英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season20 第15話「食わせもの」

2022-02-14 18:21:16 | ドラマ・映画
いろいろな事象が、次々と発生・確認・判明していく……
全く関係ないように思えることや、密接に関連していると思われることもある。
ざっと挙げてみると
……

①身元不明の刺殺死体(覚せい剤の仲卸と判明)
②マンションで転落死(身元不明→その後身元が判明し、休職中でふさぎ込んでいたらしい)
③その住人(認知症らしきの桜田親娘、自分本位で不平ばかり言うおばさん、迷惑なスケートボード少年)
④管理人・平井は元詐欺師
⑤そのマンションで、(空き室での)置き配を利用して覚せい剤の受け取りを画策したコンビ(コンビの小細工担当役と管理人とは旧知の詐欺仲間)
⑥(紛失した麻薬を詰めた)ぬいぐるみの付属のアクセサリーを桜田父が持っていた
⑦桜田の部屋でのボヤ騒ぎ
⑧年末で六本木で起きた闇カジノ偽装摘発事件の情報
⑨覚せい剤の仲卸は、刺殺された仲卸人と会っていた

上記事象を整理すると(判明した順)
1.覚せい剤売買関連………⑤⑥⑨①
   
2.マンションの住人や事件や騒動………②④⑤③⑦
 ②の転落死現場の動画を見て、青木が平井(風間杜夫)を発見し、特命係に動画を見せる。
 動画画面を凝視した右京が、興味を持ち捜査開始したが、凝視した画面の中央には平井ではなく、ある女性の姿が……
   
3.闇カジノ偽装摘発事件………⑧
 この情報は、不動産屋で聞き込みをした右京が、唐突に青木に偽装摘発事件を調べるよう指示した。

疑惑の桜田親娘についての情報
・娘はゴミの分別もきちんとやり、管理人への気遣いもできる優しい女性(平田はベタ惚れ)
・桜田父は娘の認識があやふや
・娘は、甲斐甲斐しく、父親の車椅子のクッションのずれを直していた

―真相―
・麻薬をネコババしたのは桜田親娘。覚せい剤は車椅子のクッションの下に隠していた
・桜田娘は、実の娘ではなく、闇カジノ偽装摘発事件の主犯で、身を隠すため、ボヤを起こした桜田父に目をつけ、娘に成りすましていた。


主題はタイトル通り『食わせもの』
食わせもの・その1……今回の主役、元詐欺師で現管理人の平田
 平田は詐欺を働いていたが、根本はお人よし。管理人の仕事も真面目にこなしていた
 旧知の詐欺仲間の悪事(覚せい剤売買)に巻き込まれるが、悪事をしたくない。しかし、前科をばらすと脅され、悩む。
 さらに、覚せい剤をネコババしたと怪しまれている桜田親娘の身を案じる。
 詐欺師なのに、成りすましに気づかず、しかも、手練れの女詐欺師であることには全く気がつかなかった。

食わせもの・その2……成りすましの桜田娘・梅田真知
 多種多彩な成りすましで、悪事を犯す詐欺師
 桜田ではなく梅田だった…

食わせもの・その3……桜田父
 もうろくを装って、梅田真知の成りすましを容認
 そのことに右京は気づいていなかったが、真知は気がついていた

 桜田父は娘の振りをして優しくしてくれる真知に情が湧き、彼女を庇う。
 真知も、正体が判明した後も、「おとうさん」と呼び、「(本当の)娘さんと仲直りして」と願う
 この偽親娘の情が、もう一つの主題

食わせもの・その4……元詐欺仲間・工藤丈治
 どこにでも良そうな風貌で人を騙す。
 肉体的に傷をつけることはしないが、嘘をつくこと、騙すことに罪の意識はなさそう。
 詐欺仲間の平田に対しても、自分を手伝ってくれるのが普通と思い、躊躇なく巻き込む。


迷惑過ぎな住人・その1……自分本位で文句ばかり言うおばさん
 当人は犯罪を犯さないかもしれないが、犯罪を呼ぶ(人に犯罪を犯させる)毒人間だ
 
迷惑過ぎな住人・その2……スケボー少年
 単に路上でスケボーに乗るだけではなく、故意に人をかすめて通り、脅かして楽しむ迷惑な奴
 そのうち、人にけがをさせて、自分も痛い目に遭うだろう
 


 脚本は山本むつみ氏
 山本むつみ氏らしい人間ドラマ。人間ドラマとしては面白かった。
   
 ただし、推理ドラマとしては疑問点が散見した

①元詐欺師・平井、女詐欺師・真知、覚せい剤コンビ、投身自殺者……集結しすぎ(ドラマを展開させるためには、ある程度の偶然は致し方ないが)
②闇カジノ偽装摘発事件が唐突に浮上
③投身自殺は、右京を動かせるためだけの事象だった
④置き配利用の覚せい剤受け取りはリスクが大きすぎ
⑤右京たちの前で、真知が娘であることがあやふやで、認知症ぽく振る舞っていたのは、脚本上の伏線だった。しかし、桜田父の立場の行為としては、右京たちに《本当の娘か?》という疑惑を持たせるので、不要な行為だろう

⑥スケ―ボー少年を装って、桜田親子を襲撃してきたのを、平井が立ちふさがったのは、危険すぎる。
 捜査一課が右京の策を知ってその場に配置したのなら、「お前ら(捜一トリオ)が助けろよ」と言いたい

あと、右京の「顔認証システムで特定できました」のセリフに、違和感というか、何となく残念というか……


第1話「復活~口封じの死」
第2話「復活~死者の反撃」
第3話「復活~最終決戦」
第4話「贈る言葉」
第5話「光射す」
第6話「マイルール」
第7話「かわおとこ」
第8話「操り人形」
第9話「生まれ変わった男」
第10話「紅茶のおいしい喫茶店」
第11話「二人」
第11話「二人」【追記】
第12話「お宝探し」
第13話「死者の結婚」
第14話「ディアボロス」
 

【ストーリー】番組サイトより
特命係を煙に巻いたあの詐欺師が再び!
麻薬絡みの事件に隠された真実とは!?


 繁華街のゴミ置き場で男性の刺殺死体が発見された。被害者の風体から、カタギでないと踏んだ警察は、暴力団絡みの事件を視野に捜査を始める。
 いっぽう、都内マンションの植え込みで、男性の転落死体が発見された。その映像を動画サイトで見つけた青木(浅利陽介)は、映像の中に、5年ほど前、特命係が詐欺で逮捕した平井(風間杜夫)という男が映り込んでいることに気付く。どうやら、刑期を終えた平井は現在、マンションの管理人に収まっているらしい。
 興味を持った右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、独自の捜査を開始。そんな中、平井が管理人を務めるマンションに、不審な2人組の男が姿を見せていた。男たちは麻薬の密売人で、1人は平井と面識のある詐欺師。空き部屋を密輸に利用したらしいが、問題の麻薬がマンション内で消えてしまったという。
 密売人が平井を脅して、ブツを探させようとする中、右京と亘がマンションにやってくる。無関係を装い、必死に取り繕う平井だったが、右京は早くも何かを見抜いている様子で…!?


相次いで起きた刺殺と転落死に繋がりが?
キーマンは右京と渡り合う食えない元詐欺師
知恵者同士の騙し合いが、再び事件を呼ぶ!


ゲスト:風間杜夫

脚本:山本むつみ
監督:橋本一
コメント (2)
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