原題:The Breaking Point
中編からの続きです。
その後元の陣地に戻りましたが、リプトンはコンプトンに続いて更に親友二人を失ってしまったマラーキーを心配します。
いつもマックやペンカラと一緒にいたマラーキーでした。
形見の十字架をじっと見つめて涙ぐむマラーキーにリプトンが話しかけます。
「お前、弟にルガーを持ち帰りたいって言ってたよね。処分しようと思ってたけどこれ。持って帰れよ。」
そう言ってリプトンがフーブラーのルガーを渡すと、マラーキーの表情が少し明るくなります。
「ここを離れてしばらく後方にいくか?」リプトンの申し出にマラーキーはみんなと一緒にいたいと断りますが、
「じゃ、せめてコンプトンにお別れを言ってこいよ」
コンプトンはアメリカに帰る事になったため、マラーキーはお別れを言いにいきます。
連続での砲撃は隊員たちに大きなダメージを与えました。
リプトンは隊員たちの様子を見ながら話しかけ、限界点に達していないか確認します。
フォイの侵略が近づいています。E中隊はその先鋒を担うことになるのに相変わらず指揮官は不在でした。
フォイの街を見下ろしながらリプトンはある決意をします。
その夜、リプトンはウィンターズさんに会いに行きました。
ダイクはいつも不在で役に立たないこと、決断を下さないので頼れない事、
そしこのままでは更に沢山の隊員が死ぬということを訴えました。
ウィンターズさんは黙ってリプトンの話を聞いていましたが、自分の考えを話すことはしませんでした。
やがてリプトンが話し終わると少し冷たいくらいに「下がってよし」と言うに留めました。
落胆したように立ち去るリプトンの後姿をじっと見つめるウィンターズさん。
ダイクは上層部にかなり強力なコネを持っていたのでウィンターズさんの発言でダイクを交代させることは不可能だったのです。
E中隊はフォアの西の防御線から退き村の南に移動しました。
攻撃の先鋒を担うE中隊は村に向けてゆるやかに下るおよそ200メートルの雪に覆われた野原を全身をさらして突撃します。
ドイツ軍はレンガ造りの家に隠れどの窓にでも機関銃を据えて応戦できることができる状況にありました。
つまり、工夫や複雑な動きなど一切不要でただ突進し手りゅう弾を投げられる位置まで接近し敵を家から追い出すことになります。
なのでいかに早く野原を渡りきるかが鍵になります。
隊員たちが頑として退かない覚悟で突進し援護射撃が十分であればきわめて単純に成功しますが、
少しでも立ち止まったら大きな損害が出ることは間違いありませんでした。
ウィンターズさんはダイクに作戦を伝えます。
「了解」ダイクの返事を聞いてウィンターズさんが立ち去るとあくびをするダイク。完全になめています。
援護射撃が始まりE中隊が野原を走り始めます。
「立ち止まるな」リプトンも叫びながら走り続けます。
左翼にはフォーリー率いる第1小隊がドイツ軍が潜む小屋にたどり着き、慎重に小屋を包囲しドイツ兵をあぶりだします。
しかし、ダイクからは第1小隊の姿が見えなかったので左翼が裸同然になってしまったと感じました。
そして、リプトンが懸念した通り最悪の命令を下します。
「E中隊、全員止まれ」
野原の真ん中でダイクはE中隊の動きを止めてしまいます。
後方で見守っていたウィンターズさんが「走れ、前進しろ!」と叫びますがダイクは干し草の山に身を隠します。
そして無線でフォーリーを呼び出しこちらにくるように命じます。
フォーリーは小隊を率いてダイクのいる方向に進みますがこの時点で陣形は崩れてしまい、ドイツ軍の格好の的になってしまいます。
身を隠したままのダイク。たどり着いたフォーリーやリプトンが「指示を出してください。このままではやられます」と迫り、
ウィンターズさんもダイクを無線に出せと命じますが、ダイクは固まったまま動かなくなります。
それを見たウィンターズさんは銃を持ち自分が乗り出す勢いで前方に進もうとしますが、
思い直して後方で待機していたスピアーズを呼びます。
「ダイクと交代しろ」
スピアーズは命じられるとすぐに野原を走り出し、ダイクのところにたどり着くと「交代します」とだけ告げ
隊員たちにテキパキと指示を出し始めました。
立て直したE中隊はやがてドイツ軍がひそむ家々の近くまでたどり着きドイツ軍の先にいるI中隊と
連携をとる手はずでしたが無線の応答がありません。
するとスピアーズがリプトンに「ここで待て」と指示すると、ドイツ軍に向かって走り出します。
ドイツ軍もまさか敵が自分達の前を通過するとは思わないので、あっけにとられたようにスピアーズに攻撃もしませんでした。
スピアーズはI中隊のところまでたどり着き作戦を伝え再びリプトンの待機するところまで戻ってきました。
硝煙が立ち込める中ひたすら走り続けるスピアーズは無敵のスーパーマンのようでした。
リプトンの顔には思わず笑みがこぼれていました。
E中隊は侵略に成功します。
家の中に隠れるドイツ兵を捕獲し、戦車の上ではみんなで記念撮影をしています。
しかし、突然銃声が聞こえ隊員たちが倒れていきます。隠れていたドイツ兵がいました。
すぐに身を隠し、ドイツ兵の姿を探しますがどこにいるかわかりません。
そこでリプトンがシフティに自分がおとりになるからドイツ兵が見えたらすぐに撃てと命じ、走り出します。
銃を構えるシフティはドイツ兵を目視するとすぐに仕留めます。シフティ久しぶりの活躍でした。
ノヴィル、ラシャンプと戦いに勝利した隊員たちはラシャンプの修道院に泊まります。
屋根のあるところで一夜を過ごすのは1か月ぶりでした。
讃美歌を聞きながら隊員たちは疲れた身体を癒しながらじっと讃美歌に耳を傾けます。
もうすぐ休暇の予定だったこともあって隊員たちは安らいでいました。
しかし、ヒトラーが反撃に出たので休暇は撤回されてしまいますがこの時はまだ誰も知らず平和に過ごしています。
リプトンは人員を調べます。
ベルギーに入った時は145名いましたが現在は63名になっていました。
コンプトンが去りトイやガルニアは重傷、フーブラー、マック、そしてペンカラが死亡しています。あ、ダイクも去りました(笑)
ここでE中隊のレギュラーメンバーがかなり減ってしまいました。寂しいです。
特にコンプトンは頼れるお兄さんで好きだったのでかなりがっかりです(笑)
無能なダイクは去りましたが代わりに有能な指揮官スピアーズを得ました。
リプトンはスピアーズをじっと見つめます。視線を感じたスピアーズは「噂が本当か聞きたいんだろう」と言い、
その手の噂はすぐ広まるんだよ、誰も現場をみたわけでもないのに、とローマの歴史を例えながら続けます。
リプトンは否定しないから広まるんですよ、と言うと「非情な男と思わせておきたかったんだろう」と返し思わずリプトンは微笑します。
そして「隊員たちは噂など気にしません。優秀な指揮官を得てみな喜んでいます」と伝えます。
「優秀な指揮官なら前からいるって聞いたぞ。激しい砲撃の中部下を支え士気を高め的確な指示を出した優秀な指揮官だ」
スピアーズの言葉に「何言ってるんだろう?」て顔をしながらじっと聞き入るリプトンにスピアーズはこれ以上ない優しい笑顔で
「君の事だよ。君が隊をまとめてきたんだ。」そしてリプトンの昇進が決まったことを伝えます。
リプトンは近いうちに少尉となることが決まりました。
この笑顔にはちょっとびっくり。役者って怖いって思った瞬間です(笑)スピアーズさんが女性に人気があるのがわかりますね。
そしてこの最後はちょっと泣けました。
リプトンの昇進もそうですが何より今までのリプトンの苦労がちゃんと上官にはわかっていたのが嬉しかったですね。
この昇進の申請はスピアーズがしましたがこれをウィンターズさんが承認しているので強力に後押ししたんでしょうね、きっと。
よかったねーリプトン。
以下、原作からの抜粋です。
厳しいバジルの戦いが終わろうとしています。
バストーニュで戦った者たちはすべて大きな苦しみを味わっていました。
彼らが戦い抜けたのは固いきずなで結ばれた兄弟の一団となったからでした。
あのフォア郊外の雪の中生きるか死ぬかの瀬戸際で彼らが結束を失わなかったのは先任軍曹のリプトンと
彼の仲間の下士官たちが統率と気概と団結を与えたからでした。
そして彼らの大半があのトコア基地の出身でした。
中隊長、将校たちそして隊員たちが新しく入れ替わっていく中でE中隊の精神が失われなかったのは下士官たちのおかげでした。
また第2大隊副隊長のウィンターズが事実上の大隊長を務めたことも大きかったようです。
エピソード8に続きます。
中編からの続きです。
その後元の陣地に戻りましたが、リプトンはコンプトンに続いて更に親友二人を失ってしまったマラーキーを心配します。
いつもマックやペンカラと一緒にいたマラーキーでした。
形見の十字架をじっと見つめて涙ぐむマラーキーにリプトンが話しかけます。
「お前、弟にルガーを持ち帰りたいって言ってたよね。処分しようと思ってたけどこれ。持って帰れよ。」
そう言ってリプトンがフーブラーのルガーを渡すと、マラーキーの表情が少し明るくなります。
「ここを離れてしばらく後方にいくか?」リプトンの申し出にマラーキーはみんなと一緒にいたいと断りますが、
「じゃ、せめてコンプトンにお別れを言ってこいよ」
コンプトンはアメリカに帰る事になったため、マラーキーはお別れを言いにいきます。
連続での砲撃は隊員たちに大きなダメージを与えました。
リプトンは隊員たちの様子を見ながら話しかけ、限界点に達していないか確認します。
フォイの侵略が近づいています。E中隊はその先鋒を担うことになるのに相変わらず指揮官は不在でした。
フォイの街を見下ろしながらリプトンはある決意をします。
その夜、リプトンはウィンターズさんに会いに行きました。
ダイクはいつも不在で役に立たないこと、決断を下さないので頼れない事、
そしこのままでは更に沢山の隊員が死ぬということを訴えました。
ウィンターズさんは黙ってリプトンの話を聞いていましたが、自分の考えを話すことはしませんでした。
やがてリプトンが話し終わると少し冷たいくらいに「下がってよし」と言うに留めました。
落胆したように立ち去るリプトンの後姿をじっと見つめるウィンターズさん。
ダイクは上層部にかなり強力なコネを持っていたのでウィンターズさんの発言でダイクを交代させることは不可能だったのです。
E中隊はフォアの西の防御線から退き村の南に移動しました。
攻撃の先鋒を担うE中隊は村に向けてゆるやかに下るおよそ200メートルの雪に覆われた野原を全身をさらして突撃します。
ドイツ軍はレンガ造りの家に隠れどの窓にでも機関銃を据えて応戦できることができる状況にありました。
つまり、工夫や複雑な動きなど一切不要でただ突進し手りゅう弾を投げられる位置まで接近し敵を家から追い出すことになります。
なのでいかに早く野原を渡りきるかが鍵になります。
隊員たちが頑として退かない覚悟で突進し援護射撃が十分であればきわめて単純に成功しますが、
少しでも立ち止まったら大きな損害が出ることは間違いありませんでした。
ウィンターズさんはダイクに作戦を伝えます。
「了解」ダイクの返事を聞いてウィンターズさんが立ち去るとあくびをするダイク。完全になめています。
援護射撃が始まりE中隊が野原を走り始めます。
「立ち止まるな」リプトンも叫びながら走り続けます。
左翼にはフォーリー率いる第1小隊がドイツ軍が潜む小屋にたどり着き、慎重に小屋を包囲しドイツ兵をあぶりだします。
しかし、ダイクからは第1小隊の姿が見えなかったので左翼が裸同然になってしまったと感じました。
そして、リプトンが懸念した通り最悪の命令を下します。
「E中隊、全員止まれ」
野原の真ん中でダイクはE中隊の動きを止めてしまいます。
後方で見守っていたウィンターズさんが「走れ、前進しろ!」と叫びますがダイクは干し草の山に身を隠します。
そして無線でフォーリーを呼び出しこちらにくるように命じます。
フォーリーは小隊を率いてダイクのいる方向に進みますがこの時点で陣形は崩れてしまい、ドイツ軍の格好の的になってしまいます。
身を隠したままのダイク。たどり着いたフォーリーやリプトンが「指示を出してください。このままではやられます」と迫り、
ウィンターズさんもダイクを無線に出せと命じますが、ダイクは固まったまま動かなくなります。
それを見たウィンターズさんは銃を持ち自分が乗り出す勢いで前方に進もうとしますが、
思い直して後方で待機していたスピアーズを呼びます。
「ダイクと交代しろ」
スピアーズは命じられるとすぐに野原を走り出し、ダイクのところにたどり着くと「交代します」とだけ告げ
隊員たちにテキパキと指示を出し始めました。
立て直したE中隊はやがてドイツ軍がひそむ家々の近くまでたどり着きドイツ軍の先にいるI中隊と
連携をとる手はずでしたが無線の応答がありません。
するとスピアーズがリプトンに「ここで待て」と指示すると、ドイツ軍に向かって走り出します。
ドイツ軍もまさか敵が自分達の前を通過するとは思わないので、あっけにとられたようにスピアーズに攻撃もしませんでした。
スピアーズはI中隊のところまでたどり着き作戦を伝え再びリプトンの待機するところまで戻ってきました。
硝煙が立ち込める中ひたすら走り続けるスピアーズは無敵のスーパーマンのようでした。
リプトンの顔には思わず笑みがこぼれていました。
E中隊は侵略に成功します。
家の中に隠れるドイツ兵を捕獲し、戦車の上ではみんなで記念撮影をしています。
しかし、突然銃声が聞こえ隊員たちが倒れていきます。隠れていたドイツ兵がいました。
すぐに身を隠し、ドイツ兵の姿を探しますがどこにいるかわかりません。
そこでリプトンがシフティに自分がおとりになるからドイツ兵が見えたらすぐに撃てと命じ、走り出します。
銃を構えるシフティはドイツ兵を目視するとすぐに仕留めます。シフティ久しぶりの活躍でした。
ノヴィル、ラシャンプと戦いに勝利した隊員たちはラシャンプの修道院に泊まります。
屋根のあるところで一夜を過ごすのは1か月ぶりでした。
讃美歌を聞きながら隊員たちは疲れた身体を癒しながらじっと讃美歌に耳を傾けます。
もうすぐ休暇の予定だったこともあって隊員たちは安らいでいました。
しかし、ヒトラーが反撃に出たので休暇は撤回されてしまいますがこの時はまだ誰も知らず平和に過ごしています。
リプトンは人員を調べます。
ベルギーに入った時は145名いましたが現在は63名になっていました。
コンプトンが去りトイやガルニアは重傷、フーブラー、マック、そしてペンカラが死亡しています。あ、ダイクも去りました(笑)
ここでE中隊のレギュラーメンバーがかなり減ってしまいました。寂しいです。
特にコンプトンは頼れるお兄さんで好きだったのでかなりがっかりです(笑)
無能なダイクは去りましたが代わりに有能な指揮官スピアーズを得ました。
リプトンはスピアーズをじっと見つめます。視線を感じたスピアーズは「噂が本当か聞きたいんだろう」と言い、
その手の噂はすぐ広まるんだよ、誰も現場をみたわけでもないのに、とローマの歴史を例えながら続けます。
リプトンは否定しないから広まるんですよ、と言うと「非情な男と思わせておきたかったんだろう」と返し思わずリプトンは微笑します。
そして「隊員たちは噂など気にしません。優秀な指揮官を得てみな喜んでいます」と伝えます。
「優秀な指揮官なら前からいるって聞いたぞ。激しい砲撃の中部下を支え士気を高め的確な指示を出した優秀な指揮官だ」
スピアーズの言葉に「何言ってるんだろう?」て顔をしながらじっと聞き入るリプトンにスピアーズはこれ以上ない優しい笑顔で
「君の事だよ。君が隊をまとめてきたんだ。」そしてリプトンの昇進が決まったことを伝えます。
リプトンは近いうちに少尉となることが決まりました。
この笑顔にはちょっとびっくり。役者って怖いって思った瞬間です(笑)スピアーズさんが女性に人気があるのがわかりますね。
そしてこの最後はちょっと泣けました。
リプトンの昇進もそうですが何より今までのリプトンの苦労がちゃんと上官にはわかっていたのが嬉しかったですね。
この昇進の申請はスピアーズがしましたがこれをウィンターズさんが承認しているので強力に後押ししたんでしょうね、きっと。
よかったねーリプトン。
以下、原作からの抜粋です。
厳しいバジルの戦いが終わろうとしています。
バストーニュで戦った者たちはすべて大きな苦しみを味わっていました。
彼らが戦い抜けたのは固いきずなで結ばれた兄弟の一団となったからでした。
あのフォア郊外の雪の中生きるか死ぬかの瀬戸際で彼らが結束を失わなかったのは先任軍曹のリプトンと
彼の仲間の下士官たちが統率と気概と団結を与えたからでした。
そして彼らの大半があのトコア基地の出身でした。
中隊長、将校たちそして隊員たちが新しく入れ替わっていく中でE中隊の精神が失われなかったのは下士官たちのおかげでした。
また第2大隊副隊長のウィンターズが事実上の大隊長を務めたことも大きかったようです。
エピソード8に続きます。