私の中では、新書といえば岩波新書、中公新書、講談社現代新書という、高校生時代から買い続けてきたところが「御三家」のイメージとして湧きますが(もう一つ加えるならば白水社の文庫クセジュです)、最近は岩波新書、中公新書、ちくま新書、朝日新書を買い、読むことが多くなっています。
先月(2021年2月)、今井照/自治総研編『原発事故 自治体からの証言』を入手しました(購入したのではありませんが、詳しいことは記しません)。この本の中身はかなり重く、読み終えるのにかなりの時間がかかりました。東日本大震災からもうじき10年が経ちますが、今も復興の途上であって、終わった訳ではありません。そればかりでなく、福島第一原子力発電所事故の処理についてはほとんど手に付いておらず、under controlの逆の状態が何十年も続くことになります。「終わったことにする」という姿勢は根本的に誤っているのです。
この本においては、当時の大熊町副町長および浪江町副町長が事故直後からの実際を語るという形が採られています。当事者から発せられた言葉の記録でもあるため、重いのです。そのためもあって、様々なことを考えさせられ、時間がかかりました。それとともに、COVID-19の感染拡大に見舞われ続けている現在と重なる部分もあるのではないか、と思う訳です。
ともあれ、一度お読みください。
最近入手した本では、宮崎雅人『地域衰退』(岩波新書)、金子勝『人を救えない国』(朝日新書)、エマニュエル・トッド『パンデミック以後』(朝日新書)が、特に考えさせられるという意味でよいものでした。また、2020年がマックス・ヴェーバー没後100周年ということもあって、ヴェーバーに関連する本が岩波新書、中公新書、ちくま新書から刊行されており、私も購入して読みました。