスピン、左右のスピン技で技術点を稼ぎ、伸びやかで優雅なステップシークエンスで観客を魅了させる。後半に入り、3回転ルッツ→ダブルトーループ→ダブルループの3連続ジャンプを成功。さらにはダブルアクセル&3回転トーループのコンビ、3回転サルコウも丁寧に着地。終盤はコレオシークエンス、ダブルアクセル、、レイバックスピンと繋いでフィニッシュ。その直後に渾身のガッツポーズ!
全てのジャンプを成功させ、フリーでもミスなしで演じ切った宮原。フリーの得点は146.44点(技術点75.20点、演技構成点71.24点)。フリーでも自己ベストを更新し、総合でも222.38点の高得点を記録しました。


続いて登場したのは、ソチ五輪銅メダリストのカロリナ・コストナー。31歳の大ベテランですが、大人のスケーティングで勝負します。
最初の3回転ルッツは高さがあったが、その次の3回転フリップで着地にバランスを崩し、コンビネーションに持ち込めず。3回転ループ、フライングキャメルスピン、足換えコンビネーションスピンのあと、3回転トーループは何とか着地。ダブルアクセル→シングル→3回転サルコウもギリギリクリア。ダブルアクセル、3回転サルコウ&ダブルトーループも成功。ラストはコレオシークエンス、ステップシークエンス、足換えシットスピン。
前半のミスはあったものの、後半は挽回できたコストナー。得点も139.29点(技術点63.64点、演技構成点75.65点)、合計212.44点。連戦の疲れを感じさせず、ベテランの円熟味を出し切った。


3人目はSP5位の坂本花織。全日本選手権2位、四大陸選手権優勝と勢いに乗る日本の新星。4年後の北京五輪に向けて、最高の演技を見せたいところ。
パントマイムのようなかわいらしい振付でスタートした坂本は、ステップで一気に加速してから、3回転フリップ&3回転トーループのコンビネーションを成功。これで勢いをづけた坂本、3回転サルコウも決めると、キレのあるステップシークエンスも見せる。後半はマリオネットからのフライングシットスピンを出したあと、高さのある3回転ルッツ、3回転&2回転のコンビネーション、ダブルアクセル→3回転トーループ→ダブルトーループの3連続ジャンプを次々と決めてくる。しかし、3回転ループで着地が乱れてしまう。それでも次のダブルアクセルはしっかりと着地を決め、ラストは回転力のあるフライング足換えコンビネーションでフィニッシュ。
ミスはあったものの、笑顔で演じ切った坂本花織。フリーの得点は136.53点(技術点68.42点、演技構成点68.11点)、合計209.71点。コストナーの得点よりは下回ったが、初めての五輪で入賞を決めました。


ここからはSP上位3選手が続々と登場。4人目は首位のザギトワ。フリーでも圧巻のパフォーマンスで金メダルを確実なものにできるでしょうか?
使用曲「ドン・キホーテ」のオープニングからノビノビとした動きを見せ、コレオシークエンス、レイバックイナバウアー、フライングキャメルスピン、ステップシークエンスと前半はステップ技中心。ジャンプをたくさん用意している後半、まず最初にコンビネーションを試みたが、トリプルルッツで着地がブレて単独のジャンプに。次のダブルアクセル&3回転トーループのコンビはしっかりと着地。3回転フリップ→ダブルトーループ→ダブルループの3連続では、3回転の高さが目だつ。レイバックスピンの後の3回転ルッツを決めると、3回転ループのコンビネーションに持ち込んできた。3回転サルコウは両手を上げ、3回転フリップもバンザイ。最後はダブルアクセル、スピン技で終了。ザキトワの完璧な演技に場内から大歓声&スタンディングオベーション!
フリーでも圧巻の演技を見せたザギトワの得点は、156.65点(技術点81.62点、演技構成点75.03点)。これは宮原を上回った!合計239.57点で暫定トップに浮上。この時点でザキトワのメダルは確定!


5人目はSP2位のオズモンド。団体戦金メダルに続き、個人でもメダル獲得を狙います。使用曲「ブラックスワン」と同じく、黒い衣装を着用です。
冒頭の3回転フリップ&3回転トーループのコンビネーションは流れるような跳躍。続くダブルアクセル&3回転トーループも丁寧なジャンプ。ただ、3つ目の3回転ルッツは着地が乱れてしまう。フライング足換えコンビネーション、レイバックスピンを見せた後、3回転ループ、3回転フリップ、3回転サルコウ→ダブルトーループ→ダブルループの3連続、ダブルアクセルと後半4つのジャンプを全て成功させる。終盤はステップシークエンス、コレオシークエンス、足換えコンビネーションスピンで終了。
力強いステップと安定したジャンプを披露したオズモンドの得点は152.15点(技術点76.50点、演技構成点75.65点)。総合得点でも
231.02点をマーク。宮原を抜いて暫定2位、宮原は3位に後退。

最終演技者はメドベージェワ。世界選手権2連覇中の女王が、大トリで逆転金メダルとなるか?
「アンナ・カレーニナ」の笑い声の効果音で驚きの表情を見せたメドベージェワ。3回転フリップ&3回転トーループのコンビネーション、3回転ルッツで片手を上げながらジャンプ。フライング足換えコンビネーションも全く乱れず、ステップシークエンスも滑らかな動き。後半最初の3回転フリップ、3回転ループ、3連続2回転ジャンプ、3回転サルコウ&3回転トーループも確実に決める。この後、ダブルアクセル、コレオシークエンス、2つのスピン技で締め括った。演技が終わった瞬間、メドベージェワが思わず涙。
右足骨折から間に合い、フリー最終演技者としての重圧を乗り越えたメドベージェワ。逆転金メダルには約158点が必要だが、気になる得点は156.65点(技術点79.18点、演技構成点77.47点)。ザキトワと同じ点数!総合でも238.26点とザキトワに及ばず…。


フィギュアスケート 女子個人 最終結果 
金メダル:アリーナ・ザギトワ(OAR)
(ショート:82.92点、フリー:156.65点、合計239.57点)
銀メダル:エフゲーニャ・メドベージェワ(OAR)
(ショート:81.61点、フリー:156.65点、合計238.26点)
銅メダル:ケイトリン・オズモンド(カナダ)
(ショート:78.87点、フリー:152.15点、合計231.02点)
4位:宮原知子(日本)
(ショート:75.94点、 フリー:146.44点、合計222.38点)
6位:坂本花織(日本)
(ショート:73.18点、フリー:136.53点、合計209.71点)



フィギュアスケート女子個人は、15歳のザギトワ選手が金メダル、メドベージェワ選手が銀メダルを獲得し、ロシア勢が1,2フィニッシュ。銅メダルはカナダのオズモンド選手。日本の宮原選手は4位入賞、坂本選手は6位入賞。日本勢のメダル獲得はなりませんでしたが、自分自身の持てる力は出し切れたのではないかと思います。
男子では日本勢が金銀を独占しましたが、女子はロシア勢が強かったですねえ。ザギトワ選手は昨年の世界ジュニア選手権で本田真凛選手を抑えて優勝。その実績を引っ提げて今季シニアデビューを果たし、いきなりグランプリファイナルで優勝すると、五輪ではSP世界最高得点、トータルでも自己ベストを更新しての金メダル獲得です。前半はステップ中心、後半はジャンプ技を多用して見事な逃げ切り。ただ、「後半にジャンプを入れすぎ」の批判の声が殺到したため、国際スケート連盟は「後半のジャンプを制限する」といったルールを提案しているとのことです。
メドベージェワ選手も高い表現力と安定した演技を見せたけど、惜しくも銀メダル。五輪前に右足を骨折してGPファイナルを欠場。ロシアのドーピング問題などもありましたが、試練を乗り越えてのメダルです。ザギトワ選手とメドベージェワ選手は共通点がいくつかあり、モスクワのクラブチーム「サンボ70」に所属し、コーチも一緒(エテリ・トゥトベリゼ。愛称は鉄の女)、しかも日本が大好きで、個人戦が始まる前は新潟で合宿を行いました。シーズンオフには来日するだろうねえ。
宮原選手は本当に惜しかったですね。ショートとフリーで大きなミスも無く、自己ベスト記録を更新。演技後のインタビューでは「やれることは全て出来た」と納得の表情でした。1年前は左股関節の疲労骨折に苦しんでいただけに、よくここまで復活できたなって思います。来月の世界フィギュアではメダル獲得を目指して頑張ってほしいです。
坂本選手も初めての五輪で頑張りました。団体戦では持ち前の力を出せませんでしたが、個人戦では明るい笑顔が見られました。今季大ブレイクを果たした坂本選手、この経験を糧に更なる活躍と成長を願っています。


フィギュアスケートは全ての競技が終了し、25日はメダリストや上位選手が参加するエキシビションが行われます。日本からは羽生結弦選手と宇野昌磨選手、宮原知子選手の3人が出場。男子個人で2連覇の羽生選手は大トリで登場です!