英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

衆議院選挙

2009-08-31 19:21:22 | 時事
 想像以上の民主党の大勝で、民主党がうたい文句にあげた「政権交代」が実現することになりました。
 自民も民主も五十歩百……。マニュフェストはいいことしか書いてないでしょうし。ただ、民主の方が、自民が行っていた政策や体制を維持せず、積極的に改革する義務?が、発生しているので、変革の可能性は大きい。ただ、それがうまくいくかは、疑問ですけど。

 正直言いますと、政治にも選挙にもマスコミにも国民にも幻滅しています。郵政選挙と言われた、前回、小泉劇場に乗せられ、自民が大勝しました。郵政民営化に反対か賛成かだけに焦点を当て、それだけを論点に絞って、選挙(投票)をさせられてしまった。政策も野党もありませんでした。小泉首相を支持するかどうかでした。他の政策なんて、語られることは、ほとんどありませんでした。
 自民が大勝し、そうなった選挙、そうしてしまった国民には幻滅してしまいました。そして、そういう流れにした一番の戦犯は、マスコミ。「小泉チルドレン」「刺客」というキーワードで騒ぎ立て、面白がっただけでした。


 あらら、いつものように、話がそれてしまいました。
 今回は、「政権交代」が焦点。民主はそれをキャッチフレーズにしていました。テレビのスポットCMも「まず、政権交代」。でも、「まず」って、気になりますね。『「政権交代」してしまえばこっち(民主)のもの』って、聞こえてしまいました。ちょっとと言うか、大きく民主が勝ちすぎたので、心配です。


 さて、今回の選挙、いろいろ、思い浮かんだことを書いてみます。


①「逆風が吹いた」って?
 確かに、ここ数年、幻滅させるような行為・発言が連続して起こり、自民党に対する風当たりは強いです。
 ただ、落選したほとんどの候補者は「逆風が吹いた」と敗戦の弁を語ります。もともと、自民党が招いた逆風であるのに、まるで、運が悪かったという他人事のような感覚です。世論が悪いといったニュアンスで語る候補者もいました。
 支持してくれた地元の人や、選挙陣営の党員の気持ちをくんで、「逆風」という言葉で濁しておいた方がよいという考えや、今後のことを考えると、党を批判するようなことは言わない方が良いということもあるでしょう。



②逆風を招いた人たち
★久間元防衛大臣
 「逆風が強く吹いていた」と敗戦の弁。「原爆は仕方なかった」という失言等で大臣を辞めたのが2年前。もう過去のことだと思っているのでしょうか?
 「あんたに「逆風」という言葉を使ってほしくないよ」と思った議員は多いはず。

 当選した福田衣里子氏、声、でかいですね。

☆安倍元首相
 割と楽に当選したようです。
 今回の選挙、自民の苦戦、安倍氏の責任などを質問されていましたが、相変わらず、自分の考え・政策を述べるだけ(しかも内容が抽象的でわからない)で、まったく質問の回答になっていません。

☆福田元首相
 実は好きだったんです(官房長官時代)。
 総理という最高責任をなげだしてしまったのは、安倍元総理と同じで、相当罪が大きい。「あれだけのことをしても、当選するのか」という声は大きいでしょうが、急きょ、擁立されて、フジテレビを辞める時間も決意もないフジテレビ社員に負けなくて、ホッとしています。

☆麻生首相
 安倍氏が「KY」(空気読めない)なら、麻生氏は「KY」(漢字読めない)ですが、思いつきで政策(アニメの殿堂など)を語り、方針がくるくる変わり(交付金)、だらだら時間稼ぎをして、ばら撒いただけの景気対策を自画自賛。自民凋落を後押しした感が強いです。
 自民大敗の弁の「自民党への積年の不満をぬぐいきれなかった。責任を負う宿命だと甘受しなければならない」や「政策を政局よりも優先させたことは間違っていなかったと思う」は、自分は悪くないと言いたげ。虚勢なのか、鈍感なのか。
 大敗の要因は、いろいろあり過ぎて、いちいち語る気はしないでしょうし、今後のこともあるでしょうから。

★中川元財務・金融相
 国際的に泥酔の醜態をさらしてしまった中川氏。その後のしょぼくれ方は気の毒にさえ思えました。
 そかし、当選はさすがに無理だろうと思っていたら、やっぱり無理でした。



③大物議員の相次ぐ苦戦、落選
 あまりに多すぎて、挙げきれません(手抜きです)。
 ただ、「小泉チルドレン」を彷彿させる「小沢ガールズ」には、「ちょっとなあ」という感想。
 見栄えのよさそうな女性候補者(たぶん、人格、志、能力ともに素晴らしいんでしょうね)が並んでいます。大物議員に対抗するには、対照的な方が効果的なのかもしれません。それに大物議員の陣営にもどこか油断が生じたのかもしれません。

 さて、その中で、もっとも面白?かったのが、石川2区の森元首相(アナウンサーによっては「森本首相」と聞こえます)。
 選挙開始当初から報道陣をシャットアウト。開票後の選挙事務所も、テレビ局を締め出していました。しかも、玄関より推定30m以内には近づくなとのこと。
 しかも、最初はOKだったけれど、森氏の一言で、ダメになったとのこと。

 総理時代は「蜃気楼(森喜朗)」と揶揄されましたが、地元や自民党内での力は強い方です。が、今回、力(態度)や体はでかいが、肝っ玉は小さいことが判明。

 出口調査はTBS系では森氏50%、田中美絵子氏(33歳)49%。日本テレビ系での予測は森氏125,000票、田中氏130,000票と、大接戦。
 結果は森氏123,490票(50.2%)、田中氏119,021票(48.4%)で、森氏の辛勝でした。


 前回は圧勝した小池百合子氏だが、今回は逆風を感じていた。しかし、めげずにそれを逆用しようと「風車のおユリ」というキャッチフレーズを打ち出す。「逆風があればこそ風車は回る」と。なるほどと思ったが、あまりにもそれを強調しすぎで軽すぎた。強敵・江端貴子氏には通用しなかった。(比例で復活当選)


 公明党が代表の太田氏をはじめ、小選挙区8人すべてが敗れるというのは、びっくり。



④無惨、小泉チルドレン & 郵政選挙の傷跡
★佐藤ゆかり氏
 あまりに勝ち気で、好きじゃあなかったのですが、今回は流石に気の毒。
 前回、野田聖子氏に僅差で敗れ、岐阜1区の公認はもらえず、今回は東京5区にお国替え。自民党の組織はあるものの、佐藤氏にとっては全く未開の地。しかも、この逆風。手塚仁雄氏149,623票に対し、121,244票は大健闘かもしれません。(比例でも拾われませんでした)

★片山さつき氏
 小泉チルドレンの代表格。マスコミの露出度も高いです。
 で、今回の開票番組での彼女に関するリポートを見ると、気が強く、負けん気が強く、土下座もいとわない。もちろん、知識も頭もよいはず。しかし、それらを統合する人格が、それらに負けているようです。それが、有権者にも見透かされたのかもしれません。
 また、前回、あと一歩で敗れた城内実氏の地道な活動が実を結び、城内氏の圧勝でした。逆に、片山氏は城内氏の半分にも満たない得票で、民主の斉木氏にも及ばない3位という惨敗。
「自民党というだけで、(票を)入れてもらえなかった。4年前の大勝の貯金をこの4年間で使い果たしたというのが実感」という敗戦の弁。なんだかなあ~

★藤野真紀子氏
 料理研究家として活躍し「カリスマ主婦」として有名な藤野氏は、前回は比例で当選。
 しかし、当選後は選挙区で活動することはなかったようだ。国会議員は国政をつかさどるのだが、選挙区民としては地元のために活動してほしいはず。今回の落選は順当。

★野田聖子氏
 前回は無所属で佐藤氏に競り勝った野田氏だが、郵政選挙の爪痕は深く、前回佐藤氏を支援した自民党員の中に、「今度は野田氏を支援」と割り切れないものも多く、民主支持に回った党員も多かった。
 逆風と選挙母体そのものの弱体化で、野田氏も敗戦(比例で復活当選)。

 今回、小泉チルドレンの65人の中で、再選を果たしたのは3人だけだった(読売新聞)。
 77人中わずか10人という説もあるようです(産経新聞)。


⑤福井3選挙区、自民勝利
 投票のポイントは政党だけでなく、人柄、地盤、若さ、実績、地元のためになるか、何(政策)を優先するか?など、いろいろあると思います。
 だから、簡単に何党に当選してほしいとか、当選するべきだとは言えない。でも、全国的流れに逆らって、自民3選挙区独占というのは、田舎だなあと思ってしまう。(3選挙区とも大接戦だった)
 3選挙区あって、自民が独占したのは、福井県の他は高知県だけ。鳥取、島根は2選挙区、自民独占。



⑥出口調査
 各局(24時間テレビの最中の日本テレビを除く)、開票作業が始まると同時に、出口調査を基に、獲得議席数や、当選確実者を発表する。
 出口調査で10%近くリードしていれば、ほぼ結果が逆転することはないようで、たぶん、それを根拠に、当確や獲得議席をはじき出していて、ほぼ的中していたように思う。
 その差が5%以内だと、逆転することも多いようだ。

 私は、ひねくれ者なので、出口調査を基に、開票直後に当確を出した予測がまちおがいないかをできるだけ検証したが、なかなか見つけ出せなかった(もちろん、すべての局、すべての候補者について、チェックしたわけではありません)。
 ただ、テレビ朝日が開票率7%の時点で、青森3区、大島理森・自民党国対委員長が落選、民主の田名部匡代氏が当選したと報じた。田名部氏6,739票、大島氏6,727票。
 最終得票は大島氏90,176票、田名部氏89,809票。僅差だった。


⑦投票率
 確か事前のアンケートでは、「必ず投票に行く」が7割、「行くつもり」を合わせると約9割だったはず。実際の投票率は7割弱って???


 今回の結果、意外と舛添厚生労働大臣はホッとしているかもしれませんね。
コメント (4)
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