漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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30代・漢方薬で不妊症克服(第2子不妊)

2010-03-05 | 生理・生理不順・生理痛
第1子は小学校低学年という30代女性。

2年くらい前から、二人目をと思い立ったものの早期流産を2回。
流産後は、冷えが顕著になり(特に足腰腹など)、
生理痛も強くなり、生理出血後の切れもよくない。生理周期も乱れがち。

「二人目がほしいとそれほど強く思ってはいなかったんだけど・・・」
「で、今はどうなんですか」
「続けて失敗すると、このままじゃすまないでしょ、って気持ちなんです」

というわけで、漢方対策も初めから気合い十分で、絶対妊娠する!って気持ちがガンガン伝わってくる女性でした。

早期流産の内容は、着床間もなく成長が止まってしまったため。
基礎体温は高温期がしっかり維持できない状況。

第1段階:流産後は骨盤内の血流を改善して子宮内の掃除を促すことが大切。
生理時から低温期は、補血、理気活血対策
高温期は、補陽益腎活血対策

第2段階:元気な卵子を作るための低温期の充実を図ります。
低温期も補腎剤を加える

体調良く、14日目ですっきり排卵。ご主人の協力も十分。
で、すんなり妊娠反応陽性。
しかしここからが大切。

第3段階:安胎
補血補腎しながら穏やかに活血。

流産原因のほとんどは受精卵の遺伝子的欠陥によるものですが、
それでも流産経験がある場合は子宮内の栄養状態をしっかり充実させておきたいところです。
彼女もここが肝心と認識していて漢方対策を続けてくれました。
そのおかげか、順調に心音確認、出血もなく安定して関門の12週も健康に超えました。

キュウ帰調血飲第一加減、田七、当帰芍薬散、婦宝当帰膠、参茸丸などを用いました。

漢方の空間ファインエンドー薬局   不妊症と漢方薬

ところで、このところの乳幼児虐待のニュースが続くことに心がチクチク痛みます。

やっと第2子を妊娠した彼女が、「妊娠できました」ではなく、
「授かりました」と言ったことに心を打たれたのを思い出します。

「天からの授かりもの」
それは同時にとても大きな責任を背負うことだと思うのです。

育児でつらいことがあったとしたら、それを話せる場がもっと身近に必要なのかもしれません。