漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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夏川草介著「神様のカルテ」死に寄り添う医療

2015-02-23 | 
主人公は栗原一止(くりはらいちと)という若い内科医。
勤務する信州松本にある本庄病院は、24時間365日いつでも患者を受け付けるという「理想」の医療機関。
だが、医師不足のため一止の勤務は殺人的だ。
そんな環境の中にいて、一止は医療の在り方を考える。

大学病院「医局」の、最先端を実験するような医療とは全く違う、
死を待つしかない患者を受け入れ、幸せに死を迎えてもらうための医療を尽くすという医者の在り方を選ぶ一止。

人はだれもが死に向かって生きている。死は人生最後の大イベントだ。
それを支えてくれる医師がいてくれたら心強いだろうなあと思う。

夏川草介の小説デビュー作で初々しさがあるが、彼自身現役の医者なので、医者もそんなことを考えているのかと親近感がわく。

解説をあの上橋菜穂子さんが書いていてびっくり。
夏川氏が上橋さんのファンなのだそう。

夏川草介 1978年 大阪生まれ