漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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サラシナショウマ(晒菜升麻)・泉自然公園で

2008-10-13 | 薬草・生薬
晒菜升麻(さらしなしょうま)
薄暗いの林斜面に、白い穂がふわふわと空中に
浮かんでいるかのように揺れていました。

この植物の若い菜を茹でて水で晒して(さらして)アクぬきしてから食べたところからついた名だそう。
この根っこが、漢方生薬「升麻」で、葉が麻に似て薬効が上に昇る性質があるのでこの名になったという説もある。
作用:発表透疹、清熱解毒、昇挙陽気
升麻葛根湯、補中益気湯などに含まれている。

「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は、わりに有名なので知っている人も多いかもしれませんね。
名前のとおり体の中を補って元気を増す処方、これに升麻が配合されているのは、元気を上半身に持ち上げる働きを狙ったもの。
元気がなくて立ちくらみやめまいがするなどという場合にこの漢方薬が利くのは、この生薬が含まれているからです。


先週泉自然公園に初めていったのですが、園内のあちこちに当たり前のように薬草が生えていて、私にとっては大変な場所になりました。
いや、公園は楽しんで過ごせるのですが、帰ってからが大変なのです。
図鑑を片っ端からめくって調べるのですが、本の中にほかの植物の姿も発見し「あ、これあったのに写真撮らなかったー」ともがき苦しこともしばしば。
どんどんのめりこんでしまうので、きりがなくなる。
というわけで、また薬草編が続くと思うけど、どうかよろしく。


ススキの間で、かすかな風にも身を震わすように揺れる穂は
その名もカゼクサ(風草)
風流です。  ふー、ちょっと一息