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What Sherlock Holmes taught us about the mind

2016-02-11 10:04:58 | Sherlock Topics 2016
今年の始めにBBCのHPに掲載されたものです。
画像はBBCシャーロックですが内容はほとんど関係ありません。
要約するとドイルさんがホームズを通じて伝えたかった事だと思います。

BBCシャーロックはビクトリア時代を舞台にしたせいか、
最近、正典ホームズやドイルさんの記事が多いような気がします。
あ、私の目に留まるだけか?
今回も画像で釣られて読み始めましたが、ちょっと良いお話だったのでご紹介します。
いつもの駄訳です。


元記事です。
What Sherlock Holmes taught us about the mind


シャーロック・ホームズはMIND(知性)について何を伝えたのでしょうか。
(※マインドをどう日本語にしようか悩んだ挙句、知性にしてみましたがいろいろ当てはまるような気がします)

1世紀も前の探偵の物語が今日の神経学者たちによって研究されています。
しかしなぜ?
結局のところ、現代のテクノロジーでさえ彼の合理的思考のレッスンに取って代わる事はできないのです。

アンドリュー・リーズがユニバーシティ大学病院で医学のキャリアを積み始めて間もなく、
彼の上司のひとりが奇妙な読書リストを彼に与えました。
リストは普通の古くさい解剖学集だけではなく、シャーロック・ホームズ全集も含まれていました。

架空の探偵が神経学者志望者に一体何を教えることができるのでしょうか?
結局それからすぐにリーズはブレインジャーナルに論文を書いており、
専門知識が何であろうと洞察力は合理的思考を養う願ってもないレッスンになります。

リーズが指摘するようにドイル自身内科医で当時の優秀な医者のひとり、
王立エディンバラ病院のジョセフ・ベルがホームズのモデルだった証拠があります。

「病気を扱うDr.ベルのように犯罪を扱うヒーローの物語をを書いてみたいと思いました。」
ドイルは1927年のインタビューで言っています。

しかしストーリーが発展していったのでドイルが他のドクター、例えば神経学のバイブルを書いた
ウィリアム・ガワーズからもインスピレーションを得たのかもしれないとリーズは思いました。
(ドイル自身、博士課程の学生として神経変性疾患を専門に扱っていました。
そして彼とガワーズの共通の友人に作家のラディヤード・キップリングがいました。)

ガワースは患者がドアから入ってくる瞬間から診断が始まると学生によく教えていた事が臨床試験のひとつとして記録されており、
後に「A Clinical Lecture on Silver and Syphili」として発表されました。

「あなたは彼が部屋に入ってきた時の彼に気づきましたか?そうでなかったとしたら気づかないといけない。
身につけてしまえば決して忘れることのない習慣の一つは部屋に入ってきた患者を観察することです。
彼の顔つきや足取りに注意するんです。そうすれば彼の足が不自由なことがわかるでしょう、
そして彼の顔色が普通ではないことを見てとれば次に動き出せるのです。」

ホームズが少ない手がかりで人をプロファイルする習慣と非常に似ています。

(※BBCのHPにある動画はYoutubeにあります。
Sherlock and John's First Meeting - A Study In Pink - Sherlock - BBC

特に、彼らふたりにインスパイアされるのは一見取るに足らないものの重要性でした。

「長年、座右の銘としているのですが、細事の大事は限りなし。」と
「A Case of Identity(花婿失踪事件)でコナンドイルが書いています。

ガワーズとホームズは先入観で判断を曇らせないよう警告もしています。
ふたりの男たちにとって、冷静かつ偏見のない観察が当時のルールでした。
だからこそボヘミアの醜聞でホームズはワトソンを厳しく非難します。
「君は見てはいるが、観察していない。差は歴然だ。」

ガワーズの言葉にもあります。
「あらゆる点であなたになじみのない症例に気づいたらしばらくはタイプや名称はすべて忘れるのです。
今までにない症例として取り組み、独特の新たな問題として対処する。
そのようなものとして研究をするんです。」


時折、ガワーズの現実における観察力は架空のヒーロー、ホームズに匹敵しました。
彼の人間の研究は当初、ヒステリーに似た精神的混乱による誤診と考えられていました。

「何気にベッドカード(カルテ?)を見てすぐに彼が「塗装」に従事しているという記録に目が留まりました。
ベッドカードで彼の歯茎を見てから独特な文字で均等に書かれた彼の仕事の記録で私はわかりました。
明らかに鉛ライニングです。」
他に何か見落としがないかと簡単に彼の目を診てガワーズはその男が顔料によって中毒になっていると正確に推測しました。
このような実例は他にもたくさんあります。

ふたりの男はどう「後ろ向き推論」をするのか。
例えば、全ての可能性を分析し、病気(ガワーズの場合)や殺人事件(ホームズの場合)の特定をしています。
このアプローチの論法はおそらくホームズの最も有名な格言に要約されます。

「不可能を消去して残ったものがたとえどんな奇妙なものでも真実になる。」



しかしおそらくガワーズとホームズふたりから学ぶべき最も重要な教訓は間違いを受け入れることの価値です。
「諸君、正しい事は常に心地良いものだが、大抵は間違いのほうがずっと役に立ちます。」とガワーズは書いていますが、
それはホームズも認めています。
「正直、もぐらと同じくらい何も見えていなかったが、
遅れて知恵を学ぶのは、全く学ばないよりはましというわけだ。」(唇のねじれた男)

謙虚は才能や知性がある大勢の人を悩ます専門知識の呪いを打ち負かす鍵です。
ここ数年、一見すると医学と法医科学の両方の専門家が生死にかかわる事態の時でさえ
自身の偏見で判断を曇らせてきた多くの実例をユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの認知神経科学者、
ドロール博士が文書化しました。
ガワーズのコナン・ドイルへの影響の本質が何であれ、
ホームズの教訓は今日論理的思考が持つパワーの偉大な教えを提供しています。

高度な先進技術であっても単純な観測事実と理にかなった推論力の代わりにはなりません。
リーズが言うように、病院は「静かな犯行現場」です。
そして我々はミステリーを解く最高の知性をまだまだ必要としています。
彼が遠い昔にそれらすべてを発見したように、
あなたも推論の能力を鍛えたいならばシャーロック・ホームズを読む(或いは再読)事を推奨します。

以上です。
ホームズやドイルさんの研究家を名乗る方がたくさんいらっしゃるようですが、
確かに研究し甲斐がありそうです。
ドイルさんご本人も相当頭がよかったんでしょうね。
もう一度正典を読み直そうかしら、と思いました。私が読んでも何も変わりませんけど・・・