英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その4

2024-07-11 16:48:10 | 将棋
「その1」「その2」「その3」


 細心の注意を払って▲8七歩を着手。この手に2分使い、残り時間は2分となった。
 ▲8七歩に△8四龍(おそらく最善手)▲6五角成が控室で予想されていた順で、渡辺九段もそう想定して、これで先手が手厚いと考えていたようだ。
 ところが、藤井王位は△4六龍と龍を切る!
 以下▲同歩△3六角と進む。この龍切りを最善手に挙げたAIもあったようだが、多くのAIは評価値を下げていたと記憶する。

 評価値はともかく、この手を指された渡辺九段は動揺。感想戦で、《いきなり、寄せ合いになってしまって…》というような言葉を洩らしていた。

 2日目の夜……二人の消費時間は渡辺8時間8分、藤井8時間9分。(本来は持ち時間は8時間だが、千日手成立時に藤井王位の残り時間が50分で、『千日手の持ち時間補正の規約』により、藤井王位の残り時間を1時間にする為、両者に10分足した。(渡辺九段の残り時間も2時間10分→2時間20分) 
 消費時間は8時間強だが、60秒未満は切り捨てになるので、実際は千日手局に渡辺九段だけで40手、指し直し局には43手指しているので、機械的に1手30秒切り捨てと仮定すると、30秒×86=43分。なので、これを加えると、ここまで9時間近く考えていることになる。
 実際は、相手の藤井王位の考慮中もフル稼働ではないにせよ、局面について考えているので、2日目の夜までに18時間将棋に浸かっている。食事や就寝前にも考えているかもしれない。

 ………千日手局は隙を与えないよう指し続け千日手に持ち込んでいるし、指し直し局は自分の策戦範囲に持ち込んだとはいえ、54手目に防戦一方に打たせたつもりの角に直後の△6四歩で角筋を自陣に利かされたショック
 56手目に藤井王位の残り時間が9分になってから、70手目の△7六同龍まで60秒未満の指し手を続けられ1分も残り時間が減らない……難解な局面をビシビシ指され続ける圧力は相当なモノであろう。実際の形勢は渡辺九段に傾いていったが、渡辺九段の実感としては「あまり前進している気がしなかった」という。
 その上、細心の注意を払ったにも拘らず、いきなり寄せ合いの局面に持ち込まれてしまった……かなり優位に立っていた残り時間も「2分対3分」と逆転。残り2分で藤井王位相手に勝ち切らなければならない……実際の評価値は「渡辺大優勢」でも本人は分からない。それどころか、感触としては《ギリギリの寄せ合いに持ち込まれてしまった!こんなはずでは……》

 とは言え、流石は渡辺九段!
 藤井王位の猛攻に正確に対応

 "然しもの”(さしもの)藤井王位も矢が尽きて、△6一歩と自玉に手を戻す(自玉の詰めろを受ける)。

続く
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その3

2024-07-10 15:04:43 | 将棋
「その1」「その2」


 互角で難解な局面。
 図以下、△3七歩成▲同銀△2七飛成▲2八金△2五龍▲3三歩成△同金▲2六歩△7五龍▲7六歩△同龍▲5六桂△5五角▲4六銀打△8六歩と進み第6図。
 上記手順で△3七歩成や△2七飛成に対し手抜きで▲3三歩成と切り合う手も有力だったが、渡辺九段は自陣に禍根を残さないよう▲3七同銀△2七飛成▲2八金と応じる(最善の手順)。
 対して龍の引き場所や▲3三歩成の取り方が最善ではなかったようだ。
 この後の▲2六歩△7五龍▲7六歩△同龍▲5六桂△5五角▲4六銀打と渡辺九段は最善手を続ける。対する藤井王位の△7六同龍は△8四龍が正着だったらしく、"渡辺有利”がはっきりしてきた
 しかし、形勢とは逆に残り時間は、56手目△6四歩(考慮時間1分で残り9分)から、藤井王位は時間を消費せず、72手目△5五角に1分消費しただけで残り時間は8分と減らない。対する渡辺九段はこの間、残り61分から残り25分(△8六歩の局面)までに減らしている。
 藤井王位は残り時間を減らさないよう60秒未満で頭脳をフル回転し形勢を大きく損なわない指し手を続けた。この1分以内でビシビシ指してくる藤井王位に渡辺九段は大きな圧力を感じていたのではないだろうか?形勢は有利を拡大していたが、「あまり前進している気がしなかった」と局後の感想戦で漏らしていた(by棋譜中継)

 ▲4六銀打に藤井王位は2分消費して△8六歩。

 この△8六歩は利かしておきたい歩の合わせ。「△4六同角▲同銀△8六歩だと▲8五角で間に合わないが、先に歩を合わせて▲8六同歩を強要しておけば、以下△4六角▲同銀に△8六竜で間に合う」(by棋譜中継)。しかし、手抜きで▲5五銀と角を取られてしまう心配がある(実際、手抜きで▲5五銀が正着)。勝負を懸けた一着だ。
 渡辺九段は1分で▲8六同歩。以下△4六角▲同銀△8六龍となり、藤井王位の意が通った。ただし、渡辺九段は優勢を拡大するチャンスを逃しただけで、"有利”状態はその前の▲4六銀打の時とほとんど同じ。


 ここで▲8七歩△8三龍▲同馬△同角と進めるのが普通で、それが最善だった。
 しかし、先に8筋の歩の合わせを利かされ、△8六龍とされてしまった流れから、そう進めるのは藤井王位の意図した流れとなってしまう。そこで、▲6四桂△6三角を利かせ、さらに▲3四歩(第8図)△3二金も利かせる。

 ▲3四歩の利かしの損得は微妙。この手に渡辺九段は15分を消費し、残り時間が5分となってしまった(藤井王位は6分)。
 局後の感想によると、《利かしが得か損か》で悩んだのではなく、《△3四同金と応じられる手を心配した》らしい。「△3四同金には▲8三角△5一金に▲5六角成が手厚く大丈夫だと気がつくのに15分を要してしまった。△3二金と引いてくれるのなら、すぐ打つんだった。時間を損してしまった」(←解説の鈴木九段の伝聞)
 とにかく、細心の注意を払い、さらに▲8三角△5一金を利かせて、懸案の▲8七歩を打ったが……

続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羽生会長、佐藤前会長、揃って……

2024-07-09 19:06:56 | 時事
「羽生善治九段がコロナ陽性で対局延期」の報に、えっ!
佐藤前会長も……

 新型コロナウイルス特設サイトでも、感染者数が右肩上がりのグラフになっていたので気をつけないと、と思っていたら…
4.61人 (2024年6月17日〜6月23日)
       
5.79人 (2024年6月24日〜6月30日)


 念のため、感染症への注意のレベルを上げましょう。
 御二方のご回復を祈ります。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その2

2024-07-09 17:42:40 | 将棋
「2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 午後8時35分」を「その1」とします。

 ……「その1」をアップした時は、まだ、勝利確率が78%でかなり優勢とは言え、残り時間切迫の中、渡辺九段が勝ち切るのはまだまだ大変だと思っていた。
 しかし、それから、暫くして藤井王位が特攻をかけたが足りず、勝利確率は「渡辺99%」となり、あとは詰ますだけという状況。
 解説の鈴木九段も、終局間近(渡辺勝ち)を確信していた。ただし、少し、逆転の伏線があったが、些細な事と思っていたようだ。(詳細は後述)


 千日手指し直し局も、渡辺九段が主導していた気配があり、用意の策戦だった気がする。

 渡辺九段が21手目に▲6六角と飛車取りに覗いたのが趣向で、△7四飛と躱した時点で前例が1局のみ。さらに23手目の▲7七桂で前例がなくなった。
 ▲7七桂以下△3四歩▲2二角成△同銀▲8二角と打ち込み、△9三香▲2六飛で第1図。

 第1図から△5四飛▲6八銀で第2図。
 藤井王位はこの辺り(第1図~第2図)で△8四飛▲9一角成△7一金と先手の角(馬)の働きを封じておくべきだったという感想を述べており、その後はずっと苦しいと思っていたそうだ。

 とは言え、実際は微差で、角打ちから飛車をふわりと中段に泳がせ、2筋に回し飛車成りを見せ、▲3九金を強要(先手は歩切れで、飛成りを歩で防げない)するなど、藤井王位の反撃も迫力十分。以下、10手ほど進み、第3図。

 先手の渡辺九段も飛車を8筋に転回。互いに飛車を軸に敵陣突破を目指す。
 これに対し、△8三歩と受けるのが読みの入った手で、以下▲8三同馬△同銀▲同飛成△7二角▲9二龍と、「角銀交換」「飛車の成り込み」「駒得した角を自陣の受けに投入させられる」と損得勘定が難しいが、おそらく最善の応酬。ただし、最後の▲9二龍では▲8二龍の方が良かったようだ。(後に▲8四桂と絡む筋が出てくるが、この時、龍の紐が付いている方が得)
 ▲9二龍に△6四歩で第4図。

 △6四歩と突いて、防戦一方と見られた角が一気に先手の急所に利いてきた。ただし、△6四歩ではなく△3六歩が最善手らしい。
 ▲9二龍で《先手わずかに良し》から《後手やや良し》に。△6四歩がやや疑問で、第4図は、ほぼ互角。ただ、この△6四歩が見えていなかった渡辺九段は少なからず動揺したようだ。
 《局勢は互角》《精神的にやや動揺》の渡辺九段ではあるが、残り時間は渡辺61分、藤井9分と大優勢。
 渡辺九段も腰を落とし、読み直し▲3五歩と最善手。さすがである。
 以下△3六歩▲3四歩と互いに桂頭を攻める。

 第5図は互角。残り時間は先の▲3五歩で20分消費したとは言え、渡辺39分対藤井9分と少し差は縮まったが、時間的にはまだ有利。
続く
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やっぱり、スタート時点で誤った 都知事選挙(無党派の外野視点です)

2024-07-08 11:26:48 | 時事
王位戦についても書きたいけれど、やはり、まずこちらから。


小池 百合子  2,918,015(42.8%) 無 現 71歳 当選:3回目 元衆議院議員
石丸 伸二   1,658,363(24.3%) 無 新 41歳 元広島県安芸高田市長
蓮 舫     1,283,262(18.8%) 無 新 56歳 元参議院議員
田母神 俊雄   267,699(3.9%)  無 新 75歳 元航空幕僚長
安野 貴博    154,638(2.3%)  無 新 33歳 AIエンジニア

(以下省略させていただきます)

 やはり現職は強かった。やはり進行形の都の事業や諸経費などの関連企業・団体の支持は強いのだろう。
 そして、“小池氏は強かった”
《自分の評価を高め、支持を得る》…情勢を見極めるのに長けていて、「何をアピールすればよいか、支持組織・団体をどのように活用(利用)すればよいか」の判断が極めて巧みだった。
 自民党についても……政治不信が強い自民党との繋がりを目立たなくして、マイナス要素を表に出さず、自民党の組織の力で票だけを得る
《弱点・マイナス要素を目立たなくする、突かれないようにする》
 エジプト大学卒業疑惑、企業との癒着疑惑、神宮外苑再開発の是非など、争点にならないよう候補者討論会など質問会の場を極力避けた。(何回か開かれたらしい)

 個人的には、都議会閉会の場で、「議長の承認を得た」とは言っても、《都議会の場を利用して立候補に関するPR行為は良いのかな?》と思った。
 神宮外苑の再開発は、見直してほしいなあ(素人目線、外野視点です)
 「競技場建設費などの収支決算」「東京五輪の会場、宿泊施設のその後」「五輪組織役員と協賛企業の癒着」など明らかになっているのだろうか?私の勉強不足で、私が知らないだけかも


一方、蓮舫候補……
・本人が思っていた以上に不人気だった
・立候補表明時点で、「小池都知事批判」「自民党批判」を前面に出し過ぎて、《都政は二の次》という印象が強かった

 公約にしても、小池氏の動向を気にし過ぎて、発表を遅らせたのもマイナスだった。
 選挙戦中盤以降(もしかするともう少し前から)、政策論を展開していたが、立候補表明した上で、都政の問題点や評価点を分析し、「私はこうしたい」と小池氏の動きに関係なく、提示していたら、選挙結果は変わっていたように思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その1「午後8時35分」

2024-07-07 20:40:41 | 日記
都知事選挙は、投票終了と同時に出口調査の結果から、即、小池氏の"当選確実”が出ちゃうし、懇意にさせていただいている(一方通行?)コウジさんには不快な思いさせちゃうし…
無茶苦茶暑いし……、仕事は面倒くさいし(いえ、一般的に、仕事が"面倒”なのは当たり前です)……

 ……そんな中で、王位戦の藤井王位vs渡辺九段戦は大白熱!
 後手番の渡辺九段が千日手局面に誘導し、指し直し局は先手番(先手番がやや有利)で、残り時間も藤井王位1時間に対し渡辺九段2時間20分と優位。
 指し直し局も、▲8二角と打ち込む用意の戦法?で主導権を握る。残り時間も、42手時点で渡辺1時間29分、藤井28分と優位を維持。
 しかし、藤井王位も時間切迫の中、指し手を誤らず、渡辺王位も少考を繰り返すようになっていった。
 渡辺九段は、時間を消費するも勝率5割以上を維持。徐々に形勢は渡辺九段に傾く。しかし、それと反比例するかのように、持ち時間の優位は減っていく。
 時間は両者数分、勝利確率は渡辺九段の60~70%で推移。

 午後8時35分、指し手95手、渡辺九段の勝率は78%(by ABEMA中継)。しかし、両者の残り時間はわずか2分。
 こうなると、勝利確率(評価値)は渡辺九段が勝利に近づいているのを示しているが、将棋は間違えるゲームで、しかも、形勢の反転度合いが大きい。残り2分で藤井王位相手に勝ち切るのは、なかなか難易度が高い。
 さて、どうなるか……中継視聴に専念します。
「その2」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『キングダム2 遥かなる大地へ』を観る

2024-07-06 21:02:23 | ドラマ・映画
『キングダム』はアニメで知った。
画風が少し濃かった?ので、NHKで放送されていたのは知っていたが、観る気にはなれず、録っておいたスポーツ中継とかドラマの再生ボタンを押してしまっていた。
それでも、ブログ記事を書いている時に放送されていたのをチラチラ見ているうちに、けっこうおもしろいなあと。
本格的に観たのは、成嬌が瑠衣を必死に助けに行こうとしている辺りから。なので、"ニワカ(俄か)”から脱皮したくらいで、戦国模様の状況も人物関係もよく把握していない。未だに、《こいつ敵?味方?》と悩む程度。

 で、映画『キングダム2 遥かなる大地へ』を金曜ロードショーでやるらしいというので、取りあえず録画して、昨夜、遅く観た。
 面白かったと思うが、実写は少し無理があると感じることが幾つかあった。映像的には素晴らしいと思うが、実写故に、"現実離れ感”を感じてしまうことがしばしば。
 世間の評価が気になったのでネットで調べてみると、好評、酷評様々。…まあ、そんな気がする。


 詳しいことを述べても、私自身よく分かっていないので、思うがままに書かせていただく。

羌瘣(清野菜名)……アニメでは羌瘣が好きなのだが、実写だとあの"いで立ち”は浮くなあ(かなり変!走り方も)。目立ちすぎて狙い撃ちされそうだし……
 信と二人で敵の攻撃を食い止めるシーン、信さえも羌瘣の武闘に見とれるほどの戦いぶりだったが、「息が…」と言って苦しみだす……無呼吸で一気に戦闘したので、酸欠になったのだろうが、どういう状態だったのかの描写(表現)が欲しかった。それと……アニメの羌瘣とは少し違うなあ……
・敵将軍の呉慶(小澤征悦)……隈取?が強かったので誰だか分からなかった。あれだけ有利な状況だったのに、結果的には大敗。名将と謳われていたが……
王騎(大沢たかお)……信が師と仰ぐほどの名将だが、"変なおじさん”にしか見えなかった
縛虎申(渋川清彦)……登場時には横暴で猪突猛進な愚将だと思ったが、けっこう格好良かった
麃公(豊川悦司)……凡将に見えたが、おいしいところをさらって行った。仮面をかぶって戦場を猛進していたが、誰?っと思った
(満島真之介)……ほとんど活躍しなかった

 古代や中世や戦国時代では騎馬シーンが多いし、格好いいが、「将を射んとする者はまず馬を射よ」というように、馬が狙われることが多い。
 本作でも転倒シーンが続出。特に、戦車(2頭立ての騎馬隊)が防御壁として重ねられた死体に躓いて大クラッシュした時など、馬は只では済まなそうな転び方だった。見たくないなあ……


 来週も『キングダム3』を放送するみたい。一応来週も観るつもり。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

補助金申請漏れの件で杉本福井県知事が陳謝したが、何か違うような…

2024-07-06 11:42:24 | 時事
(関連記事「福井県水産課、23年度補助金請求手続きを怠り4億6千万円を自腹(←福井県民が?)、18年度も3億円」

===========================================
「知事 補助金問題「おわび」 県議会予算決算特別委」(中日新聞:日刊県民福井Web)
県議会予算決算特別委員会で、県が国の補助金の事務手続きを怠っていた問題で、杉本達治知事
「県民に不信感を抱かせてしまっていること、18年度の事案の教訓を生かせずに再びミスが起きてしまう組織体制であったことを重く受け止めている」と述べ、水産庁との協議を続ける考えを示した。
 補助金を受け取れなかった場合、事務的経費の削減や費用対効果の低い事業の見直しなどで歳入の不足分を補う方針。再発防止策として、人工知能(AI)の活用、財政課や会計局など他部局によるチェックを挙げた。9月定例会までに再発防止策をまとめる考えを示した
 18年度の事案を当時公表していなかった点を追及され、杉本知事は「対策に集中して、報告に思いが至っていなかった。組織として公表までいかなかったことを大きく反省している」


委員会終了後、杉本知事はぶら下がり会見では
「類似の事案がないか全庁的に調査し、再発防止策を講じる。県民に疑念を持たれないよう説明責任を果たしたい」(中日新聞:日刊県民福井Web)
「県民の皆さんに影響が出ないよう、県庁の事務的な経費の削減や事業のスクラップなどで国の補助分を複数年かけて補填していきたい」(福井 NEWS WEB)
===========================================

 何か違う……
・「県民に不信感を抱かせてしまっていること、18年度の事案の教訓を生かせずに再びミスが起きてしまう組織体制であったことを重く受け止めている」
 ……何だか岸田総理の答弁(弁明)を聴いているような気がした。
 (水産庁との協議中なので確定はしていないが)《県民に損害を与えてしまったこと》に対する謝罪をすべきだ

・補助金を受け取れなかった場合、事務的経費の削減や費用対効果の低い事業の見直しなどで歳入の不足分を補う方針
 ……(節約や無駄を少なくすることは不可欠だが)県のミスによる損害を、事務経費や費用対効果の少ない事業の見直しで補填するのはおかしい。関係業者はえらい迷惑だ。その前に、たるんでいた県庁職員の給与カットで多少の補填を図るべきだ。効果的な再発防止になる。
 それよりも、まず、水産庁に何度もお願いして、全額とはいかないまでも補助を受けられるようにするのが一番の施策であろう

・再発防止策として、人工知能(AI)の活用、財政課や会計局など他部局によるチェックを挙げた。9月定例会までに再発防止策をまとめる考え
 ……人工知能に頼らなくても、担当部署の上司がきちんとチェックしておけば防げたはず
 9月までに再発防止策というのも悠長だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2024年度NHK杯将棋トーナメント1回戦 西山女流三冠-木村九段 その7

2024-07-05 11:21:38 | 将棋
「その1」「その2」「その3」「その4」「その5」「その6」………大概、「その3」ぐらいで疲れてくる……)


 図の▲3一金には少し驚いた。
 金ではなく▲3一銀が通常だろう。解説の藤井九段も銀打ちが一感だった。
 おそらく▲3一銀が最善手だが、1三へ玉を追うことになりそうなのが気になる(実際は1三に逃がしても大丈夫)。
 ▲3一金は持駒が増えると後手玉に即詰めが生じるし、次に▲3六龍と歩を払う手が詰めろになる。
 以下、木村九段は△3五桂や2筋での竜頭への歩の叩きで凌ぐが、手順に先手玉の嫌味が解消されてしまった。
 途中、どこかで△5一歩と先手飛車の利きを緩和する手があり(▲同飛成なら王手飛車がある)、そう指せば、若干勝負のアヤもあったが、木村九段は観念していたのだろう。
 最後に△4七桂成りと銀を取り、収束を待った。


 投了図以下は、△2一同金▲同龍△同玉▲3一成桂以下詰み。

 解説の藤井九段は、序盤の時に「西山さんの終盤はトップクラスだ」と述べていた。
 確かに、プロ棋士としての寄せの感覚、詰み手順の読みなどは体に染みついているように感じる。
 福間女流五冠も同様に感じるが、両者の質は違う。
 西山女流は敵防御を正面から破壊する。敵玉を頭からねじ伏せる。寄せが見えたら躊躇なく突き進む。
 福間女流は、寄せの網を絞っていき、機が熟したらスパートをかける。やや曲線的だが、一気に受けなしに持っていく瞬発力もある。



 終局直後、木村九段は西山女流の顔を見やり、にっこり微笑んだ。
《強くなったね》と言っているように感じた。


 昨日(7月4日)に「朝日杯将棋オープン戦」の1次予選で阿部光瑠七段に勝利
 この結果、直近のプロ公式戦で13勝7敗となり、「10勝以上」かつ「勝率が6割5分以上」などの条件を満たして、プロ棋士への「編入試験」を受験する資格を得た。
 西山女流は編入受験の意思を表明。

 "西山四段”と表記する日が来るかもしれない。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

経済効果なのか?

2024-07-04 17:51:24 | 時事
新紙幣が発行されたが……
『ニュース7』(2024年7月3日)によると
「新紙幣発行による経済効果は、関連する機器の更新などで、約1兆6300億円になるという試算(野村総合研究所)もある」

と述べていた。

 いや、関連機器の更新(買い替えなど)は臨時の支出であろう。
 支出が増え、それを経営努力で埋めるか、収入減(支出増)で飲み込むか、価格転嫁するか……

 経済効果という言葉がしっくりくるのは、自販機やレジや券売機関連の企業だけだろう。無茶苦茶忙しいだろうけれど。

 "経済効果”なんて、良い所取りの机上の計算……
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする