漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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敬愛なるベートーヴェン(映画):神の声が聞こえたような

2007-01-15 | 映画
題名がかなり地味で損してると思います。
でも、観終わるとやっぱり「敬愛なる」ですね。
音楽に感動できる内容です。

作曲家が書きなぐる楽譜を正確に音楽的に誤りなく
写譜する係りがいるそうで、
ベートーヴェンが音楽学校に、最も成績のよい生徒を
よこすよう依頼してやってきたのが、うら若き女性
アンナ・ホルツだった。

耳が聞こえにくくなった上に気性の荒いベートーヴェン、
お世辞が大嫌い、よくないものは徹底的にけなす。
アンナが「敬愛なるベートー・・・」と言い掛けた言葉を
頭ごなしに怒鳴りつける。

耳が聞こえないゆえに、「神の声」を聞こうと必死になる
ベートーヴェン
その葛藤のものすごさ。

アンナと ベートーヴェンは、しだいに運命共同体のように
共鳴しあう。
それは、恋愛感情とはすれすれのところで確かに異なっている。
この微妙な感じが絶妙。

   
第九の初演で、指揮をしなければならないベートーヴェン。
しかし耳が聞こえないため、曲の入りのタイミングがとれない。
これを助けるために、オーケストラの中にしゃがみこんで隠れ、
ベートーヴェンと向かい合って合図をおくるアンナ・ホルツ。

ここが最高の見所。

上手く指揮できるんだろうかと二人を緊張しながら観ていると、
曲の中盤から
彼と彼女のリズムはぴったりと一体化し、うっとり愛撫をうけて
いるようだけど
おそらく二人は神の声を聞きあっていたんだろうと思う。
というより、確かに聞こえてきたような感覚に陥る。

久々のエド・ハリス、なかなかベートーヴェンが似合ってました。

★★★☆

監督
アニエスカ・ホランド

出演
エド・ハリス
ダイアン・クルーガー
マシュー・グード
ラルフ・ライアック
ジョー・アンダーソン
ビル・スチュワート