漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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過敏性腸症候群と調剤薬イリボー(R)錠

2008-10-29 | 調剤薬
最近発売になった保険調剤薬「イリボー(R)錠」がちょっと話題です。

なぜならこの薬剤の適応対象が男性に限られているからです。
適応症:「男性における下痢型過敏性腸症候群」

この症状は、たとえば
会社に行く電車の中で、必ずと言っていいほど腹痛と便意を催し途中下車してトイレに駆け込む。
といった症状です。
発症原因の多くはストレスと言われています。


ではなぜ男性だけにしか許可されなったか?
1)女性でも臨床試験を行ったのですが有意な差が見られなかった。
2)女性の過敏性腸症候群では便秘になる場合も多く、この薬によってより便秘がひどくなってしまうケースもあった。
ということからだそうです。

下痢になるのは圧倒的に男性のほうに多く、
女性の場合は下痢と便秘を繰り返すタイプが多いとのこと。


さて、この薬を飲めば(3カ月くらい服用を続けてみるそう)その後はこの苦しみから解放されるか?
というと、さ程ではなく、2,3か月は調子が良いという人がいるという話です。

やはり原因となっているストレスが解決されない限りは、繰り返すことになりそう。

精神的なリラックスは体力の余裕から。
そんなところには漢方的な生活方法や漢方薬療法も併用するといい方向に行くかもしれませんね。

過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)は器質的疾患を伴わず、腹痛・腹部不快感と便通異常(下痢、便秘)を主体とし、それら消化器症状が長期間持続もしくは悪化・改善を繰り返す機能性疾患です。過敏性腸症候群の便通異常や腹部症状は、ストレスをはじめとする種々の病因によって引き起こされ、最終的には腸管神経の過緊張に伴う腸の運動機能亢進によって生ずると考えられています。
(アステラス製薬株式会社)
漢方の空間ファインエンドー薬局
昨日、植林活動のグリムスの枝が増えていました。
だいぶ木らしくなったね。