ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

おしらせです(2022年11月24日)

2022年11月24日 14時05分45秒 | 本と雑誌

 管理人の権限を利用して、お知らせです。

 有斐閣から「行政判例百選I」および「行政判例百選Ⅱ」の第8版が11月に刊行されました。

 「行政判例百選I」の「77 公務員懲戒処分と裁量審査」が、私の担当部分です。お読みいただければ幸いです。

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植草甚一日記 1970年

2022年11月01日 16時30分00秒 | 本と雑誌

 先日、古書で『植草甚一読本』(晶文社)を入手しました。

 まだ学部生か院生であった頃に、晶文社から刊行されていた「植草甚一スクラップ・ブック」の『植草甚一日記』を購入し、よく読んでいました。たしか花田清輝氏の解説が付いており、その解説にも書いていたと記憶していますが、読んでいるとやる気になるような何処かを歩きたくなるような、不思議な気分になるものでした。

 『植草甚一日記』には1945年1月1日から8月15日までの日記と、1970年1月1日から12月31日までの日記が掲載されていました。『植草甚一読本』には1970年の日記のみが掲載されていますが、読んでいると、何となく、当時の東京の様子が浮かんでくることがあります。私は1968年生まれなので、1970年といえばまだ2歳、東京の様子を目にしたところで記憶しているはずもないのですが、1970年代後半の記憶が蘇ったのかもしれません。

 大阪万博など目もくれず、東京の神保町、経堂、三軒茶屋、渋谷、六本木など各所へ行き、時には京都などへ足を運んで古本や洋書を漁りまくり、そして原稿執筆に明け暮れる日々が綴られています。こうした生活の様子が当時の若者の人気を集めたというのも理解できます。実際、街を歩く様子を読めば、うらやましくもなるのです。今、古本屋が少なくなっているから、余計にそう感じるかもしれません。

 植草氏の文体は独特で、東京の下町育ちらしい言葉遣いもふんだんに現れながら或る種の気品があるものです。文章というよりは語りに近いと言えるかもしれません。『植草甚一読本』に収録されている「植草甚一自伝」はその典型ですが、ジャズ、映画、英米の文学などに関する文章もそうです。ちなみに、植草氏はピーナツブックス、そう、チャーリー・ブラウンやスヌーピーなどが登場する漫画に、かなり早くから注目し、読んでいたようです。

 時々、日記と銘打った本を買って読むことがあります。公刊する以上、私的な日記ではなくなり、著者の実際から多少とも離れ、脚色されたりして、虚実が入り交じることもあるでしょう。それでも、日記には著者の本音などが示されたりするものですから、読み返して新たな発見があったりするものです。

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面白いフレーズ 3

2022年06月13日 00時30分00秒 | 本と雑誌

 犬と鳥は自分でビタミンCを作ることができるのでしょうか。

 スヌーピーがウッドストックに、次のように言います。

 Human beings cannot manufacture their own vitamin c.

 続けて、

 Neither can Guinea Pigs, Monkeys, an Indian Fruit Fly nor the Bulbul Bird!

 それから、スヌーピーとウッドストックは大笑いします。 

 ウッドストックが何の種類の鳥なのかは結局わからずじまいですが、ビーグル犬は自分でビタミンCを作ることができるのでしょうね。

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おしらせです(2022年4月13日)

2022年04月13日 00時00分00秒 | 本と雑誌

 管理人の権限を利用して、おしらせです。

 清文社から、石村耕治編「税金のすべてがわかる現代税法入門塾」〔第11版〕が発売されます(https://store.skattsei.co.jp/book/products/view/1932)。

 私は、この本の第7版から執筆者の一員に加わっています。勿論、この第11版も、です。

 御一読をいただければ幸いです。

 なお、この本は、私が月曜日に担当する講義「税法A」、「税法B」、「法学特殊講義2A」および「法学特殊講義2B」の教科書としております。

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おしらせです(2022年4月3日)

2022年04月03日 18時00分00秒 | 本と雑誌

 管理人の権限を利用して、おしらせです。

 まだ地方自治総合研究所のサイトには掲載されていませんが、公益財団法人地方自治総合研究所の「地方自治関連立法動向第8集 第200臨時会〜第202臨時会」が、2021年12月付で発行されました。

 この中に、私が書いた次の4本の論文が掲載されています。

 「地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律(令和2年2月5日法律第1号)」

 「地方税法等の一部を改正する法律(令和2年3月31日法律第5号)」<月刊自治総研2020年11月号より(一部修正)>

 「地方交付税法等の一部を改正する法律(令和2年3月31日法律第6号)」

 「地方税法等の一部を改正する法律(令和2年4月30日法律第26号)」

 御一読をいただければ幸いです。

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おしらせです(2022年4月1日)

2022年04月01日 21時00分00秒 | 本と雑誌

 管理人の権限を利用して、おしらせです。

 地方自治総合研究所から刊行されている雑誌「自治総研」の最新号(2022年3月号。通巻521号)が刊行されました。

 この中に、私の「地方税法等の一部を改正する法律(令和3年3月31日法律第7号)(地方自治関連立法動向37)」が掲載されています(37〜62頁)。お読みいただければ幸いです。

 また、この雑誌は、地方自治総合研究所のサイトでもPDFファイルで見ることができますので、御覧いただけば幸いです。

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或る本を読んで、複雑な気分になった

2021年09月25日 17時46分00秒 | 本と雑誌

 先日、刊行されたばかりの駒込武編『「私物化」される国公立大学』(岩波ブックレット)を入手し、読みました。

 2004年4月に国立大学が独立行政法人化され、その後に公立大学も地方独立行政法人化され、いくつかの大学においてかなり大きな問題が生じています。その詳しい内容はここに記しませんので最初の行に記した本をお読みいただきたいのですが、その本の中に大分大学が登場し、一章を割かれています。しかも、同書において、石原俊氏の言葉である「大学自治破壊の最先端」という表現も使われているのです。

 大分大学については、2020年にもインターネットの記事で問題が取り上げられており、2004年3月までの関係者として「やはり」と思っていました。2003年10月に大分大学と大分医科大学が統合したのですが、その頃から、そして2004年3月の卒業式で「???」という出来事があったからです。

 実は知らなかったのですが、同書の52頁には大学院福祉社会科学研究科の廃止についての記述があります。同研究科のサイトには大学院福祉健康科学研究科の新設という記事があり、改組に伴う廃止ということのようです。大学院福祉社会科学研究科は2002年4月に新設されており、私も最初の2年間に同研究科を担当していました。そのため、何とも複雑な気分になりました。

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面白いフレーズ(続)

2021年06月16日 02時00分00秒 | 本と雑誌

 妻が買ってきたお菓子にPEANUTSの4コマ漫画が掲載されていて、そこに面白いフレーズがありました。またライナスの台詞で、チャーリー・ブラウンに対して次のように言います。

 The secret of life is to hang around people who don't know the difference!

 スヌーピーに言わせればあの丸頭の男の子に向かっての言葉なのか、何処かで何かがズレてしまったような言葉ですが、最後のコマでOr whatever.とあり、「結局はどうでもよいのか!?」、「人生に秘訣なんてないのだろう?」と思わせられます。

 実のところ、私は小学校2年生の時にスヌーピーを知り、3年生になってからPEANUTSを日本語版(谷川俊太郎氏の訳で、鶴書房から発売されていました)を読み始めました。1977年のことです。それから今まで、この漫画を読んでいます(日本語、英語は当然として、ドイツ語でも読んだことがあります。ちなみに、原作ではフランス語もよく登場します)。しかし、全部を読んだ訳でなく、時期によって繁閑の差がありますので(鶴書房が倒産してしばらくしてから角川書店が刊行しましたが、鶴書房ほど熱心ではなかったように見受けられました。一時期、週刊朝日にも掲載されていました)、フリーク、マニアと言えるほどではないのですが、ファンではあると言えるでしょう。とにかく台詞が面白いですし、台詞のない漫画(PEANUTSではよくあることです)も興味深いものがあります。

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山本義隆『リニア中央新幹線をめぐって 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す』

2021年05月18日 23時51分35秒 | 本と雑誌

 今日、板橋校舎の中にある書店で、タイトルに示した本を買いました。みすず書房から、今年の4月に刊行されたばかりの本です。

 今年に入ってからリニア中央新幹線関連の本を3冊買いました。タイトルに示した本、川辺謙一『超伝導リニアの不都合な真実』(2020年、草思社)、船瀬俊介『リニア亡国論』(2018年、ビジネス社)です。このうち、船瀬氏の本は取材の深さなどの面であまりおすすめできるものではないのですが、山本氏と川辺氏の著作はおすすめできます。

 川辺氏の本は、技術的な面、現在の東海道新幹線との比較の他に、山梨県にある試験線での試乗体験などが盛り込まれており、説得力もあります。私は宮崎県にあったリニア実験場を見たことがありますが、山梨県にある実験場には行ったことがなく、試乗する気もなかったのですが、仕組みや試乗体験を読み、ますます利用する気がなくなりました。ジェット旅客機の離陸・着陸と同じかそれ以上のショックを体験したいとは思いません。

 一方、山本氏の本は、橋山禮治郎氏、上岡直見氏の著作などからの引用も多く、正直なところ目新しさには乏しいのですが、既存の新幹線や高速道路が引き起こしたストロー現象、超電導リニアモーターカーが原子力発電所の再稼働(そればかりか増設)を前提にするようなもので省エネルギーに反すること、技術面のみならず社会・経済の面などからも時代遅れのものであることが、静岡県知事が反対する前から山梨県などで建設による深刻な環境破壊(地下水の枯渇など)がもたらされていること、などが手際よくまとめられています。COVID-19の拡大により、人々が敢えてあちらこちらへ移動しなくとも仕事などができるようになったことなども書かれています。山本氏の著作では、リニア中央新幹線が東京圏、名古屋圏および大阪圏(とくに東京圏)への人口・経済基盤の集中、さらに言えば東京圏の拡大を前提としていることなどが書かれており、それがCOVID-19で時代遅れになりつつある旨が書かれています。また、調布市で発生した陥没事故(圏央道の工事が原因と言われています)を取り上げ、大深度地下工事の問題点も鋭く指摘しています。

 なるほど、と思いました。たしかに、2020年度、大東文化大学はもとより多くの大学でオンライン授業が行われることにより、敢えて故郷を離れて東京の何処かに一人暮らし用の部屋を借りたりする必要がなくなったとも言えます。実際に、そのような学生がいました。思い起こせば、新幹線のさらなる高速化、航空便の発達、高速道路網の充実などで日帰り出張が増える、日本のあちらこちらに支店を設ける必要がなくなるなどと言われた時代がありました。要するに東京一極集中を進めるような方策などが、経済界において説かれてきたのです。そして、東日本大震災で新幹線も航空便も高速道路網も役に立たず、救援物資の輸送に大活躍したのが赤字ローカル線であったことなどは、山本氏の本でも書かれているだけでなく、上岡氏も指摘されていたことです。東日本大震災の後にいち早く復旧したのが三陸鉄道であったというのも、忘れられてはならないことでしょう。

 新幹線は多くの在来線とレールの幅が異なるので、貨物列車を直通運転することができません。同じようなことは、法規上は在来線として扱われる山形新幹線および秋田新幹線にも言えるでしょう。実はどちらも利用したことがないのでよく知らないのですが、山形新幹線と言われる福島〜新庄は奥羽本線の一部であり、新幹線と同じ1435mmの軌間となっているので、在来線の貨車を走らせることはできません。機関車についても同じです。新庄〜大曲は1067mmの軌間ですから、奥羽本線は分断されているようなものです。また、秋田新幹線の場合は、盛岡〜大曲の田沢湖線が1435mmの軌間ですから、やはり在来線の貨車や機関車を走らせることができません。また、大曲〜秋田は奥羽本線の一部で、元々は複線でしたが、現在は在来線の単線と新幹線の単線が並べられているだけという所が多いそうです(三線軌条の箇所もあるそうです)。一時期、フリーゲージトレインが声高に主張されたのですが、実際に走らせているスペインの技術を参考にすればよかったようなものなのに、頑なに日本独自の開発にこだわったせいなのか、実現は不可能に近いようです。

 東海道・山陽新幹線では貨物列車の運行も想定されていたそうですが、日本全国津々浦々まで走らせることはできませんから、結局は積み替えが必要となり、効率的でないという場合が多くなります。青函トンネルのように三線軌条にするという手もありますが、即座にできるものではないので準備期間が必要ですし、メインテナンスも大変でしょう。

 まして、リニア中央新幹線は在来線とも新幹線とも全くシステムが違うので、直通運転などできません。融通が利かないのです。貨物輸送は最初から想定されていなかったでしょうし、現実的にも無理でしょう。手荷物輸送や郵便輸送が関の山です。宅配便の輸送には鉄道も使われますが、リニアモーターカーで大量に宅配便を輸送することも考えられてこなかったはずです。旅客のみが念頭に置かれ、貨物は最初から対象とされていなかったであろうという点において、リニア中央新幹線は航空機にも劣る輸送手段であると言えます。

 山本氏も人口減少社会にリニア中央新幹線は不要であると述べています。また、高度経済成長期の思考を引き摺っているという趣旨も書かれています。リニア中央新幹線構想への批判に共通する視点です。成功体験に囚われているという訳で、まさに「成功は失敗のもと」であると言えるでしょう(安藤忠雄氏も同じことを言っておられます)。

 ※※※※※※※※※※

 学部生時代以来、みすず書房の刊行物を買っていました。歴史などについて良質の本が多いですし、私にとってはカール・シュミット(阿部照哉・村上義弘訳)『憲法論』という存在があります。最近は同社の本をあまり目にしなくなっていたので、久しぶりに手に入れました。

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様々なことを考えさせられる本

2021年03月07日 00時00分00秒 | 本と雑誌

 私の中では、新書といえば岩波新書、中公新書、講談社現代新書という、高校生時代から買い続けてきたところが「御三家」のイメージとして湧きますが(もう一つ加えるならば白水社の文庫クセジュです)、最近は岩波新書、中公新書、ちくま新書、朝日新書を買い、読むことが多くなっています。

 先月(2021年2月)、今井照/自治総研編『原発事故 自治体からの証言』を入手しました(購入したのではありませんが、詳しいことは記しません)。この本の中身はかなり重く、読み終えるのにかなりの時間がかかりました。東日本大震災からもうじき10年が経ちますが、今も復興の途上であって、終わった訳ではありません。そればかりでなく、福島第一原子力発電所事故の処理についてはほとんど手に付いておらず、under controlの逆の状態が何十年も続くことになります。「終わったことにする」という姿勢は根本的に誤っているのです。

 この本においては、当時の大熊町副町長および浪江町副町長が事故直後からの実際を語るという形が採られています。当事者から発せられた言葉の記録でもあるため、重いのです。そのためもあって、様々なことを考えさせられ、時間がかかりました。それとともに、COVID-19の感染拡大に見舞われ続けている現在と重なる部分もあるのではないか、と思う訳です。

 ともあれ、一度お読みください。

 最近入手した本では、宮崎雅人『地域衰退』(岩波新書)、金子勝『人を救えない国』(朝日新書)、エマニュエル・トッド『パンデミック以後』(朝日新書)が、特に考えさせられるという意味でよいものでした。また、2020年がマックス・ヴェーバー没後100周年ということもあって、ヴェーバーに関連する本が岩波新書、中公新書、ちくま新書から刊行されており、私も購入して読みました。

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