ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

メモ:n分n乗方式

2022年03月03日 23時35分00秒 | 租税法講義ノート〔第3版〕

 2021年度の講義のために準備していたメモのファイルを、少々手を加えた上で掲載しておきます。

 

 n分n乗方式は、課税方式の一つである。ここで、nは正の整数を意味する。

 この方式においては、次のように税額を計算する。

 ①各種所得の計算の方法に従い、課税総所得金額(など)を算出する。

 ②算出した所得金額をnで割り、その金額に税率を乗じる。

 nで分割するからn分という。

 ③②で得られた金額にnをかけ、税額を算出する。

 nを乗ずるのでn乗という。数学の2乗(例、32)、3乗(例、33)などと混同しないこと。

 例1 二分二乗方式 

 Aの課税総所得金額が300万円であるとする。

 上記②に従って計算すると、 3,000,000÷2=1,500,000

 この金額に所得税法第89条第1項に規定される税率を乗じると、 1,500,000×0.05=75,000

 この金額を2倍すると150,000円という所得税額を得られる。

 仮に二分二乗方式を採らないと、所得税額は202,500円となる。

 (∵3,000,000×0.1-97,500=202,500)

 

 例2 五分五乗方式

 Bの課税総所得金額が1,000万円であるとする。

 上記②に従って計算すると、 10,000,000÷5=2,000,000

 この金額に所得税法第89条第1項に規定される税率を乗じると、 2,000,000×0.1-97,500=102,500

 この金額を5倍すると512,500円という所得税額を得られる。

 仮に五分五乗方式を採らないと、所得税額は1,764,000円となる。

 (∵10,000,000×0.33-1,536,000=1,764,000)


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